《天才の天災》レン君との出會い

初めてレン君を見かけたのはある晴れた日。

通學路で不良と喧嘩をしているレンを見かけた。喧嘩というより、一方的だったけど...

その時に綺麗な子だなと思ったが、

特に気にもとめていなかった。

しばらく経った日、その近くの公園でレン君がベンチに座っているのを見つけた。

ただただぼーっと空を見ていた。

私も急いでいたわけではなかったので、

もうしだけ彼の顔を眺めていたくなった。30分ぐらいかな。レン君が帰ろうと立ち上がったので、我に返った。

(し、知らない人をじっと見るのは失禮だったな...私、もしかしてこの子のこと...)

そんなことで頭がいっぱいになっていた私は、後ろからくるモーター音に気づかなかった。気づいて後ろを向くと、すぐそこに猛スピードを出して突っ込んでくるバイクが見えた。

「...え?」

怖くて、何も出來なかった。

そんな時橫をすれ違ったレン君が私の前で

バイクに真橫から蹴りをれた。

バァァァァン!!!!!!!

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石の壁にバイクがぶつかる音が大音量で辺りに響く。

バイクは結構スピードを出していたのに、

レン君の真橫の壁にぶつかり、かなくなっていた。

お禮を言いたかったけど、腰が抜けたせいでその場に崩れ落ちた。

聲も出なかった。

レン君がボソッと呟いたのが聞こえた。

「うるさい。」

そのままレン君は帰って行った。

次の日、お禮を言おうと公園に來たけど、

彼の姿はなかった。

あの速さのバイクを止めたんだから、

もしかしたら怪我をしているのかも。

んな可能が頭をよぎる。

私は心配になり、公園まで毎日通った。

朝から晩まで、雨が降っても、毎日欠かさず彼の姿を探した。

1週間たった時、公園のベンチで彼が眠っているのを見つけた。

見たじ、怪我とかは特になさそうだったけどお禮を言う為に彼が起きるまで隣に座らせてもらった。

(恥ずかしくて、顔見れなぃ...)

気持ちよさそうな寢息の隣で、

私は1人でドキドキしていた。

「んん...」

起きたかな?と思って彼の方を見た。

寢返りをうっただけだったけど、

彼の顔を見てしまった。

今までにあったことがないぐらい可い。

その可さは、私の中で言葉では言い表せないほどだった。

パチッ

目を覚ましたレン君と目が合う。

「あ、お、おは、よぅ...」

張してしまってハッキリとは言えなかった。

怪訝そうな顔をしていた彼としばらく話をした。

この前のお禮もちゃんと言った。

私のことは覚えてくれてたみたいだ。

まぁ、バイクの時の通行人みたいなじだったけど、それでも嬉しかった。

「この公園に來れば、會えるかなって思って。」

「あー、最近は來れてなかったけどな。」

「何かあった?もしかして、この前ので怪我とかしちゃってたり...」

「してねーよ。そうじゃなくて、

親が死んだから、々と面倒なことがな。」

あ、やってしまったと心から後悔した。

私より年下の子が、親をなくしたなんて。

でも彼は別に気にしてなかったみたい。

それより、親が作った借金のせいで家がなくなったから、公園で寢ていたらしい。

「そ、そっか...

借金ってあとどれぐらいあるの?」

「もうないよ。家を売ったら借金はなくなった。」

「なにか、私にできることはないかな。

その、この前のお禮に...」

「要らない。」

「.........!!そうだ!私の家に來ない?

私も親がいなくてさ、マンションで一人暮らししてるの。」

「いいの?知らない人をあげて。」

「いいの!気にしないで。」

「でもいい。俺さ、やりたいことだけやろうって思ってるから、働く気もないし。

1人でいい。」

「私があなたと住みたいの!

なら、私があなたを養う!」

「なんで?」

「だって、私あなたが好きだから!

あっ...!!」

思っていた事がそのまま口から出てしまった。

嫌われたと思ったけど、

フッて彼が笑った。

初めて見た、彼の笑った顔。

「じゃ、よろしく頼むよ。お姉ちゃん。」

ボン!!

「?顔、赤いぞ?風邪か?」

「だ、大丈夫!なんともないよ...」

(反則だよぅ.../////)

フラフラした足取りで、その子と家に帰った。

「そういえば自己紹介まだだったね。

君、名前は?」 

「レン。」

は?」

「あれは俺のじゃない。

もう死んだあいつらの名前だ。」

「そっか。私は氷上沙織。

呼びやすいように呼んでね、レン君。」

「...じゃあ姉さん。」

「そ、それはダメ...私がもたないから...」

呼ばれただけで鼻が出てきた...

「じゃあ沙織で。」

「う、うん。」

レン君と暮らすのにも(張しないぐらいには)慣れてきた頃。

私はレン君と食後にお茶を飲んでいた。

「なぁ、沙織。」

「何?」

「俺、氷上になってもいいか?」

ブッ!!

な、何?氷上になる?!こ、告白?!?!?!

「ケホッケホッ!ど、どうしたの?急に...」

「いや、あいつらのは使いたくないけど、がないと不便だろ?」

「(そ、そういう事か...てっきり告白かと...)い、いいよ!私達はもう家族だもん。」

レン君はたまに天然な所があるけど、

そこも可い...

私がこんな天使と一緒に暮らすなんて...

幸せ過ぎる...

神様、ありがとうございます。

心の中でしっかりと神に祈りを捧げる。

レン君が不良と喧嘩をして帰ってくることもなくなかった。でも怪我してるところなんて見たこと無かったし、服も汚れてすらなかった。心配じゃないって言ったら噓になるけど…

警察の人が家に來たこともあった。

でも私はレン君が何をしても許せてしまう。逆に他の人がレン君に合わせればいいのにとさえ思う。

二人の距離がまったことで、

レンの墮落生活に磨きがかかり、

沙織はレン大好き人間として拍車がかかったのだった。

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