《【書籍化決定】前世で両親にされなかった俺、転生先で溺されましたが実家は沒落貴族でした! ~ハズレと評されたスキル『超用貧乏』で全てを覆し大賢者と呼ばれるまで~》第五話 ハズレと呼ばれたスキル
「う、眩しい……」
金のプレートの輝きが他の子供と違い、やけにっている気がする。なので目をうっすら開けるのがいっぱいだった。すると、司祭が冷や汗をかきながらぼそりと呟く。
「こ、これは……何百年に一度現れるという黃金のオーロラ! まさか、私の代でこれを見ることができようとは!」
「え!? そんなに凄いのですか?」
「おお、ラースに凄いスキルが……!」
俺は驚き、父ちゃんは歓喜に震える。後ろからガタガタとイスから立ち上がる音が聞こえてくるので、司祭の話は聞こえていたに違いない。
「お、俺よりいいスキルだと……!」
「し、心配するなリューゼ! 所詮はローエンの息子だ……!」
勝手なことを言うおっさんにイラっとしながらもり行きを見屆けていると、やがての奔流はおさまってプレートに文字が浮かび上がってきたことに気付いた。司祭がいそいそと、
「さ、さて、どんなスキルがローエンさんの息子さんならきっと……え……?」
Advertisement
「うわ!?」
にこにこ顔の司祭の表が固まり、今度は脂汗を流し出した。その量がやばいのでかなり気になるんだけど、『ローエンさんの息子なら』という言葉の方が興味を引く。だが、次に司祭が発したことが俺と父ちゃんを直させる。
「……ラ、ラース君のスキルは……」
「スキルは……?」
ごくりと父ちゃんがを鳴らる。俺はプレートに目を移すとそこには――
「スキルは……【用貧乏】……です」
「な!?」
「本當だ【超用貧乏】って書いてある」
俺がプレートを指して言うと、司祭が首を傾げてプレートを手に取り俺に渡す。
「? いえ【用貧乏】ですよ? というか……殘念です……」
「……はあ、百年に一度がまさか悪い方だったなんてなあ……」
司祭と父ちゃんが落膽している様子に俺は尋ねる。まあ、だいたいわかるけど……
「えっと【用貧乏】ってどういうスキルなの?」
「見ての通りさ。ラースは々とそつなくこなせるようになるんだ。でも、本當にそれだけ……どんなに好きなことでも一流にはなれない」
「え……!?」
前世でも確かに用貧乏と言われていたけど、最終的に何か一つに絞れば突き詰めようと思えばできなくはなかったと思う。
だけど父ちゃんが言うには、今の俺はなんでもできるけど、それ故に何にもできないのだとと言っている。
「なんだって……」
いいスキルを得てお金を稼いで両親を楽させる計畫があっという間に……それも五歳で頓挫することになるなんて……俺はがっくりと崩れ落ちると、司祭が追い打ちをかけてきた。
「ラース君……百年以上前にもこのスキルを授かった人がいたことがあると文獻に殘っています。曰く、このスキルは『ハズレ』だった、と……」
「……」
子供に絶を與えるなんて、酷い司祭だ。なんだか前世のことを言われているようで、不意に俺は涙を流してしまう。すると父ちゃんが俺を抱っこして言う。
「こればかりは仕方がない。なあに、死ぬわけじゃないんだ! いいじゃないか、何でもできるのは羨ましいぞ? 父ちゃんは土いじりしかできないからな。行こう、ラース」
「うぐ……父ちゃん……」
「しかし、あのは間違いなく奇跡の……どうしてそれがハズレなのか気になりますが……」
めてくれるのが分かり、俺は父ちゃんに抱き著いたままし泣く。後、司祭が最後に困しながら『気を落とさないで頑張ってしい』と微笑み、俺はその言葉に頷いてから父ちゃんと手を繋いで祭壇を降りた。そこへあの領主親子が立ちふさがる。
「はは! 聞いていたぜ【用貧乏】なんて最悪のスキルだったみたいだな! 俺に逆らうからそうなるんだ!」
「ローエン、親が親なら子も子だな。リューゼは【魔法剣士】のスキルを授かったぞ? 剣も魔法も使える上に、組み合わせることもできる貴重なスキルだ。若いうちに冒険者で鍛えて、領主代すれば俺の老後も安泰だろうな。お前は一生小汚い家で暮らすのがお似合いだ」
その言い草にカッとなり、俺はおっさんに聲を荒げる。
「兄ちゃんはカリスマのスキルを貰ったんだ! 貧乏からすぐにしてやる!」
「ほう、なかなか珍しいスキルだな? さが、それは無理というものだ……くっく……」
「……」
「父ちゃん! 何か言い返してやってよ!」
言いたい放題言って立ち去っていくおっさんたちに、俺は怒りがおさまらない。だが、父ちゃんは一言『ごめんな』と呟くだけだった。
……弱みでも握られている、と考えるのが普通だろう。だけどそれが何なのか分からなければ一泡吹かせるのは難しい。
「……あ、バイバイ」
「ルシエール、関わったらダメだ。……あ、はは! それではこれで!」
帰る途中で青い髪のの子、ルシエールと目があい手を振ってくれたが、父親がすぐに抱きかかえてこの場を去る。どんなスキルを得たか聞いてみたかったな。まあ、の子と話す口実なわけだけど。
 
「あ、あの……」
「ん?」
々と考える余地はあるものの、一旦父ちゃんと家に帰るかと歩こうとした時、不意に聲をかけられた。俺は聲の方へ顔を向けると、前髪が鼻骨の辺りまでびた茶髪の子供が立っていて話を続けてきた。
「ハ、ハズレスキル、殘念だったね……」
「ん……まあ、こればっかりは仕方ないよ。って君誰?」
「あ、オラはノルトってんだ!」
「ノルトね、よろしく。君のスキルはなんだったの?」
「オラは【護】ってやつで、と仲良くなれるスキルだって……はは、オラ冒険者になって戦いたかったんだけどさ……」
と、俯くノルトをよく見ると服はボロボロで髪もオシャレではなく切れないから目深になっているのだと思う。他の子供達は俺と同じく親と一緒だけど、ノルトの親らしき影はない。
「ひとりで來たの?」
「うん。オラの父ちゃんは飲んだくれのロクデナシだからね。母ちゃんは逃げていないんだ」
「そっか……」
前世の俺のようで不憫にじる。こういう時、子供は親を選べないというのを本當に恨みたくなるものだ。
「そ、そんじゃ、オラ行くよ……お互い頑張ろうって言いたかったんだ」
「あ、おい! 俺はラース! また會ったら遊ぼう!」
「……! うん!」
そそくさと立ち去ろうとするノルトをにそう言うと、振り返って口元を緩ませて返事をしてくれた。友達になれるといいなと思いつつ帰路へついた。
「まあ、スキルはスキルだ。それを活かす人もいれば、全然関係ない職につく人もいるから落ち込む必要なんてないんだ」
「そうだね。うん、俺頑張るよ」
……とはいえ、俺はもらった金のプレートに書かれている文字に目がいく。
【超用貧乏】
やはりあの時の文字は見間違いでは無かった。司祭は【用貧乏】だとしか言わなかったが、父ちゃんはどうだろう?
「父ちゃん、スキルって【超用貧乏】であってる?」
「ん? さっきもそんなことを言っていたな。いいや、超はついていないぞ」
父ちゃんにもこの文字は見えていないようだ。これは一どういうことなのだろうか……。
などと言っても答えがあるわけでも無いしいいか。それよりハズレスキルというならますます學院に通うお金を何とかしないといけない。俺はきょろきょろと町を観察しながら家へと戻って行くのだった。
【二章開始】騎士好き聖女は今日も幸せ【書籍化・コミカライズ決定】
【第二章開始!】 ※タイトル変更しました。舊タイトル「真の聖女らしい義妹をいじめたという罪で婚約破棄されて辺境の地に追放された騎士好き聖女は、憧れだった騎士団の寮で働けて今日も幸せ。」 私ではなく、義理の妹が真の聖女であるらしい。 そんな妹をいじめたとして、私は王子に婚約破棄され、魔物が猛威を振るう辺境の地を守る第一騎士団の寮で働くことになった。 ……なんて素晴らしいのかしら! 今まで誰にも言えなかったのだけど、実は私、男らしく鍛えられた騎士が大好きなの! 王子はひょろひょろで全然魅力的じゃなかったし、継母にも虐げられているし、この地に未練はまったくない! 喜んで行きます、辺境の地!第一騎士団の寮! 今日もご飯が美味しいし、騎士様は優しくて格好よくて素敵だし、私は幸せ。 だけど不思議。私が來てから、魔物が大人しくなったらしい。 それに私が作った料理を食べたら皆元気になるみたい。 ……復讐ですか?必要ありませんよ。 だって私は今とっても幸せなのだから! 騎士が大好きなのに騎士団長からの好意になかなか気づかない幸せなのほほん聖女と、勘違いしながらも一途にヒロインを想う騎士団長のラブコメ。 ※設定ゆるめ。軽い気持ちでお読みください。 ※ヒロインは騎士が好きすぎて興奮しすぎたりちょっと変態ちっくなところがあります。苦手な方はご注意ください!あたたかい目で見守ってくれると嬉しいです。 ◆5/6日間総合、5/9~12週間総合、6/1~4月間ジャンル別1位になれました!ありがとうございます!(*´˘`*) ◆皆様の応援のおかげで書籍化・コミカライズが決定しました!本當にありがとうございます!
8 119彼女たちを守るために俺は死ぬことにした
約200日後に死ぬ俺。業界初!…かは知らないけどリアルタイム小説! 5月19日以降、 物語はリアルタイムで進みます。 ┛┛┛ のんべんだらりと生きる高校2年男子、 小鳥遊知実(たかなし ともみ)。 ある日突然、頭痛で倒れ、 病院で目覚めたとき 半年の余命か 今までの記憶がなくなる可能性の高い大手術か 選択を迫られることになる。 そんな狀態にも関わらず、 無情にも知実の學校生活は穏やかではなかった。 1⃣全校生徒をまとめきれないワンマン文化祭実行委員長。 2⃣學校の裏山を爆破しようと計畫している馬鹿女。 3⃣ロボみたいなイエスマンの心を閉じた優等生のご令嬢。 4⃣人生を全力で寄りかかってくる俺依存の幼なじみ。 5⃣諦めていた青春を手伝う約束をした貧乏貧乏転校生。 おせっかいと言われても 彼女たちを放っておくことが どうしてもできなくて。 ……放っておいてくれなくて。 そんな知実が選んだ道は。 悲しくて、あたたかい 友情の物語。 ※病気は架空のものです。 ※第6部まであります。 ┛┛┛ エブリスタ・ノベルバ同時公開。 ノベルバは時間指定でリアタイ更新です。 16時一気読みしたい人はエブリスタで。 (長すぎる日は16時と20時に分けます) リアタイ感をより味わいたい人はこちらで。
8 101こんな俺でも戀をする
この世界は一人の神から作られた。 何一つも不純物を含まない、平和のな世界だった。 だが、その中に二人の男女がイレギュラーとして産まれた。 存在してはいけない主人公。 それをそばで支えるヒロイン。 だが、どんな物でも壊してしまう力を手に入れた主人公... そんな、少年の心は人間、體は化け物...だが、そんな少年でも戀はする! アドバイス、コメントお待ちしております。
8 140俺の転生體は異世界の最兇魔剣だった!?
ある日、落雷により真っ黒焦げに焼けた自稱平凡主人公の織堺圭人はなんやかんやあって異世界の最兇と言われている魔剣に転生してしまった⁉︎ 魔剣になった主人公は、魔剣姿から人姿となり封印の祠での魔物狩りをして暇潰しをする日々であった。 そしてある日、貪欲な貴族によって封印の祠の封印が解かれた。そこからまたなんやかんやあって祠を出て學校に通うことが決まり、旅をする事に‼︎ 第一章 祠 閑話休題的な何か 第二章 神を映す石像 ←いまここ ※超不定期更新です。
8 115都市伝説の魔術師
ゴールデンウィークが明け、六月。『事件』後、家族と仲睦まじく暮らしていた柊木香月とその妹夢実。 彼の本業である學生生活と、『裏の仕事』も順風満帆に進んでいた。 彼の裏の仕事は魔術師だった。それも魔術師として優秀な存在であった。 最強の魔術師にも弱點はある。 「私は……仕方がない。都市伝説に『殺されても』仕方ないのよ……!」 「そうであったとしても、罪を裁かれようとしても……女性が涙を流している。それだけで助ける理由には充分過ぎると思うのだが?」 魔術師柊木香月は都市伝説から彼女を守るべく、取った行動とは――! 「……どうしてお兄ちゃんは毎回のように女の子を助けてくるのかな? もうこれで數えきれない程の回數なのだけれど。お兄ちゃん、慘殺か虐殺、どっちがいい?」 「ちょっと待ってくれ夢実! いつから君はヤンデレになったんだ! 頼むからそのコンパイルキューブを仕舞ってくれ! なあ!? 頼むから!!」 現代に生きる魔術師とその爭いを描く、シリーズ第二弾登場!
8 85こんにちは!この世界の勇者を倒しに來ました!〜『世界』を旅する転生旅行記〜
ある日、トラックに轢かれたワタルは、どうみても悪魔な自稱女神に異世界の勇者を倒す使命を任されました!? コメントや、いいね。もしくはお気に入り登録していただけると、制作の勵みになり、作者が小躍りします。ぜひよろしくお願いします!
8 189