《に転生した俺の保護者が神な件。》20話 フォーメーション
「それじゃあ私は伝える事は伝えたし帰る」
ゼウスはアイリを教室に連れてくると、とっとと教室から出ていった。
「アイリ、何かあったのか?」
「う、うん……実は私呪われてて」
「呪われてっ……えぇっ!?」
呪いという言葉に思わず驚きの聲を上げてしまった。呪いっていうとあの呪いだよな。不幸になるとか、死ぬとかそんなじの。まさか実際に呪いなんて現象が存在しているとはな……。
「私気づかなかった〜」
サラが間抜けた顔でそういった。
「実は、魔王に関係があって……」
「どういう呪いなんだ?」
呪いに気づけなかった無能神は置いといて、アイリにかけられていた呪いについて詳しく聞くことにした。
「1日のに1回か2回、魔力のほとんどを奪われてるの」
「それが……魔王の元に送られてるって事?」
「うん。でももう學園長に解呪してもらったから大丈夫だよ」
魔力のほとんどを奪われてるって事は魔力切れは確実だよな。あの凄く気持ち悪くなる魔力切れを1日に1回も2回も経験しているなんて……俺だったら苦しくて死にそうだ。
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「よく耐えてたな」
「皆に伝えてもこの呪いは解けないって知ってたの。でも學園長は不思議な力で解いてくれた。この呪いから解放されて凄く幸せな気分」
嬉しそうで何よりだ。今まで辛い思いをしてきた分、俺に何かしてやれる事があればしてやりたい。魔力切れの辛さを知っているからな。
「呪いから解放された事だし、俺に何かしてほしい事あるか?」
「今度一緒にお風呂ろう! そしてシンシアちゃんのを隅々まで洗って……抱きしめながら湯船に浸かって一緒に歌を歌うの」
「えぇぇ〜……お風呂……か」
背中に呪いか何かがあったからこの前は風呂にれなかったんだな。
でもなぁ……一応俺だって中は年頃の男の子。こんなに大人っぽくて前世の俺と年齢があまり変わらないような見た目をしてるアイリの……は、なんて見たら……。
「嫌?」
「いっ、嫌じゃない! 一緒に風呂るか!」
アイリのお願いだし、仕方ない。しっかりとこの目に焼き付けるとするか。
◆◇◆◇◆
「はい皆さ〜ん、最近魔王が復活して魔が活発になっているようなので気をつけてください。だそうです!」
特別クラスの生徒全員が集まって、サラがゼウスに聞いた話を説明した。
「強化旅行はどうなるんだ〜?」
アデルが手を挙げて質問すると、サラはニヤッと笑った。
「フッフッフッ……とても良い質問ですね!」
眼鏡をかけていないのに、指先で目元をクイッと上げる作をした。
「それ言いたかっただけだろ……」
「そ、そんな事ないもんっ!」
ほらあっという間にクールな雰囲気が崩れていつものサラに戻った。
「もしかしたら移中魔に襲われるかもしれません。そこで、特別クラスと職員で一般クラスの生徒達を守るフォーメーション! を! 考えてきました!」
おっ、サラの割にはしっかりとした話だな。真剣に聞くとしよう。
「まず──一般クラスは橫3列で長い行列を作って道を歩いていきます。特別クラスと職員はそれぞれ役割毎に、一般クラスを囲むように配置。
特別クラスは先頭に2人。最後尾に2人。橫に3人。
それぞれの場所に職員も付いて、更に護衛用のハンターも數名雇う予定です。
私は後ろについて、探知型の結界を高周囲に広げてります。魔が近づいてきたらすぐ位置を報告するので、近い方にいる人は戦闘態勢に移ってください。
念のため戦闘が始まったら一般クラスに弱い防結界をりますが、なるべく攻撃を防いでください。
私の魔力はもしもの場合の為になるべく溫存する方向です──よろしいでしょうか」
説明している時のサラは知的でカッコよかったが、最後の "よろしいでしょう" の時のドヤ顔で全てが臺無しになった。
質問したアデルは居眠りまでしているので、頑張って説明したサラは報われない。
「こらアデル君っ!」
「いてっ!」
「私が説明している時に居眠りとはどういう事ですか?」
プンスカと頬を膨らませてアデルの頭を叩いた。
「だって話が長いんだもん。眠くなるよ」
「じゃあさっき話した容をアデル君にだけもう1度、別の教室でじっくり話しますね」
「うげっ……」
隣に座っているアイリの口から 「ざまぁないね」 という言葉が聞こえてきた。
シュプレヒコール
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