《僕と彼たちのありきたりなようで、ありきたりではない日常。》遠い日の記憶

・・・それは遠い記憶の中

「ねぇゆーちゃん」

「なぁにあーちゃん?」

「ゆーちゃんは帰らないの?」

「うん、まだママ家にいないし・・・

寂しいから」

「そうなんだ・・・」

・・・そうか、これは僕が

"筧優希"になる前の記憶だ。

「なら私の家に來てよ‼︎」

「えっ?いいの?」

「うん‼︎」

「・・・懐かしい夢を見たか」

あの頃は僕のお母さんが仕事で

忙しくて帰りが深夜になっていた。

その度にあーちゃんの家に招待されて

ご飯をもらったり、泊めてもらった。

あの時、僕が普通にいれたのは

あーちゃんのおかげだ。

「ありがとう、あーちゃん」

當の本人には聴こえていないと思うが

禮を言いたかった。

「坊ちゃん〜朝で・・・

おや、もう起きていましたか」

「茜か、おはよう」

「はい、おはようございます。

もう朝食が出來ていますので

お著替えを済ましてきてください」

「うん、ありがとう」

「・・・お著替えお手伝いしますか?」

とニヤニヤしながら聞いてきたので

「いらないよ⁉︎」

「お兄様の著替えですって⁉︎

ならば私がお手伝いします」

と聴こえていたのだろうか、制服姿の伊予が

走ってきた。

「伊予様?坊ちゃんのお世話は私が

仰せつかっていますので、伊予様は

どうぞ朝食を食べていてください」

「いやいや茜さん。お兄様の世話は

妹がすると前から決まっていますので」

と2人が顔を合わせるなり互いに牽制

し始める2人。

「「私が‼︎」」

「あー朝から面倒い‼︎」

と2人の対応をしていたら、すっかり朝食は

冷めてしまった。

そしてごたごたしながらも學校へ行く準備を

終えた僕らは學校へ向かうことにした。

僕、茜、伊予の3人で並んで學校へ行く。

前の學校でも3人で一緒に登校していた。

・・・だが最近変わったことがある。

それは・・・

「ゆーちゃん~!」

「あーちゃん、おはよう」

「湊様おはようございます」

「湊様、おはようございます」

と僕らはあーちゃんこと湊明日香に

挨拶をした。

最近変わったことといえば

あーちゃんも一緒に登校するように

なったことだ。

あのデートから3日後ぐらいだろうか

何故か家の前であーちゃんが待っていた。

それからは4人で登校している。

・・・うらやましいだって?

いやいや待て待て。

こちとら毎日登校中に男子からの

殺意の籠った目線をけて登校するんだよ?

・・・疲れるよ。

だがそんな僕の気持ちを知らない3人は

「お兄様、腕を組みましょう?」

「いやいや坊ちゃんはメイドの私と

組んでくれますよね?」

「な、なら私も・・・

腕組みたいかな・・・」

と誰が僕と腕を組むかで

爭っていた。

(まぁ爭ういっても茜と伊予が

互いにけん制しあっているだけだが・・・

無論あーちゃんは2人に押されて

たじろいでいるが)

「おうおう今日もハーレムだね~

筧くん~!」

と話しかけてきたのは守山さんだった。

「守山さん・・・見てるなら助けて」

「おお!助ける?なら私もその筧ハーレムに

ればいいのかな?」

「・・・どうやったらそんな解釈になるのさ」

「私というを通したら、かな?」

・・・そりゃスゲ~面倒だな。

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