《天才の天災》無慈悲な悪魔

「うるせぇ。」

スパンッ

後ろの人影から聲が発せられるや否や、

ほとんど無音にも等しい風切り音と共に

になりかけていた人の首が落ちる。

あまりにも突然の出來事で聲を出すどころか何が起こったのか理解するのにも時間がかかった。

「あなたは…さっきの…」

「お前も來てたんだな。悪いが、このダンジョンは終わりだ。場所を変えな。」

「…そ、…その人は…」

僕は首を切り落とされた人を見て、

たどたどしく口を開く。

「ん?こいつがどうかしたのか?」

「…ギ…ゴァ…」

言葉にならないながらも切り落とされた頭からうめき聲が聞こえる。

「スライムの異常種みたいだねぇ。」

「切っても、再生する。ますたー。」

「異常種ねぇ…」

レンは本來のスライムも知識として持ってはいるが見た事がなかったので區別は著いていない。

そもそも異常種自報はないため、

違いも分からない者も多い。

「リズ。」

俺の呼びかけに答えるや否やすぐに脳で異常種の説明を話した。

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「はい、マスター。本來のスライムはの中に核と呼ばれる丸いものを割るとスライムは死にます。低級の魔法や理などの攻撃しかしてきません。

それと違い異常種には核がありません。

一撃で消し飛ばさない限り何度でも、

どんな小さな一部からでも再生が可能ですが、2に分かれる、なんてことはありません。そして、異常種のスライムは魔法は基本使わないものとなっています。

その代わり、核作というスキルで対象のり込み、対象の核、生であれば脳を乗っ取り作します。」

「へぇ、々いるんだな。」

そんな話をしている間に、切り落とされた頭が土に熔けた様に無くなり、から頭が生えていた。

「ちょ、ちょっと待ってください!」

レン達の前に立ち塞がる様にリョウヘイはレンに話しかける。

「あの人は異常種にを乗っ取られただけなんだ!まだ生きてる!」

「んなもん見りゃわかる。だから殺すんだろ…」

何をわかりきったことを言っているんだという風に呆れた顔をし、後ろの2人もそれに同意する。

「さっき聞こえた聲の説明通りなら、まだ助かるかもしれない!脳を侵食するのに時間がかかる可能も…とりあえず、

僕はあの人を助けたい!」

「あなた…」

異常種に乗っ取られたの友達は

涙を流しながらリョウヘイをまっすぐ見る。

「あなたは僕が會ったどの人よりも強いってことは分かります!!どうか僕と…」

一緒にあの人を助けてください。そういう前に異常種がゆらゆらと立ち上がった。

「イ…イタイイタイアァアアアァアァ!!!」

乗っ取られたが奇聲をあげながら剣を拾い向かってくる。

スッ……

いつの間にかリョウヘイの前にレンの姿は無くなっている。

急いで振り返った時にはレンの手が乗っ取られたの頭にれられている。

異常種もレンに気づくことは出來なかったようで、速度を落とす前にレンの手にれてしまっていた。

レンの手に頭がれた瞬間…

「混合魔法」

パァァン!!!

耳が張り裂けそうな大きな音を上げて

異常種は乗っ取っていた事消し飛んだ。部から弾けた様な音だったにもかかわらず、やスライムの欠片1滴も飛び散ることはなく、れたものが一瞬で消えたように見えた。

レンはしばらく黙って自分の手を見ながら考え事をしている。

「また魔法の試し打ちかい?ボス。」

「すごい威力…なんていう魔法?」

今まで通りのじでミネアとシズクがレンに近づく。

「…ぁ…そんな……ためし、うち…?」

「いやぁぁぁぁ!!!!サリア、サリアァ!!!」

リョウヘイはその場に立ちすくみ、

ローニャと呼ばれるはよたよたと

友達が消し飛んだ辺りまで駆け寄り蹲る。

レン達はそれに構うことなく會話を続ける。

「いや、今のは失敗だ。闇との屬はどうも他の屬と融合出來ねぇみたいだ。闇と同士なら融合できたが、他の屬だとさっきみたいになる。」

「いやいや…失敗って威力じゃなかったんだけどねぇ…」

「ますたー、強い。」

リョウヘイがローニャの姿をゆっくりと視界に捉え、我を取り戻す。

足早にレンの元に駆け寄りレンのぐらを摑む。

「……」

レンは何も言わず、ただ見下ろす。

ミネアとシズクも割り込む様子がない。

リョウヘイはレンを倒せるかもしれないと言うレンの言葉を覚えているから、自分達でレンの意思に背くことはしないようにとただ見守っていた。

しかし理解はしていてもレン、自分たちの主が取られている狀況に怒りがわかない訳ではなく、歯をギリギリと食いしばり、強く握られたてはフルフルと小刻みに震えている。

「…んで……なんで殺したんですか!!」

「剣を向けられたからな。」

「その前は剣を向けられてたのは僕だった!!あなたが向けられたわけじゃないのに!どうして首を切ったんですか!!!」

「通路に立ち塞がってて邪魔だった。」

「まだ…まだ助かるかもしれなかったのに…!!」

「今のお前には無理だな。」

「…グッ……それでも!!」

リョウヘイの問いかけに淡々とした口調でレンが答える。

「あの人の友達だったんだ!!!」

「へぇ、変わってるな。魔と友達になるやつまでいるのか…」

チラリとローニャに目を向け、視線を戻して他人事のように言い放つ。

「魔に乗っ取られただけで!!

あの人を助けるって、約束したんだ!!!」

「なら、俺を止めれば良かっただろ。

助ける約束をしたのはお前で、俺じゃない。」

「…でも…ムグッ…」

レンはリョウヘイの首を片手で摑み、

そのまま持ち上げる。

「いいか?お前もあの魔も、あいつも弱い。だから他人に主導権を握られる。

自分のむ結果にならなかったんじゃねぇ。自分がむ結果を作るほどの力がなかった。それだけだ。

あの魔に取りつかれたやつに抗う力があればそもそも乗っ取られることは無かった。

あのんでるが弱かったから、人に助けを求め、自分はただ祈って見てるしか無かった。

お前に力が足りなかったから、俺を止めることも、あいつらを救うことも出來なかった。」

そう言い放ち、手を離す。

「…ゲホッゲホッ…カハッ…」

リョウヘイはレンの足元で苦しみながらも涙目でレンを見上げる。

「弱い奴に決定権はねぇ。

何をするか、どこへ行くかなんて、

強いやつの前じゃ選べねぇ。

死に方もな。」

そう言い終え、帰るぞと2人に手をあげて出口に向かって歩いて行った。

リョウヘイは恐怖と何も出來なかったと言う絶、虛無から、ただレンの後ろ姿を見ていることしか出來なかった…

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