《僕と彼たちのありきたりなようで、ありきたりではない日常。》聴取

僕はあーちゃんと茜が2人で教室を出たのを見た。

そこにたまたま伊予が來たので一緒に2人の後を

付いていった。

屋上に2人が行き、遠くから2人を見ていたが

いきなり口論を始めたので

”これはマズイ!”

と思い、伊予と2人で飛び出したわけだが・・・

「・・・あーちゃん。茜。

いきなり口論なんてどうしたの?

いつもの2人らしくないよ?」

「・・・すいません」

「ごめんね・・・」

としおらしく謝る2人。

・・・いつもの明るさが無く

本當にあーちゃんと茜なんだろうかと

疑ってしまうぐらいだ。

「で、湊さんと茜さんは何で口論していたんですか?」

と伊予が改めて聞くと

「・・・言いたくないです」

「私も・・・」

「はぁ・・・本當にどうされたんですか?

お兄様、どう思います?」

「そうだね・・・」

と考えてみるものも実は話の容は聞こえていた。

と聞いている伊予も話は聞こえていたはずだ。

2人が何で口論していたなんて分かっている。

・・・僕の過去の話だ。

あーちゃんからしてみれば10年間何があったのか

知りたいだろうし、茜からしてみれば僕の一番辛い時期を

隣で見てきているためか、話したくないだろう。

さて、この場合はどっちに賛するべきか・・・

だが今は・・・

「とりあえずご飯にしないか?」

と隣の伊予にアイコンタクトを送った。

「そ、そうですね!そうしましょう!」

・・・すまん伊予。今度詫びの品を送るよ。

「はぁ・・・まぁ坊ちゃんが言うのでしたら

私は従いますが・・・」

「私もゆーちゃんがいいなら・・・」

と僕らは食堂に向かったのだが

・・・まるで針の筵にいるような食事であったことは

いうまでもない。

その日の授業が終わり僕らが帰るまで

あーちゃんと茜は目線を合わそうとしなかった。

「筧くん、あの二人どうしたの?」

と守山さんが心配そうに聞いてくるものも

「さぁ・・・分からないかな」

言葉を濁すしかなかった。

「そう・・・明日香は私から聞いておくから

茜さんをよろしくね」

「うん、分かった」

と放課後僕は茜に話をすることにした。

そして放課後

「茜」

「何ですか坊ちゃん」

「帰ろうか」

「あら、坊ちゃんからってくるなんて

珍しいですね~!でも・・・」

「でも?」

「私に気を遣うよりも湊様に気を使うほうが

よろしいのではないでしょうか?」

「あーちゃんは守山さんにお願いしたよ。

だから今は茜と帰るよ」

「分かりました・・・

とでもいう思いましたか?」

と真面目な表になり言い返してきた。

「茜?」

「坊ちゃんは湊様のことを

どう思っているんですか?」

「僕は・・・」

「”まだ分からない”とでも言うつもり

なのでしょうけど・・・

坊ちゃんは既に答えが出ているのでしょう? 」

「・・・」

そうだ答え自は既にだいぶ前から出ていた。

それをわざと見えないようにしていた。

「なら湊様の方に行かなくては

行けませんよ」

「今の僕には行ける資格が・・・」

と言うと茜は僕の頬に手を添えてきて微笑みながら

「大丈夫ですよ。私が何年間坊ちゃんを見てきたと

思うんですか?今の坊ちゃんにはその資格はあります。

この専屬メイドの私が言うんですから自信を持って

ください」

「・・・僕は怖いんだよ。

また”あの時”のようになるんじゃないかなって」

「それなら心配ありませんよ。

湊様は坊ちゃんを酷い目に合わしたクズとは違います。

・・・先ほど口論して分かりました。

あの方は坊ちゃんを心から好きなんだと・・・

なので坊ちゃん!行ってきてください」

「うん!ありがとうね茜!」

と僕は教室を全力で出た。

・・・あーちゃんはどこにいるのだろう?

とりあえず走って探そう・・・

「か、筧君!?」

「守山さん!

あーちゃんはどこにいるか知っている?」

「この後図書館で待ち合わせの予定だったよ

・・・行ってあげて」

「ありがとう守山さん!」

と僕は図書館まで全力で走った。

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