《異世界生活は突然に〜いきなりチートになりました〜》ゴールドルーキーは突然に29

この世界での強さは魔力量に比例する。

どんなにを鍛えようが、どんなに技を磨こうが、魔力量に圧倒的な差があればその努力はいとも簡単に無意味になる。

もちろん魔力量のみが強さの全てではないが、強さの大部分を占めているといって間違いないのである。

「てことは俺は能力で元々上回っていた相手にわざわざ強化を使って戦っていたって訳ですか?」

そりゃ圧勝する訳だ。

しかも1.5倍にしてたつもりが15倍にしていたなんて。

魔力の流れは蛇口と水の関係に似ている。同じ口徑でも出す水圧が高いと勢いよく水が出るし低いと勢いも落ちる。

俺の場合、1.5倍になる様に蛇口の絞りを調整していたつもりが、そこに想定の10倍の水が流れ込んでいたイメージになる。

カシンの時も30倍の強化を行っていた訳か。なんか申し訳なくなってきた。

「だからなんか止まって見えたんですか?」

強化によって強化された視覚や覚が相手のきが止まっているとじさせたのだろう。

「ようやく分かったか?まったく、いつ伝えようかと思っていたのだが、ようやく言えた。の支えが取れたよ。

じゃあ用は済んだから私は帰るな。まぁ頑張ってくれたまえ!じゃあな!」

結局それを言いたかっただけなんだな。

イリス様は元気よくスッキリした顔をして俺たちの前から去って行った。

「兄者ってどこか抜けてますよね?姉さんも大変ですね。あの神様の後はこのお弟子さんのお世話やなんて。」

「まったくです。でもそんなところが一緒にいて楽しいとこなんですけどね、2人共。」

俺の後ろでカシンとアリシアが俺の後ろでしみじみと語り合っている。

まぁ深く考えても仕方ないし、強くて損することなんて何も無いからな。

そう思いながら俺達は國王へ報告を行う為、お城への帰路を急いだ。

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