《天才の天災》屋敷と奴隷
俺たちは屋敷を買う為、不産みたいなとこに來た。
「いらっしゃいませ。件をお探しですか?」
ドアを開けると、若い男が営業スマイルを浮かべている。
「屋敷をくれ。
なるべく大きめの、庭が付いてるやつ。」
「予算の方は?」
この世界にローンなどはない。
全てのものの売り買いは一括でその日のうちに取り引きされる。
俺達は家を買いに來たが、3人とも手ぶらだから冷やかしかもと思ったのだろう。
「金ならいくらでもある。
いくつか候補をくれ。その中から選ぶ。」
「かしこまりました。」
疑いは晴れていないものの、仕事だからと割り切ったのか、作業をする。
數分たった頃、
「當店で用意できるのはこの3點です。」
パソコンのようなもので畫像を見せてもらう。
1つ目は、王城の次に大きい。だが、値段があるうえに、ここからし距離がある。
王國からもし離れているようだが、
この國の所有ということで、この國で商売しているらしい。
2つ目は、1つ目と同じぐらいだが庭が小さめ
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3つ目は、1つ目と同じぐらいの庭にし小さい屋敷
「なら1つ目のを買おう。」
「よ、よろしいですか?
白金貨5枚になりますが…」
「構わん。」
俺はそう言って、白金貨10枚作り、5枚を渡す。
「あ、ありがとうございました。
屋敷までご同行致しましょうか?」
書いてある地図を叡智に頼んでマップに記憶してもらう。
「いや、俺たちだけでいい。他によるところもあるしな。」
「かしこまりました。
本日は當店をご利用頂き、ありがとうございました!何かございましたら、ご連絡ください。屋敷の所有者の名義はどうされますか?」
「レンでいい。」
「かしこまりました。
本日からこの件はレン様の屋敷にさせて頂きました。ご自由にお使いください。」
「ああ。」
店を出て、晝飯を食べていないことを思い出す。
そーいや、起きたの晝前だしな。
「お前ら、何か食うか?」
「そーいえばもう晝だね。」
「食べる。」
「何が食いたい?」
「ますたーの料理。」
「?俺の料理?」
「あー、ボスと王國に來る前に魔を焼いて食ってたろ?ボスは料理が上手いってその時のことを話したら、食べたいってさ。」
あの時は味付けなんかなかったから、
森に生えてる草を鑑定して、味がついた草をすり潰してブレンドして焼いてたな…
「いいぞ。料理してやる。
でも、それはもう1つの用事を済ませてからだ。それまで我慢しろ。」
「わかった。待つ。」
「久しぶりに食うねぇ、ボスの飯。
宿の飯も味いけど、やっぱりボスの飯には適わないからね。」
即興料理に負ける宿の飯とは...
種族がタナトスになってから腹が減ることは無いが、人間だった頃の覚が抜けないせいか空腹をじる気がする時がある。
神というのはどれだけ食べても、食べなくても問題はないようだから、やっぱりじるだけのようだ。
「じゃあ、もうひとつの方へ行くぞ。」
「そーいや聞いてなかったけど、
次は何処へ行くんだい?」
「奴隷商。」
ガシッ
急に右腕に重さをじ、振り返るとシズクが目を潤ませて震えている。
「売らねぇよ...」
安心したのか、涙を手で拭いながら歩き出す。
「あたしらはものだからねぇ。
シズクは売られるのが怖いんだろう。」
「お前は怖くないのか?」
「ボスはいらなくなったら売らずに捨てると思うんだよね。あたしのだけど…」
「ま、そのは當たってるな。
金なら作れるし、いらなくなっても他のやつにやる気はない。捨てるか殺すな。」
「著いた?」
シズクが立ち止まった先には、小さな一軒家がある。
「ああ、ここだな。」
扉を開けると小太りのオッサンがいた。
「いらっしゃいませ。なんの用でしょう?」
「奴隷を買いに來た。」
すると奴隷商はくるりと後ろを向き、
歩き出した。
「かしこまりました。
では、著いてきてください。」
カウンターの後ろには下に続く階段が隠されていて、俺達は奴隷商のあとに続く。
地下に著くと、鉄格子でいくつもの囲いを作った部屋があった。
囲いの中には複數の奴隷がいる。
「どのような商品をお求めで?」
「の回りの世話と屋敷の管理を任せるやつ1人。」
「々お待ちください。」
俺は予めこの奴隷達を鑑定していて、
めぼしい奴を見つけてきている。
しばらくして、奴隷商が1人のを連れて戻ってくる。
「これはいかがでしょう?
元々メイド業をしていた者ですが。」
「違うな。」
俺が求めていたやつじゃない。
「ミシェルというだ。」
「ミシェルですか?」
奴隷商がし驚いた素振りを見せる。
取り扱ってる奴隷の名前を見たことも無いやつが知っていたのだから、當たり前なのだが…
「この奧にいます。著いてきてもらってもいいですか?」
奧に続く扉を抜けたところにいる。
さっきののように連れてこない理由は、
「ここです。」
右足と左手がなく、右目も潰れている。
死ぬのは時間の問題だろう。
「ひでぇ傷だな。」
ミネアは顔を顰め、シズクは俺のコートを握っている。
「これを買おう。」
「ですがこの傷です。
恐らくもうじき死ぬなので、お売りすることはできません。」
「俺なら直せる。」
「そ、そんな馬鹿な...
神の方もこられたことはありますが、
この傷を治すことは出來ませんでした。」
「なら、証明しよう。」
俺はミシェルに手をかざし、ヒールよりも上の階級の魔法を使う。
「リヴァイブ。」
この魔法は普通のやつには使えないほどの大魔法だが、俺の魔力なら全然問題なくうてる。死んでなければどんな傷も癒すという能力だが、二神でさらに効果が上がり、
死んでも1日以なら生き返るようになっている。
「...あ、れ?みえ、る?」
ミシェルが自分の変化に気づき、戸っている。
「これで買ってもいいな?」
「ほ、本當に治すことが出來るとは...」
「値段は?」
「必要ありません。
もともと廃棄する予定でしたので、
お金は取れませんよ。」
「そうか。なら貰っていくぞ。」
「あ、こちらの紙にを貰ってもいいですか?」
紙には主従契約書と書かれている。
俺も隷屬魔法は使えるが、面倒だし任せよう。
渡された針を使い、紙にを垂らす。
「これで契約が完了しました。
それと...」
そう言って奴隷商は金貨を10枚俺に渡す。
「今後このような奴隷が売られてきた際、治していただけませんか?
もちろん、レン様がむ者がいた場合、
真っ先にお渡しします。」
「良い取り引きだ。のったよ。」
「ありがとうございます。」
俺はまだ使っていない念話魔法を連続で2回使い、あるを作って渡す。
「念話道テレパス」
ネックレスになっている。
「これは?」
「それは俺が作った道だ。
それを使えば、離れていても俺に念話が送れる。新しいのがった時はそれを使え。」
そして、同じものをミネア、シズク、ミシェルにも渡す。
「一応お前らにも渡しておく。」
「サンキュー。」「ありがと。」
「あ、ありがとうございます…」
さてと、用事は住んだな。
「じゃ、こいつは貰うぞ。」
「はい。今後ともよろしくお願いします。レン様。」
頭を下げる奴隷商を橫目に店を出る。
「あ、そうだミシェル。」
「はい?」
「お前にはもうひとつ、これを渡す。」
「首、ですか?」
「ああ。それはお前らが俺の所有だという証だ。詳しいことはミネアから聞いとけ。」
「分かりました、ご主人様。
それと...」
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