《異世界生活は突然に〜いきなりチートになりました〜》戦闘訓練は突然に③
「ではいよいよ実踐していきましょう。先程説明し通り、魔法を使うには詠唱が必要になります。詠唱の長さは段階によって変わりますが、基本的な文章の組み合わせなので覚えてしまえばある程度は出來ると思います。
では試しにやってみますね。」
アリシアはそう言って右手を突き出す。
「冷き水  萬有の理を外れ  我が意に従い  その力で相手を貫け」
アリシアがそう唱えた瞬間、アリシアの右手から水の渦が発生し瞬く間に細長い槍の様な形狀を形作る。それから10m程離れた場所に立っている木に向かって勢い良く放たれ、その木を簡単に貫通して見せた。
「今のが水屬の第一位階魔法、アクアスピアです。
ではワタルさんもやってみましょう。ワタルさんは火、風、土系統の魔法が使えますのでまずは火系統からやってみましょうか。
私の後に続いて詠唱してみて下さい。」
そう言われてし張しながらアリシアの言葉の後に続く。
「熱き炎 」  「熱き炎」
「全てを覆うが如く」  「全てを覆うが如く」
「我が意に従い」  「我が意に従い」
「その力で相手を焼き盡くせ」
「その力で相手を焼き盡くせ」
そう唱えた瞬間、自分の右手から炎が立ち上がる。その炎はみるみるに大きさを増し直徑5m程の火の玉に長する。
次にどうすれば良いのかアリシアに聞くため彼の方を見ると、彼は信じられないといった表でその火の玉を見上げていた。
「何なのこの大きさ。これで第1位階魔法?ありえないわ。」
なんか間違ったのか?そう思いながらアリシアに尋ねる。
「なぁ、これからどうすれば良いんだ?」
俺の問いかけでようやく我に返ったアリシアが次の行を支持してくる。
「ご、ごめんなさい。ではあの木を狙ってその火の玉を放ってみて下さい。あの木に意識を集中して押し出す様なイメージです。」
言われた通りにやってみる。
火の玉は俺の手を離れ猛スピードで目標の木へと向かう。
次の瞬間、業火の柱となって木を炭に変えてしまった。
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