《天才の天災》ミシェルの過去
〜ココside〜
私は今朝食の準備を終え、ご主人様を起こすために寢室に向かっています。
ご主人様の所有になって日は淺いですが、ご主人様がすごく私達を大切にして下さっていることはよく分かります。
ご主人様に買われる前は、私はある村にいました。村の人達は畑仕事や狩りをして、その日をやりくりしていたので、裕福な暮らしはしたことがありません。
小さな村だったので、稼げる働き口はそう多くありませんでした。大好きなお母さんは病気で寢込んでいたし、お父さんは狩りで私が生まれてすぐに亡くなったため、
私がしっかり働いてお母さんに心配をかけないようにしようと頑張っていた時、
村のおじいちゃんが
「王國でメイドや執事として働けば、
莫大なお金が貰える。」
と言っていたのを思い出し、メイドとして働く為に知識をつけ、村の人達に教わりながら何とかメイドらしくなることが出來ました。
そのおじいちゃんが、狩った魔を売る為に王國に行くと言っていたので、私も一緒に乗せて行ってもらうことにしました。
Advertisement
「お母さん、私、頑張ってきます。
村の人達にも今までたくさんお世話になったから、恩返ししなきゃ!」
「もう立派なメイドさんね…
休みを貰えたら、いつでも帰っておいで…ゴホッゴホッ!」
「無理しないで、お母さん。
また帰ってくるから、お母さんもゆっくり休んでてね。」
「ええ。ありがとう、ミシェル。」
「明日早いから、もう寢るね。
おやすみなさい、お母さん。」
「おやすみ、ミシェル。」
そう言って寢室に戻り、明日の準備を済ませて早めに眠ることにしました。
私が眠りについたその夜中、村があまりにも騒がしかったので目が覚めてしまい、窓の外が明るいことに気がつきました。
「まだ夜中なのに、なんだろう?」
おじいちゃんが馬車のライトをつけているのかと思い、ふと外を見ると、
「な、...なに...これ?」
村は火の海に包まれていた。
まだ自分の家には火は著いていない。
今のうちにお母さんと逃げないと!
そう思ってお母さんの部屋に行き、
「お母さん!村が燃えてるの!
早く逃げよう!」
「え、ええ。」
お母さんは重々しくを起こし、私の方に手をかけてベッドから起きた時、
窓の外で大きな影がいたのが見えた気がした。
バタン!
「ミシェルちゃん、ラーシャさんも!
ど、ドラゴンが!早く逃げよう!」
おじいちゃんが助けに來てくれた。
「おじいちゃん、ちょっと手を貸して貰えますか?」
「ああ。ラーシャさんは俺がおぶって行く!」
「ごめんね...ゴホッ!ラルムさん...
迷かけてしまって...」
「迷なんてとんでもない!
村の人達は皆家族みたいなもんだ!」
私は泣きそうになるのを我慢して、
3人で外に出る。
「グォォォォォ!!」
「ひっ!」
「ミシェルちゃん!止まらずに走れ!」
「は、はい!」
その時は必死におじいちゃんのあとを追いかけました。
「おじいちゃん!ほかの人たちは?
もう避難してるの?」
「......」
「おじいちゃん?」
「他の家も見て回ったが、どこの家も日が回って近寄れる狀況じゃねぇ。
ラーシャさんの家は俺達の家からし離れているから、まだ火は回ってなかったんだろう...」
「そんな...じゃあほかの人たちは!」
「わからん...俺たちより先に避難しているか、あるいは…」
逃げ切るまでは泣くのはよそうと思ってましたが、涙を抑えることは出來ませんでした。
「グルゥァァ!」
空を飛んでいたドラゴンが私達に気がついた様で、火の玉を口から吐き、私達目掛けて飛んできた。
「きゃぁぁぁ!」
「ウォーターウォール!」
火の玉が、突如間に出てきた水の壁によって防がれた。
「おじい、ちゃん?」
「舐めてもらっちゃ困る。
これでも昔は冒険者として活してたんだ!だが、俺ももう年だ...
気付かれずに逃げれたら最高だったんだがな…ラーシャさん、あの時に話していた事、やってもいいか?」
「ええ。ごめんなさい、ラルムさんだけでも逃げれるかもしれないのに...」
「俺は別に構わねぇよ!長くない命だ!
ミシェルちゃんを守れるなら本さ!」
「おじいちゃん?お母さん?
一何の話をしてるの?」
「ミシェルちゃん。これは村人全員が話し合った意見だ。もちろん、ラーシャさんもな。ミシェルちゃんは俺達の、いや、この村の寶だ。もしこの村に何かがあった時に、ミシェルちゃんは、俺達が命懸けで守る。これは、あんたのお父さんが亡くなった時に、みんなが父親の代わりになろうと話し合ったことなんだ。」
「何...言ってるの...?」
「ミシェル、あなたには今まで、迷かけたね。母親らしいことなんて何もしてやれなかったけど、あなたは私の自慢の娘よ...」
「お母さんまで!みんなで逃げれば助かるかも...」
「ミシェルちゃん。このドラゴンは恐らく上位種、S級冒険者のパーティでこなせるほど危険なんだ。」
「で、でも!」
ここで自分の考えを譲ることは出來なかった。私はお母さんも、この村の人達も大好きだから。
「ミシェル、あなたが私の子供で本當によかった。私のところに生まれてきてくれて、ありがとう...」
「ミシェルちゃん。あんたは若いのに、俺達老人に気を使ってくれたり、明るく話しかけてくれたり、すげぇ嬉しかったぜ!こんな小さな村で、どこでも作れる作やよく出回ってる魔しか売りに出せない村だけど、あんたを今までラーシャさんと村で育て上げてきたことは、この村の最大の誇りだよ。ありがとな。」
私は涙が止まらなかった。
こんなこと、今まで言われたことがないし、おじいちゃんの背中はいつもより大きくじ、私が何を言っても一緒に逃げてはくれないだろう。
「ミシェル。
私からの最後のお願い...生きて!」
今まで病で寢込んでいた母から聞いたことがないほど意志のこもった、強い言葉。
「グスッ...ゔん。」
私の返事を聞くと、お母さんはにっこりと微笑んだ。今まで何度も目にした、お母さんの笑顔。
「このまま走り抜けな!ミシェルちゃん!俺は今まで培ってきたウィザードとしてのこの力!!倒すためじゃなく、するものを守るために使ってやらぁ!」
「4重魔法展開!アクアプロテクト!」
背中越しにおじいちゃんの聲が聞こえ、私の周りに青い球狀のバリアが4重ではられた。
振り返っちゃだめ!振り返っちゃ...
そう頭で言い聞かせ、ただひたすらに走る。
「ミシェル!!」
ふと頭の中でお母さんの元気な聲が聞こえた気がした。
つい後ろを振り返ってしまうとそこには、
「してる!」
地面に座り込み、そう口をかしたお母さんがたちまち炎に包まれた。
「いやぁぁぁぁ!」
足が止まりそうになりながらも、お母さんの最後のお願いを葉えるために全力で走る。王國に行って助けを呼べば、もしかしたら助かるかもしれない...
わずかな希をに走った。
もうどうやって助かったのか覚えてません。気づけばバリアは無くなっていて、
中傷まみれで倒れていた。
私...もう死んじゃうのかなぁ…
お母さん...おじいちゃん...ごめんなさい...
ガラガラガラ
馬車の音が聞こえて目を開くと、
魔を追い払った奴隷商人が立っていた。
「人間ではないですか。ここまで傷をおっていては商品にはなりませんねぇ。
いや、もしかすると司祭様なら治してくださるかもしれない。一応連れていきますか...」
ブツブツと獨り言を言っていたけど、よく聞き取れなかった。中の痛みはない。
それよりも心におった傷が大きかった。
私の意識は途絶え、目を覚ますと牢屋のようなところにいました。
私がご主人様に出會ったのはそのすぐあとのことです。
メイドとして、所有としてあるまじき行為だとは思っているとですが…その...
私はどうやらご主人様に惚れてしまったみたいです...でもそれは私だけではなく、
他の人たちも同じみたい...
シズクちゃんもミネアさんも、もしかしたら叡智さんも...
學園事件証明
整合高校の七不思議にこんな話がある。 誰も知らない不老不死の生徒が存在すると… 根倉で性格の悪いただの生徒である和鳥 野津(わとり のず)は學校で起こった數々の事件を推理する…
8 162クラス全員で異世界転移!?~廚二病が率いる異世界ライフ~
日常、ただただ平凡、それは幸せだった。 ある時いきなり表れた仮面の男に 異世界へ飛ばされたクラス一同 大虎や、龍が現れパニックになるクラスメイト達 しかし、そんな狀況でも 一人、冷靜に次を考えるある男がいた!?
8 145転生して邪神になったのでとりま世界滅ぼします
上條和斗(かみじょうかずと)16歳は生活環境故に自殺した。 女神様に新たな命を貰って、ファンタジー感溢れる世界に転生するが、どうやら邪神として召喚されたようだった。
8 51天下界の無信仰者(イレギュラー)
三體の神が神理(しんり)と呼ばれる法則を作り出した世界、天下界(てんげかい)。そこで人々は三つの神理のいずれかを信仰していた。 そんな神が支配する天下界で、唯一の無信仰者である神愛(かみあ)は生きていた。友達もおらず家族にも見捨てられた神愛。 しかしそんな彼へ少女ミルフィアが現れた。輪廻する運命によって二人は出會い新たな戦いが始まる。 これは新たな神話。 神の秩序を揺るがすイレギュラー、ここに開幕! 神律學園編 入學生としてやってきた無信仰者の宮司神愛。しかしそこは信仰者ばかりの學園だった。クラスメイトからの冷たい対応に孤立する神愛。そんな神愛には唯一の味方であるミルフィアがおり彼女だけが心の支えだった。しかし彼女は奴隷であろうと頑なに譲らない。彼女と友達になろうと神愛は行動するがそれには信仰者である恵瑠や天和、加豪の協力が必要だった。果たして神愛はミルフィアと友達になれるのか? そしてミルフィアの正體とは一體なんなのか? 神律學園編ではキャラクター関係や世界観、設定などを明かしていきます。 慈愛連立編 突然神律學園が襲撃を受ける。それは恵瑠を狙ったゴルゴダ共和國の正規軍だった。なぜ恵瑠が狙われるのか。そして恵瑠に隠された真実とは? 神愛は友を守るために戦う。そこには二千年前から続く天羽(てんは)の悲願と六十年前ある約束をした一人の男の思いがあった。慈愛連立編ではサブヒロインである恵瑠にスポットを當て物語が展開していきます。また作品の歴史を掘り下げキャラクターや物語に厚みを持たせていきます。 またコメントやいいねもぜひぜひお願いします。作者のモチベーションにも繋がりますし數が多いと見栄えがよくなり他の読者にも見てもらえるようになります。「コメントを書くのはちょっとな〜」ていう人はいいねだけでもいいのでぜひ押していってください。
8 102完璧超人がスライムに転生した結果
完璧超人の轟純也は自分が嫌いだ。 何をしても目立ち、自由が無い自分。 死ぬ間際に「不自由でもいいから、自由に生きたい!」と願いを言うと、謎の聲と共に意識が浮上し、気がつくと體がスライムになっていた! これは、元完璧超人のスライムとしての冒険の物語である。 息抜きと言いつつ、本編よりハイスピード!
8 176転生しているヒマはねぇ!
異世界で転生する予定になり、チキュウからマタイラという世界の転生界へと移動させられた『カワマタダイチ』。 ところが、控え室で待たされている間に、彼が転生するはずだった肉體に別の魂が入れられ、彼は転生先を失ってしまう。 この大問題を、誤魔化し、なおかつそうなった原因を探るべく、マタイラ転生界の最高責任者マーシャが彼に提示したのは、冥界に來た魂を転生させるこの転生界の転生役所で働くことだった。 ニホンでやる気を持てずに活力なく生きていたダイチは、好みの女性陣や気の合う友人に勵まされながら、少しずつ活力を取り戻し、それでも死んだままという矛盾に抗いながら、魂すり替え事件やマタイラの冥界と現界を取り巻く大問題と、わりと真面目に向き合っていく。
8 76