《天才の天災》シズクVSミネア(シズク視點)

〜シズク視點〜

「続きまして第4試合、シズクVSミネア、バトルスタァァトォォー!」

やっと闘いが始まった。

さっきまでは開戦の合図と共に観客席が賑わっていたが、不思議そうな顔をしている。それもそう。私たちを知ってる人は居ないから。

でも、関係ない。

ミネアには模擬戦でもほとんど適わなかった。だからミネアに指導してもらって、

前よりは戦えるようになったと思う。

ほんとはますたーに教えてしかったけど、それはミネアも同じ。

それに、ますたーの自由のためにますたーの自由を貰って教えてもらうのは、何か違うと思う。

いや、ミネアに勝つために、ちゃんと集中しよう。

ミネアが使うのは大剣。

私は暗殺の能力を磨いてきた。

力と判斷力、ますたーと旅してた時の経験にはまず適わない。

私の持ち味は速さと視力。

前もってますたーのところに聞きに行ったけど、ますたーは持てる全てを使えって言ってた。

つまり私は魔族、ミネアは竜人族の固有能力も惜しまずに使う。

ミネアが大剣を構えた。

出方を見てる、のかな。

先手をくれるなら、できるだけダメージを與えたい。

「弱魔法」

ほんとは魔眼と重ねがけしたいけど、

ミネアは私よりレベルが上だから使えない。魔法で下げれるだけ下げよう。

対象の下げれるステータスはひとつのみ。

下げるのはこれしかない。

「どうしたんだい?シズク。

いつまで向かい合ってるんだい?」

ミネアはまだ弱に気がついていない。

「行く。」

「影潛り」

このフィールドは天井や壁などでいくつか影がある。

シズクは影に潛ってを潛める。

「影投影」

影の中から複數のシズクが現れる。

現れたシズクの足元には元々あった影が消えている。これは周辺の影を束ねて作った偽

のシズクは影の中で次の手を打つ。

「呪詛魔法

生きとし生けるものは死へと近づく。

死の運命をれろ。

死の概念は汝の元にあり。

皆の傍に常に存在したるは死神である。

死に慄くな。生を恐れよ。

生とは苦であり、死とは楽である。

今宵、汝を死へとわん。

~死神の幸福〜」

やっぱり呪詛魔法の詠唱は長い。

これでも詠唱省略のスキルを持っているのに、影投影がないと間に合わない。

でも、これで下準備は終わった。

ミネアは最後の分と戦っている。

狙うのは最後の投影を倒す瞬間。

この一撃で倒すつもりで行こう。

ミネアが大剣を橫になぎ払い、投影が真っ二つに別れる。

「今っ!!」

〜死神の幸福〜

呪詛魔法【極】取得者にのみ扱える、

斷の呪付與魔法。

詠唱が長く、途中で詠唱を止めることが出來ず、詠唱中は移することも出來ない。

呪詛魔法は詠唱中に中斷した場合、

その呪いが自分自に降りかかる。

付與から15分後、対象を苦しみのない死に至らしめる。

詠唱にかかる時間は10分。

省略時は5分とされている。

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