《天才の天災》決著

「き、決まったァァァ!!

第4試合、フィールドに無傷で立っているのは、ミネアだぁぁぁー!!!!」

「凄かったぞー!」

「さすがSクラスだな!」

実況に続いて観客の聲が疑いから歓聲に変わる。

ミネアが半龍化してからは一方的だった。

呪いが発しない違和で一瞬足を止めたシズクにミネアが尾、剣、足の連撃をくらわし、シズクがフィールド上でくことが出來ずに倒れ伏していた。

「大丈夫かい?シズク。」

「ーーーっァ...」

恐らく連撃により砕けた肋骨が肺に刺さったのだろう。聲どころか呼吸もまともに出來ていない。

ミネアはシズクを抱え上げ、そのままフィールドの外に出る。

フィールドに張ってある結界をぬけたことで、シズクは完全に回復した。

「ミネア、もういい。歩ける。」

「そうかい。」

シズクはミネアとレンの元へと歩を進めながら、納得いかなそうに尋ねる。

「なんで、死なない?弱化と呪いをかけたのに。」

「あー、半龍化ってスキルを使っただろ?元々竜人族ってのは、個差はあれど多は弱魔法と呪詛魔法には生まれつき耐があるんだよ。半龍化ってのはそれを完全に無効化する効果があるんだよ。

ま、半龍化するまでは呪いをかけられていたのは気づかなかったけどね。」

「...ずるい。」

シズクがムスッとした顔で下を向く。

「まぁそう落ち込むなって。

模擬戦の時より強くなってたじゃないか。今回勝てなかったのは相の問題だよ。」

「...ッ!」

シズクの目から涙がこぼれる。

「シズク、泣いてるのかい?」

「......泣いてない。」

「はぁ。どうせ、こんな実力じゃボスの役に立てない。とか考えてるんじゃないかい?」

「...。」

「當たり、か。」

「...うるさい。」

「あたしらは道だけど、役に立とうなんて考えなくていいんじゃないかい?

ボスはなんでも出來るし、何をやっても

ボスの足元にも並べないだろ?」

「...ますたーが強いのは、當たり前。」

「そうなんだけどさ。あたしもボスに言われて分かったんだけど、あたしらが思ってる役に立つ事とボスが考えてることはちょっと違う気がしてね。」

「......?」

「あたしらはボスの盾となり、剣となる。なんて言うか、護衛みたいに思ってるだろ?」

コクッ

涙目のシズクが目をりながら頷く。

「ボスは一言も、俺を守れ、なんて言ってないんだよ。」

「どういうこと?」

「ボスは戦ってる時、子供みたいに目を輝かせてるのは知ってるかい?

本人も気づいてないだろうけど、

しでも強いやつと戦いたいし、

楽しいって思ってるんじゃないか?って

この前ふと考えちまってね。」

「戦闘狂?」

「ちょっと違うね。

強いやつと戦うのは楽しいだろうけど、

弱いやつは、戦っても楽しくないんだと思うよ?ボスはあたしらでさえも、手が屆かないと思えるほど強い。だからこそ、

弱いやつを倒すって言うのは作業みたいで嫌なんじゃないかね。」

「じゃあ役に立つ事って、弱いやつを代わりに倒すこと?」

「半分正解だね。」

「??」

「もちろんそれもあるだろうが、

あたしらに強くなってしいんだと思うよ。」

「!!だから、武を?」

「多分ね。ボスが強いって思えるやつなんかそうそういないだろ?

でもボスと出會ったおかげであたしらは

以前より強くなった。

ボスを楽しませるぐらい長することが

今1番ボスがんでるんじゃないかねぇ。

ま、全部あたしの考えなんだけどね。」

「......る。」

「ん?」

「強く、なる!次戦う時は、ミネアも殺せるぐらいの呪いにする。負けない!」

袖で涙を拭い去り、いつものシズクに戻る。

「それじゃ、あたしもまだまだ頑張らないとねぇ。」

「頑張らなくていい。」

「ふふっ。それは無理だね。」

「お、おい。あのミネアって言う竜人族、めちゃくちゃカッコイイな!

人だし、強いし。」

「それを言うなら、シズクって子もそうだろう。負けちまったけど、無口そうですっげぇ可くね?」

2人の知らないところで、他クラスの男がファンクラブを結した瞬間だった。

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