《天才の天災》謁見
冠を被った白髭の老人が玉座に座っている。
周りには貴族がしと、國王の護衛であろう騎士2人、その他に數名が部屋にいた。
「よくぞ參られた。
アリシアから話は聞いているよ、
レン殿。おや?」
國王がそう告げたが殘念、俺はまだ扉をくぐってはいない。
アリシアが國王の前まで歩いていき、頭をたれる。
「どうした、アリシア。
早くお前の恩人を部屋にお連れしなさい。」
「お父様。申し訳ございませんが、
お父様と私とレン様、レン様のお仲間の4人での面會は出來ませんか?」
國王は何も言わず、し考えた素振りをする。
「なりません!」
隣にいた騎士が強く言い放つ。
「大聲をあげてしまい、大変申し訳ございませんでした。アリシア様。ですが、
私達騎士がこの場を引くことはできません。陛下やアリシア様にもしもの事が起こらぬよう、私たちがついているのです。」
「そう...ですか...」
アリシアは見るからにしょんぼりとしてしまった。親に叱られた子供みたいだ。
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「どうして4人での面會なのだ?」
考えていた國王が口を開いた。
アリシアが黙り込んだ。頭の中で必死に理由を考えているんだろう。
「俺がそれをんだからだ。」
実は部屋にる前、アリシアにひとつ聞いていた事があった。
「この扉の向こうにお父様がいらっしゃいます。りますよ?」
「あ、その前に。」
「なんでしょう?」
「俺は國王とか貴族だからと言って敬語を使ったり、頭を下げるつもりはない。アリシアにも普通に接しているしな。
貴族の中にもそういうのを気にしてる奴は多そうだからな。面倒くさい。
だから、俺がる前にお前から俺達3人と國王だけにしてしいって言ってくれ。」
「うーん、一応恩人である貴方のお願いですから話はしてみますが…
恐らく斷られるんじゃないでしょうか…」
「だろうな。なくとも護衛の奴らは反対すると思うが、一応言ってみてくれ。」
「分かりました。」
「國王、俺がアリシアが言っていたレンだ。」
「貴様!!!!國王様に無禮な態度をとっただけでなく、アリシア様に敬稱も付けないとは!」
「國王以外はし黙ってろ!」
威圧のスキルを言葉にのせて発する。
俺はこの世界でありえないほど強いってミネアが言っていたし、ほんのしだけにしておこう。
「で、俺をここに呼んだ理由は?」
周りの奴らは今にもらしそうな勢いで震え上がっている。
「き、聞いていた通り、いや、聞いていた以上の強さだ。
レン殿、お主に謝をしたくてな。
國王ではなく、アリシアの父として。
本當にありがとう。」
そう言って國王は俺に頭を下げた。
「それはいい。まだ何かあるか?
あるなら俺とミネア、アリシア以外の人払いをしてくれ。」
「了解した。コラン、皆と共に下がれ。」
どうやら騎士の名前はコランらしい。
念の為神眼でステータスは見たが、どいつもろくなもん持ってなかったから名前まで見てないな。
「しかし陛下!」
「良い、國王命令だ。」
「かしこまりました...
何かあればお呼びください。即座に駆けつけます。」
「うむ。すまんの。」
ようやく震えていた奴らも出て行った。
にしても、やっぱり親子だな。
アリシアと出會った時と同じ展開だ。
「それで、娘は第2王じゃ。第2王を助けて貰ったからには何か報酬を出さなければなるまい。何かしいものはあるか?」
「金。」
「即答じゃな。」
最初から決まってたしな。そのために來たんだし。
旅の道中で叡智からお金の基準は聞いておいた。銅貨、銀貨、金貨、白金貨があり、それぞれ100枚で1つ上の貨1枚だそうだ。ちなみに叡智の報だと、
冒険者登録には銀貨4枚らしい。
ミネアと俺で8枚だな。
「銀貨8枚。」
「ぎ、銀貨8枚?!」
「出せるだろ?」
「出せるには出せるが、もっとないのか?その、が無さすぎると思うが。」
「ないな。」
「むぅ、どうしたもんか…」
國王が驚いているとアリシアが聞いてきた。
「どうして銀貨8枚なんですか?」
「冒険者登録するからな。俺ら2人。」
「お強いですが、まだ冒険者ではなかったんですね。それで銀貨8枚と...」
「ああ。冒険者になれば、必要な分は魔を狩ったら手にるしな。」
「レン様はお強いですからね。
すぐに名前が國中に広がりそうです。」
「レン殿は冒険者になるのか!」
急に國王が「それだ!」ってじで顔をあげて話にってきた。
「そのつもりだが。」
「そうか、なら報酬は初期ランクを上げよう。」
「初期ランクを上げる?
どういうことだ?」
「冒険者は皆、登録してすぐはFランクからのスタートでな。それは、簡単に命を落とさぬようにとギルドの計らいなんじゃが。レン殿は強いと聞いておるし、あの威圧じゃ。まだ本気は出しておらんじゃろ?」
「本気の威圧をするには皆、士気を高める、もしくは気合いをれるために咆哮をあげるものがほとんどです、マスター。」
なるほど、俺は咆哮あげてないしな。
「それはギルドの決まりじゃ。その決まりのおかげで冒険者の死者はものすごく減った。しかし、レン殿のように強い者が登録することも多々ある。そういう者にとってこの決まりは枷になりかねん。
そこで、ギルド関係者や権力者の推薦で最初の設定ランクをDランクまで上げれるんじゃよ。」
「なら、そうしてくれ。」
「今紹介狀を書くから、ちとアリシアと待っていてくれ。」
そう言って國王が部屋を出ていった。
「ふ、二人きりですね…」
顔を赤らめながらアリシアがそんな事を言ってきた。
「ミネアもいるぞ。」
するとアリシアはチラッと目を俺の隣に向けると、眠そうに欠をしているミネアがいた。
封印されていて激痛が続くあの狀態で1000年なら、ろくに眠れていないのだろう。
登録して稼いだら、直ぐに宿に行こう。
「むむぅ...」
アリシアが頬を膨らませてミネアを睨む。
本人は気づいていないようだ。
睨んでると言うより、見つめてるじだもんな。全く怖くない。
そんなことをしながら10數分たった時、再び國王が戻ってきた。
「これを付で渡すといい。」
「そうか。ありがとな。」
「いやいや。本當なら地位や爵位でも與えたいぐらいじゃが、お主はけ取ってくれなさそうじゃからの。
それに、禮を言うのはこっちの方じゃ。
本當にありがとう!
また何かあったら、いつでも寄るといい。アリシアも喜ぶじゃろう。」
「ああ。」
「もう、お父様!レン様の前でそんな事...」
そう言って俺を見て、さらに顔を赤くするアリシア。
「ハッハッハッ」
「もう、知りません!」
ぷいっとアリシアがそっぽを向いた。
本當に怒っているのではないようだ。
「ミネア。行くぞ。」
「んぁ?もう終わったのかい?」
「寢るなら宿で寢ろ。早く行くぞ。」
「ふあぁ〜」
そんなやり取りをしながら、俺達は部屋を出る。
アリシアと國王は俺達の姿が見えなくなるまで、頭を下げていた。
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