《僕と彼たちのありきたりなようで、ありきたりではない日常。》クズみたいな人間
5人で仲良く?登校した僕らは
昇降口で伊予と別れて
教室に向かった。
「おぉ〜ラノベの主人公が來たな〜」
と教室にるなり、京介が話しかけてきた。
「・・・なんだよ、いきなり?」
「いやいや、お前自覚ないのか?
・・・クッソ、これがモテる者の矜持か‼︎」
と會話を1人で始めて、1人で終わらした。
「多分來宮様は坊ちゃんがわ・た・し‼︎みたいな
可い子達と一緒に來たのが羨ましいのでしょう」
と茜が説明してくれたが・・・
「・・・今なんで私を強調したのさ?」
「さぁ〜?なんででしょうかね〜?」
・・・誤魔化すの下手だな。
と話をしているところで擔任の先生が
來たので、そこで各自の席に座った。
と授業が始まったのだが、全然頭に容が
ってこない。というかこの數日
ずっとこの調子だ。
理由はとっても簡単。
・・・あーちゃんの事だ。
先日のデートでの一件以降
表面上は普段通りに接しているが
心はかなり戸っている。
・・・あーちゃんが僕に好意があるのは
今回の一件で分かった。
というか分からない方があり得ないだろう。
・・・あーちゃんから好意を持たれるのは
素直に嬉しい。だが僕の心の中には
人からの好意を素直に喜べない僕がいた。
(全然克服出來てないじゃないか、僕・・・)
1年前の事件によって、僕は人を心から
信じる事が出來なくなってしまった。
実を言うと茜や伊予の事も完全には
信じれてない。
(周りの人達の事も信じれない
クソみたいな人間が
あーちゃんの好意を
けれていいはずがない)
・・・だがそう思っても、あーちゃんに
嫌われたくない僕もいて、授業中というか
1人の時間はずっと考えている。
「・・・では、筧くん」
「は、はい⁉︎」
と先生にいきなり呼ばれて驚く僕。
「この問題を解いてみてくれ」
と黒板の問題を指して、そう言った。
「わ、分かりました」
と黒板に向かった。実際難易度は僕にとっては
低かったので楽々解けたのだが
あーちゃん絡みの問題は考えてみても解答が
全然分からなかった。
・・・ただ黒板から席に帰るときに茜の
心配そうな顔が目にった。
「坊ちゃん、お時間ありますか?」
晝休みが始まってそうそう茜から
聲をかけられた。
「そりゃ晝休みだから時間はあるよ?」
「なら、ついてきてください」
といつもの明るい聲音も今回に限っては
無かった。
・・・そしてその時、あーちゃんがこちらの
事を見ていたのを僕は気づかなかった。
そして茜に連れられてきたのは屋上だった。
「で、話はなんなの?」
「・・・最近変ですよ、坊ちゃん?」
「変って何が?」
「最近、授業中ずっと考え事をしているようですし
・・・湊様のことですか?」
「正解、やっぱり茜はすごいよ・・・」
と言うと茜は
「そりゃ何年坊ちゃんを見てきたとお思いですか?」
と穏やかな笑顔を浮かべた。
そんな笑顔を見て、僕自の張も
緩んだのか、茜に悩み事を話し始めた。
「あーちゃんの好意は素直に嬉しい・・・
けどまだ僕は・・・」
「1年前の事ですよね・・・あれは坊ちゃんは
全く悪くないですよ‼︎この私が保証します‼︎」
「ありがとう、茜。
でも僕はまだ人を信じれない。
またあの時の様に・・・
・・・また手の平を返されるのが
こ、怖いんだ」
と茜は僕の手を握り
「大丈夫です、坊ちゃん。
何があろうとも私は坊ちゃんの
味方です」
と言った。
「それに湊様や守山様は坊ちゃんを裏切った人
とは全然違う様な気がしますよ。
・・・だから信じてあげましょうよ」
「そうだね」
確かに茜の言う通りだ。
みんながみんな手の平を返す様な人間
ではないだろう。
・・・ならばその人達を信じよう。
「さて、坊ちゃん‼︎
立ち話はそれぐらいにして
晝ごはんに行きましょう‼︎
カレーですか?ハンバーグですか?
それとも、わ・た・し?」
「食べるか〜⁉︎」
・・・さっきまでの良い雰囲気
臺無しだよ‼︎
だけど多分これも茜の作戦なのだろう。
「えぇ〜食べないんですか‼︎
今食べ頃ですよ‼︎」
・・・うん、作戦だと信じたい。
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