「まずは人事だが、今回國王が紹介してきたメンツをどう思う？」

今後領地を運営していく上で誰を何処へ登用するかは生命線の１つと言っても過言じゃない。

俺達は元々ただの冒険者の集まりだ。

強いて言うなら兵士長をやっていたキールくらいしかマネジメントの経験は皆無である。

そんなメンバーで領地を運営し、いずれは魔族に対抗する軍団を作っていかなければならない。

今回國王から國の運営に関わっているメンツを紹介して貰った事は非常に有難いし元はこちらから頼んだことではある。

しかし素人集団の俺達は１つ間違えれば彼らに、延いては王國に飲み込まれかねない。

だから今回の人選はとてもシビアな問題なのだ。優秀だからみんなウエルカムという楽観的な考えは非常に危険だと俺は思っていた。

「そうですね。リンの調査の容を見ないと何とも言えませんが、し意図的な何かをじますね。」

やはりアリシアも同じ想の様だ。

そう思った次の瞬間、アリシアから意外な答えが返ってくる。

「でもくれると言うなら全員貰ってしまって良いのではないですか？」

まさかの返答に正直驚きを隠せなかった。

「全員？それは何でだ？」

全員雇ってしまえば、確実に業務は楽になるだろう。しかしそれは同時に王國の介を易々とけれることと同義ではないのか。

俺はそう思い、アリシアに理由を確認する。

「今回王國が推薦して來たのは、財務、司法、國土、務、外務の部門の方達でしたよね？これは領地の運営のほぼ全てに介し、あわよくば領地の傀儡化を狙っているのでしょう。

しかし執行部にさえ絡ませなければそんな事容易には出來ません。

良くて報を逐一把握し報告出來るくらいでしょう。

結局要の部分さえ任せなければ、王國は介するにも限界があるという訳です。

それならば実務の部分を軽くする意味でも彼ら全員をけれるのがよろしいのかと。」

なるほど確かに一理ある。

「逆に質問をさせていただきたいのですがよろしいですか？

ワタルさんの中ではどの様に擔當をお考えですか？」

そう質問され、今考えているそれぞれの配置をアリシアに説明した。