に転生した俺の保護者が神な件。》最終話

「えっ、えっ!? も、もう子供の姿に戻らなくても大丈夫なのか!?」

「戻っても戻らなくても魔力消費はないよ! その代わり、私は神の力が使えなくなったの!」

……おい? ちょっと待て。神の力が使えなくなったってそれ凄く重大な事なのでは?

「やばくない?」

「大丈夫っ! シンシアちゃん大人になりたがってたよね」

「た、確かにそうだけど……」

シンシアはしばらく考えた。

サラが神の力が使えなくなり、その代わりに俺は子供の姿にも大人の姿にも自由に変できるようになった。

その場合、もし危険な狀況になったらサラに頼れない訳で……。

「よし決めた。俺、大魔道士の夢を諦めてサラを幸せにする」

「あ、諦めちゃうの? 大人になったら大魔道士になれるかなって思ったんだけど……」

サラが気を利かせてくれたのだろう。しかし、俺にもちゃんと理由がある。

「そもそも俺は1人で自立して生きる事も夢だった。でも今はサラがいないとダメダメな人間だ。なら、サラを幸せにする為に大魔道士の夢も諦めて付き合うしかない」

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「大魔道士の夢を諦めるのは……私の為……?」

「そうだ」

シンシアは力強く頷いた。

「シンシアちゃん……」

「サラ……」

──ガチャッ

「2人ともそろそろ起き……」

暑い視線を絡ませていた時、姉ちゃんが部屋にってきた。それも俺とサラは全で、俺がサラの上に覆い被さる形の時にだ。

「ぎゃあああああっっ!! レズカップルがいるっ!? 」

「ね、姉ちゃんこれは違くてっ!!」

「羨ましいっ!」

「……へ?」

姉ちゃんの口から出たの罵倒や暴言ではなく、うらやましい、だった。

「シンシアとサラさんはそういう関係だったのね……私の方がずっと昔からシンシアを思っていたのに……」

「えへへへ……ごめんね。……あっ、じゃあコリンさんも服いで一緒に寢ようよ!」

「やめろぉぉお!!」

これ以上罪を重ねたくない! 家族に変な目で見られたくない!!

シンシアはすぐに子供の姿に戻って、投げ捨ててあった服を著ると部屋から走って逃げていった。

「……今の変速度と早著替え……凄い……」

「サラさん。シンシアとの夜の話……詳しく聞かせてもらえますか?」

「えへっ、いいよ!」

シンシアは後ろから姉が追ってきていない事を確認すると、食堂に向かった。

「……ん?」

近くにやってくると、食堂から聞きなれた聲が聞こえてきた。

「良かったですね」

「もうシンシアちゃんったら神様にデレデレでね!」

「あぁ〜私もシンシアちゃんに甘えられたい……」

なんとそこにはクラリスさんとアイリがいて、セシリータと話していた。

「あら、丁度シンシアさんが來たみたいよ」

「っ! シンシアちゃ〜ん!!」

こちらに気づいたアイリがすぐに走ってきてシンシアに抱きついた。

「サラさん、帰ってきたんですってね」

「あ、あぁ。クラリスさんとゼウスのおだよ……アイリ苦しいっ……」

「すんすん……この匂い……サラ先生の匂いがプンプンする! 昨日の夜何したの?」

流石元FBI、鼻が良い……って違う! なんでバレるんだ!

「なんでもいいだろ……」

「あっ、そうそう! 私騎士団の訓練兵に合格したの!」

「おぉっ! おめでとう! って事は後は訓練を重ねていけば正式な騎士になれるのか?」

「そうっ! 応援してね!」

「勿論だ!」

アイリが無事に仕事を始めて、シンシアは嬉しいような……でも何故か置いていかれてるような複雑な気持ちになった。

「それでね、クラリス先生とイヴちゃんはまた魔王城に帰るんだって」

「えっ、そうなのか?」

クラリスに尋ねると、こくんと頷いた。

「魔王様も隨分と長しましたしね。シンシアさんも……大人になったみたいですし、そろそろ魔王の仕事に戻らなければなりません」

「クラリスさん何で知ってるんだ……?」

「いえ何も……」

明らかに頬を赤くして目を逸らしている。白いのせいでバレバレだぞ。この野郎。

「ってことは、皆それぞれ自分の道を見つけたんだな」

「アデルはまだ學校で勉強だって。頭悪いから」

「シンシアさんはどうするんですか?」

俺はこれからどうするのか決めているが、サラがそれをOKしてくれるかどうか、だな。

「前住んでた家に戻って、サラと一緒に學園で先生をしうと思うんだ。これまでの旅の中で學んでさ、俺、大魔道士の夢を諦めることにしたんだ」

「えっ……折角シンシアちゃん魔法得意なのに……?」

確かにこの技は勿ないだろう。

「その代わり、學校で生徒達を育して有な魔法使いを育てようって思ってな」

「シンシアさんらしい考えね。きっとサラさんも認めてくれるわ」

「ありがとう」

皆それぞれの道を進む事になって、俺もこれから何をするのか決めることが出來た。それも皆のおだ。

「シンシアちゃ〜ん! 一緒にご飯食べよ〜!」

「丁度サラさんも來たみたいだし、皆さんで一緒に食べましょうか」

朝食を食べながら、サラに昨日の夜の事を意気揚々と語られて死にたくなった。

「シンシアちゃんは一方的に攻められるのが好きみたい!」

昨日の夜、突然サラから押し倒されて反撃された時を思い出し疼いてしまった。

「っ……やめてっ……恥ずかしい……」

「このバカップル……妬ましい」

「シンシアちゃんはけ……なるほど!」

姉ちゃんもアイリも、クラリスさんみたいに目を逸らして……クラリスさんまで興した顔で興味津々に聞いてやがる。

死にたい。

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