《異世界生活は突然に〜いきなりチートになりました〜》プロローグ①

家の近所の見慣れた商店街をこれまた見慣れ奴と一緒に歩く。

普段からそれなりに人通りの多い商店街ではあるのだが、年末も近いとあって今日はかなり混雑していた。

そんな人混みを掻き分けながら駅の方へと2人して歩く。

橫を歩いているのは鏑木一也、同じ會社の同期である。

ちなみに俺の名は赤城渉、しがないサラリーマンをやっている。

今日から年末休暇が始まり、

夢の10連休初日。

にも関わらずやる事も無くただブラブラと商店街を歩いているだけ。

一也とは境遇が似ているということから仲良くなり、こうやって休みの日にはよく一緒に出掛ける仲だ。

社以來3年間休みはほぼ毎日一緒にいるため、もう親友と呼んでもいいだろう。

格は正反対と言っても良い程似ていない。そのせいで意見が食い違うことは多々あるのだが、逆に格が違うからこそお互いに一緒に居て飽きないのだと思う。

そうやっていつも通りただブラブラしていた俺達に異様な景が飛び込んで來る。

駅の方からび聲と共に大勢の人がこちらの方へ走って來る。

「きゃーーーーー!!」

「逃げろーーーっ!!」

「助けてくれーー!!」

皆、何かからしでも離れようと全力で此方へ向かって駆けて來る。

「なんだ?なんかのイベントか?」

「さぁな、取り敢えず行ってみようぜ。」

事態の深刻さを知らない俺達はとにかく何が起きているのか知りたい一心で駅の方へ向かった。

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