《部活の後輩と付き合ってみた》國木田と平塚

そして僕が平塚さんに連れてこられた場所は

「夢の橋」という橋だった。

ここは車の通りがなく、比較的に落ち著いており

周りには家族連れやカップルがいた。

「見てください、夕焼けが綺麗です」

と平塚さんが指を指した方に夕焼けが見えた。

「ああ、確かに綺麗だ。でもなんで最後がここ

なんだい?」

夕焼けを見たいなら、申し訳ないがここ以外にも

綺麗な場所がある。だが平塚さんは何かしらの意図が

あり、ここに來たのだろう。

「それはですね・・・昔、とある番組でここが映った

のですが、それがとても綺麗でした。そしていつか

私もここに・・・」

と平塚さんは一呼吸おき、

「大事な人と一緒に來たいなと思いました」

「そうか。參考になったかい?」

「はい?」

「いや、君が好きな人と一緒に來ることになった際に

僕との経験が活かせると思って・・

あ〜すまん何か上手く言えない」

・・・なんだろうか自分でも言いながら心が痛い。

平塚さんの隣に他の男がいる。

その未來に対して何故か僕の心が痛い。

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・・・その痛みの理由は分かっている。多分前から

答えは出ているのだろう。

だが僕は平塚さんの部活の先輩だ。そして僕の部活

止だ。そして・・・

「センパイ」

と平塚さんに呼ばれて我に帰った。だが言葉が

出なかった。

「・・・」

理由は簡単だ。平塚さんに見とれていたからだ。

の黒髪が夕焼けに反し、そしてほんのり

赤くなった彼の顔を引き立ていたからだ。

「どうかされましたか?」

「いや、何でもないよ。何でも」

・・駄目だ。今の僕はいつもの様に上手く出來ない。

「先輩」

「ん?」

そして僕は彼に呼ばれて、彼の方を振り向くと

は大きく息をすい、そして

「好きです」

「はい?」

「私が國木田先輩の事を好きだという意味です」

「・・・僕?」

・・・我ながらけない答えだと思う。

「はい、目の前の先輩です」

「な、何で僕なの」

「最初気になり始めた頃は私が看病された時ですね。

わざわざ見ず知らずの私を一生懸命看病してた先輩

を私は不思議に思いました。何故、この人はこんなに

助けてくれるのだろうか?」

「・・・」

「それから朝ごはんを一緒に食べたり、同じ部活に

ったりして、先輩の様々な表や場面を見ていく

中で、気がついたらいつも先輩の事を考えていました。

そしていつの間にか好きになっていました」

「そ、そう」

・・・何となく好意を持たれているのは分かっていた。

だが、夏目や部活の事もあり無視をしていた。

「なので、今回この場所で告白をしようと思い

與謝野先輩達に手伝ってもらいました」

「だからか・・・森」

「なので、先輩。私と付き合ってくれませんか」

「僕は・・・」

・・・めちゃくちゃ嬉しい。今のを聞いて僕もやっと

分かった。僕も平塚さんが好きだ。この場合なら

相思相なので付き合うのだろう。

だが部活の先輩後輩である僕ら。

部活では部止というのがある。

これがバレたら僕は確実に退部だろう。

そして平塚さんは夏目の脅威にさらされる。

・・・どうすればいい、どうすればいいんだ。

最悪今回の告白を無かった事にすれば全てが

丸く収まる・・・責任は全て僕が背負えばいい。

そう決斷しようとした矢先、スマホに新規メッセージが

送られて來た。相手は森で

「先輩の後ろには俺らがいます。なので先輩は自分の

を優先してください。今は部活関係ない‼︎

先輩の信じた道を進んでください‼︎」

・・・森、お前って奴は。

僕はどうやら最高の後輩を持ったらしい。

「はぁ〜僕らしく無いね・・

まさかこんな言葉にかされるなんて・・・

ーーねぇ平塚さん」

「は、はい⁉︎」

「返事をしていいかな」

「わ、分かりました」

「・・・こんな僕でよければ

どうぞよろしくお願いするよ」

「それは付き合うって事でいいんですよね?」

「そうだよ」

「ほ、本當ですか?」

「ここで噓をついてどうする」

「本當に私でいいんですか?」

「そうだよ。いつも朝元気に來る君も、ジト目の君も

照れている君も、僕は好きなんだ」

「・・・ッ⁉︎」

と平塚さんは泣き始めた

「ちょ、ちょっと平塚さん⁉︎どした⁉︎」

「いや、う、嬉しくて、つい涙が・・・」

と暫く平塚さんが泣き止むまで待った。

そして平塚さんが泣き止むのをみた僕は

「改めてこれからよろしくね‼︎」

と右手を出し、それを見た平塚さんは

「はい‼︎」

と彼の右手を出して握手をした。

ーーそして僕こと部活の先輩である國木田と

後輩で愉快な隣人である平塚さんは付き合う事に

なったのであった。

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