殘るは舊伯爵邸だけだ。

俺とアリシアは急ぎ舊伯爵邸へ向かった。

舊伯爵邸はその名の通り、占領される前まではこの街の領主が住んでいた建で、2階建の洋風な造りの荘厳な建である。

口にゴブリンが1立っているが、これをアリシアの魔法で瞬殺する。

ドアを開け中へると大きな回り階段があり、2階と左右へ行ける様になっている。

「アリシアは1階を頼む。俺は2階へ向かう。何度も言うが、くれぐれも無理はするな。魔人と遭遇したら直ぐに知らせろ。」

「了解しました。ワタルさんもお気をつけて。」

そう言って俺達は二手に分かれる。

俺が2階を選んだのは幹部クラスは2階にいる可能が高いと考えたからだ。

その予想は的中する。

2階へ上がった途端、中からアンデットが3飛び出してくる。それは上に幹部がいる事を証明していた。

アンデットと対峙して俺は國王から貰った2本の剣を鞘から抜く。

し短い刃渡りは建の中で使用するのに合っているし、魔法を使えば先程の様に予想以上の被害を出しかねないと思ったからだ。

強化の魔法を無詠唱で自分に向かってかける。

3の1が攻撃を仕掛けてきた瞬間、此方も攻撃を開始する。

イリア様との特訓のおで3のアンデットは殆ど止まっている様に見える。

1目は上段から袈裟斬りの制だったのでを切り裂く、2目はそのきの流れのまま上段へ剣を持っていき袈裟から下へ向け斬りつける。最後の1は頭部めがけてもう1本の剣で突き刺した。

意外とあっさり倒せた。

これもイリス様とやった特訓の果だなと思いながら先程アンデット達が飛び出してきた部屋のドアを開ける。

そこには長2mを優に超える大きな魔人が座っている。

その両脇にそいつよりし小さい魔人が2立っており、こいつらが指揮と士クラスの魔人だと直ぐに分かる程さっきまでの奴らとは雰囲気が違う。

大將らしき魔人は座ったままかない。

「グハハ、人間のクセになかなかやるではないか！先程の発も貴様の仕業か？」

さっきの失敗を思い出し、し恥ずかしくなる。

「あ、あぁ、そうだよ！悪いかよ！」

恥ずかしさのあまり、しおかしな回答をしてしまった。

「人間の割には強い力を持っている様だがし調子に乗り過ぎたな。お前ごとき、この2人で十分だ。まぁ、萬が一にも勝つ事が出來れば俺様が相手してやるよ。」

えらい余裕だな。

まぁ魔族の中でも上位の自分達が、人間に負けるなんて思わないのが普通なんだろうな。

そう思いながら剣を構える。

そして次の瞬間、左の剣で左手に立っている魔人を突き刺し返す力をそのまま右側に向かわせ右の剣で右手の魔人を斬り倒した。

そしてそのまま目の前に座ったままの大將へと向かう。

剎那の出來事に中央の魔人が気付いたのは自分の元へ2本の剣が突き刺さった後だった。

「悪いな。お前と話をする為に來た訳じゃないし、お前に相手をして貰いたい訳でもないんだ。お前より遙かに強い存在を俺は知ってるからな。

まぁ、油斷したお前らが悪い。」