《僕と彼たちのありきたりなようで、ありきたりではない日常。》伊代の思い

・・何故こうなったのだろうか?

「お兄様、はいどうぞ」

伊代の箸にはハンバーグ

「坊ちゃん、お口を開けてください〜」

茜のフォークにはサラダがそれぞれ刺さっていた。

「こりゃモテモテですな〜〜」

「おいおい、この狀況を見てよく言えるね?」

「寫真撮ってクラスに拡散するか」

と京介がスマホを取り出した。

「それはやめてくれ〜‼︎」

ことの発端は10分前にさかのぼる

僕らは晝飯のメニューで悩んでいた。

「カレーかハンバーグどっちにしようかな?」

「俺はラーメンな〜」

「私は日替わりランチにしますか」

と京介と茜は決まったようだ。

「・・お兄様は決まりましたか?」

「ごめん、まだ悩んでいる」

「分かりました。じゃあ私が

ハンバーグを頼みますから

お兄様はカレーを頼んでください。

そして後で分けましょう」

と伊代がとても素晴らしい提案をしてきた。

「本當に⁉︎助かる〜‼︎流石自慢の妹」

「そりゃお兄様の自慢の妹ですから」

「・・・ムッ」

と茜がムスッとした顔になった。

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「まぁ橘さん、落ち著きましょうや」

「いえ、高ぶってないです。絶対」

「いや、ムキになってるからな?」

と各自がメニューを頼み、席に戻ってきた。

「では、お兄様、ハンバーグをあげます」

「わ〜い‼︎助か・・・?」

と僕はとても疑問に思った。

何故なら伊代はハンバーグを箸で

丁寧に切った後、箸でハンバーグを

僕の口元に持ってきた。

「あ、あの〜伊代さん?」

「はい?」

と首を傾げた。可いな〜〜じゃなくて‼︎

「いやいや、何をしているのかな?」

「お兄様にハンバーグをあげるために

あ〜んをしている最中ですが?」

「別にあ〜んじゃなくてもいいのでは?」

「いえ、筧家では妹が兄には

こうするべしと家訓で決められています」

「そんなルールありますか‼︎」

と茜がんだ。

「さっきから見ていれば坊ちゃんも

伊代様に甘すぎます‼︎たまには厳しく接しないと

いけません‼︎ということで坊ちゃん?

サラダをどうぞ」

と今度は茜がサラダをフォークを

刺して僕の方に持ってきた。

「茜?何をしているのかな?」

「坊ちゃんが伊代様に厳しくするので

私は坊ちゃんを甘やかします」

「茜さん?お兄様は私が甘やかしますので

茜さんはどうぞ自分の食事をして下さい」

「いやいや伊代様。坊ちゃんは

専屬メイドのこの私が甘やかしますので

大丈夫です」

「・・・ニコニコ」

と茜

「・・・ウフフ」

と伊代。2人は表面上は笑っているが

目は一切笑っていなかった。

そして冒頭に戻るのである。

「さぁお兄様?」

「坊ちゃん?」

と2人から箸とフォークを目の前に

突きつけられている。ある意味、恐怖をじる。

「うわ・・なんだろうからの

あ〜んって男子なら一度は考える

シチュレーションのはずなんだがな・・・」

・・もう1度言うが最早恐怖である。

地味に僕は先端恐怖癥である。

フォークと箸の先を見るのも嫌になってくる・・・

「まぁ伊代ちゃんも橘さんも

優希が困っているようだし

そろそろ食べようぜ」

と京介が助け舟を出してくれた。

・・・京介ナイス‼︎

「それなら仕方ないですね・・・

まぁ教室で甘やかせばいいですしね」

「教室?」

「あれ?伊代知らないの?

茜が僕と同じクラスに転してきたんだ」

「はい〜〜⁉︎そんなのズルイですよ⁉︎」

「ふふ〜ん。羨ましいですか?

これが坊ちゃんと同い年の特権ですよ〜〜‼︎」

「なら私も飛び級して同じクラスに・・」

「いやいや無理だからね?」

「でも茜さんばかりズルイですよ・・」

と下を噛み、目がうるうるになっていた。

「私だけ置いてかれるような気がして

嫌なんですよ。また一年前のような事がありそうで」

「一年前?」

とこの4人の中で唯一、あの事件を

知らない京介が疑問をあげていた。

「ああ、ちょっとね。ねぇ伊代?」

「なんですか・・・?」

僕は伊代の頭に手を持っていき、頭をでた。

「今度は大丈夫。今回は前のように

勝手にいなくならないよ。

もし心配なら休み時間に毎回來ても

構わないからさ。大丈夫だよ」

・・今回は大丈夫。一年前のような失敗を

しないように上手く立ち回ろう。

・・もう伊代や茜を泣かせるわけにはいかない。

それが世話になった2人に対する償いだ。

「本當ですか?」

「ああ、僕は構わないよ。

だって僕の自慢の可い妹だからね。

自慢の妹がクラスに來て喜ばない兄は

いないよね、茜?」

「ええ、坊ちゃんは筋金りのシスコンですからね。その坊ちゃんが斷る訳ありませんね〜」

「というじだからさ」

と僕は伊代の頭に置いた手で伊代の髪を

くしゃくしゃと

「だから心配しないで、伊予」

と言った。

「・・・はい。私はお兄様を信じます」

し微笑むようになった。

「良かった」

と僕は伊代の頭から手を降ろそうとすると

「あの、お兄様。もうしこのままで・・」

とお願いされたのでもう

伊代の頭をでる事にした。

まぁその後、京介に散々からかわれた

ということは言うまでもない。

茜目線

「優希って普段からあんなセリフを言うのか?」

と隣で見ていた來宮様がボソッと仰いました。

「はい。坊ちゃんは昔から

あのような格ですからね。

聴きなれましたよ」

・・・まぁ私もあんなセリフを言われて

救われた人の1人なんですけどね。

「そうか。ますます優希に興味が湧いて來た」

と來宮様は坊ちゃんを興味深そうに見ていました。

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