《天才の天災》と進化

目を覚ますと、が重くじた。

何かが覆いかぶさっている訳では無い。

もちろんシズクとリズは両脇に寢ているが…

長い間眠っていたのだろう。

ものすごくがだるい。

気力を振り絞り、重いを起こそうとした時に、ちょうどココがノックをした。

コンコンッ

「失禮します。」

そう言ってってきたココと目が合う。

するとココは酷く驚いた様な顔をして、

「ご、ご主人様!お目覚めになりましたか?!あまりにも長くの間お眠りになっていて、何度も起こそうとしたのですが眠りが深くて...その、し、心配しましたぁ〜!!」

そう言って泣きながら抱きついてきた。

が重いせいで、振りほどくことも出來ない。

「ココ、腹が減った。何か食事を頼む。」

グスッと鼻をすすりながら、ゆっくりと俺からを離す。

「と、取りしてすみませんでした…

5日もお眠りでしたもの、起きたら直ぐに食べれるようにと用意してありますよ。

食卓まで來られそうですか?」

「いや、どうにもが重くてな…」

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「では、ここにお運びしますね!

直ぐに持って參ります!」

そう言って俺の言葉を聞くよりも早く扉を開けて部屋から出ていった。

5日も寢ていたのか...

どうりでが重い訳だ。

回復魔法の中に、この狀態を治すものはなかったか?

考えても分かりそうになかったので、

隣で気持ちよさそうに寢ている叡智、

もといリズに聞いてみよう。

「リズ、聞きたいことがある。起きろ。」

「......ぅぁ〜...どうしましたか...?

マスター......え?!ま、マスター?!

お目覚めになられたのですね!」

ココとのやり取りと同じだ...

「そんなことより、がだるい。

治す魔法はなんだ?」

「え、えっと…『リザイア』という魔法ですね。支援魔法の1つです。」

「支援魔法?」

「はい、長時間の睡眠によるのだるさは、の疲労ではなく筋を休ませすぎたことで起こるとこの世界で言われています。ですので自信に支援魔法でバフをかけると、支援魔法が切れる頃には普通にけるまでに戻るでしょう。」

「そうか、ありがとな。もう一度寢ててもいいぞ。」

「いえ、マスターが起きるのであれば私も起きます。」

「そうか。ところで、ミネアはどこへ行った?」

「ミネアに用ですか?」

「いや、姿がないようだから気になっただけだ。」

「そうでしたか。ミネアは庭で木製の大剣の素振りをしていると思いますよ。」

「素振り?」

「はい、ミネアだけではなく、マスターが眠っている間に私とシズクも一緒に稽古しています。」

「なんで急に?」

「以前マスターが龍化された時に、

マスターのステータスがまたひとつ上昇したのがじました。ココは家事という面でマスターを支えておりますが、私達は護衛、パーティメンバーとして活していますので、お荷にはなりたくないからです。」

「そうか...ならしっかり力をつけろ。

お前達は俺には屆かないが、まだまだ長するだろうしな。」

「ん!」

「...起きていたのか、シズク。」

「ますたーの言葉、聞き逃す、勿ない。」

「なら聞いていた通り、しっかり努力しないと捨てることになるかもな。」

し悪戯心で言ってみると、2人の目がうるみ出した。

「...が...頑張りまず......!」

「...(ふるふる)」

「......別に今捨てるわけじゃない。

になるならだ。

嫌なら頑張ればいい。」

「「はい!」」

まだ目は潤んでいるが、し安心したようだ。

「あ、マスター。しよろしいですか?」

「なんだ?」

「マスターのおの件ですが、

恐らく人族であるマスターのおが、

タナトスという神になったステータスに追いついておられないことが、睡眠時間が多い理由だと思われます。

進化と制のスキルを私が所持しておりますので、神眼でとってお使いくださいませんか?」

「そういえばは人族のままだったか…

わかった、貰うとしよう。」

「ありがとうございます!」

神眼を使い、5つあるスキルをとり、進化を使う。(もちろん2回)

すると上に引っ張られるような、心地よい覚に襲われる。

しばらくしての周りの僅かな発がはれる。

「...特に変わった所はないな…」

「いえ、髪が白銀になっていますよ。」

「ん?本當だ...それに長いな…」

レンの白銀の髪は腰までびていた。

これでは戦闘で邪魔になりかねない。

「ウインドカッター。」

初級の風魔法を用にり、髪を切っていく。

「...こんなもんか。」

で言うショートカットほどの長さに整え、右目は髪に隠れている。

「右目は隠れていてもよろしいのですか?」

「これならフードがげても、神眼でった時にバレることは無いからな。魔眼はそんなに頻繁に使うことは無いだろうし。」

「なるほど...さすがですマスター!」

そんな褒められるほど考えた訳では無いが…

この長さにしたのは首元が寒いからだし...

そうこうしているうちに首からタオルをかけている汗まみれのミネアが帰ってきた。

「おぉ!なんだい?ボス。イメチェンってやつかい?」

「ファッションなんかに興味ねぇよ…」

「進化、した。」

「そーいやリズが言ってたね。

カッコイイよ、ボス!」

「そりゃどーも。」

((はっきり言えるミネアが羨ましい...))

想い人に見惚れてタイミングを逃して悔やむ者と、恥ずかしさのあまり言葉が出なかった者が2人、同じことを考えていた。

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