《天才の天災》それぞれの道

龍一達が目を開くと、全く見覚えのない景が広がっていた。

いかにもというじの西洋の城と思われる建の造り、ローブと言われるものを著た者が約10人がこっちを見て嘆の聲を上げている。

「おぉ!姫様、功にございます!

今すぐにでも國王様にご報告を!」

「お待ちなさい。」

いかにもお姫様らしいがローブの人混みから姿を現す。

金髪を腰までばしている、數多の男を虜にしてしまうような貌。

「勇者様方、此度は私共の召喚に応じていただき、誠にありがとうございます。」

つい聞きってしまいそうになる、き通った聲が響く。

「誰だ、てめぇ...」

とは反対の、殺気を乗せて言葉を発しているのは龍一だ。

「りゅ、龍一君!抑えて!

今は何もわからない狀況なんだし、苛立ちを表に出すのは良くないよ!」

「...ちっ...」

「すみません。私たちみんな、急な事に戸ってしまっているのです。

私たちがここに呼ばれた経緯など、教えていただけないでしょうか?」

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龍一が晃平、彩音の元に下がると同時に、

1歩前に出てきて口を開いたのは、

全く見覚えのない男

この男だけではない。今この場にいる者達はほとんどが1度も會ったことがない。

彩音はその中に1人、見知ったを見つけたので、駆け寄る。

「沙織さん!沙織さんも來ていたんですね…」

「彩音ちゃん!に包まれたと思ったら突然...それより!元の場所にはどうやったら帰れるのかしら!もしここが違う世界なら、早くレン君のいる世界に帰らなくちゃ!」

彩音は心でほっとしていた。

沙織さんはついこの間レンが逮捕されたことで、心に大きな傷を負ってしまった。

立ち直っているように見えるが、

人の心の傷というのはそう簡単に消えるものじゃない。それに続いてこんな狀況だ。

ショックはけてはいるようだが、レンのことで頭がいっぱいというのは前の世界でも変わらない。つまり通常という事だ。

「沙織さん、ここに來る前に聲みたいなものは聞こえましたか?」

「え?レン君の聲?」

「あ、いえ。レンじゃなくて、もっと無機質なじの聲です。」

「聞こえたような気もするけど、

あまり覚えてないわ…」

「そうですか。その聲は自分を神と言っていました。そして、私たちの他にも別の場所に転移した神にも計り知れない才能を持った者がいて、敵対はするな、と。」

「それがどうしたの?...まさか...」

「ええ。私はレン程の才能がある人間が、そう何人も存在しているとは思えません。もしかしたら、レンもこっちの世界のどこかにいるんじゃないかと...」

「おい!彩音、それはマジか!」

「ちょ、急に話しかけないでよ!

ビックリするじゃない!」

「なんか聞こえた気はしていたが、

そんなことを言っていたとはな…」

「僕にも聞こえたよ。

多分、レンくんで間違いはないだろうね…探しに行くにしても、何も手がかりがないんじゃ無闇にくのは危険だと思う。

お姫様が今から王様と謁見、明日からは訓練をつけてくれるみたいだし、その聞こえた聲によると、僕たちには力があるみたいだ。強くなってからでも遅くはないんじゃないかな。」

「...訓練...仮に今會えたとしても、

俺はレンさんの邪魔にはなりたくねぇ...

仕方ねぇか…晃平!レンさんを探す計畫はお前が立てろ!」

「えぇ〜...みんなで立てた方がいいんじゃ...」

「ムカつくが、俺にお前ほどの知恵はねぇ!だから計畫はお前が立てろ。

そのための道は俺が開いてやる!」

流石は、元ヤクザの若頭ってだけはあるね…

「わかった。その代わりみんな、

くれぐれも無茶はしないようにね。

あと、出來るならみんなの力は他の人には言わない方がいい。この世界にステータスとかゲームみたいなものがあったとしたら、僕らだけのにしよう。」

「「「了解。」」」

「そちらの勇者様方、今から謁見です。

申し訳ありませんがついてきて頂けますか?」

「あ、はい。すみません!」

(レン君が1人別の場所に...?

待っててね、レン君!できるだけ早くお姉ちゃんが助けに行くから!)

(レンさんが1人...か...

あの人は絶対強い。そんな気がする。

あの人に認められる為にも、こっちの世界で誰にも負けないぐらいに強くなってやる!)

(レンくん、來てるといいなぁ。

學校の時も、來てすぐに眠っていたことが多かったから、言いそびれちゃったな...

あの時不良から助けて貰ったお禮...

後悔しないように、次あったら絶対言おう!その為にも、力をつけてここから出る計畫を立てなくちゃ!)

(レン、1人なんだな...寂しくないかな…

レンに會いたい...私は風紀委員を中學校からやっているから、何となくわかる。

レンはタバコも吸うし、お酒も龍一と飲んでいた。容赦もないのも知ってる。今回レンが逮捕されたのも、人を殺したからだってのも分かってる。でも...

レンは悪い人じゃない気がする。

レンが悪い人なら私達は邪魔だって思われているのかな…嫌だな…レンからだけは、嫌われていたくない...

レンに會って、聞いてみたい!

レンの口から、直接。)

(このお姫様は、困っていた。

魔王のせいで、人族の危機だと。

魔王は許せない。を悲しませる魔王を許していいはずがない。

僕は僕の正義を貫こう。

強くなって、困っている人は絶対に助ける。それが僕の正義だ!)

召喚された者達が覚悟や目的をに持ち、

それぞれの道を示した。

今この瞬間、勇者としての人生が幕を開ける。

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