《部活の後輩と付き合ってみた》先輩のひと言
と僕が柳田先輩に連れてこられたのは近くの焼店
だった。
「2人でよろしくお願いします」
と柳田先輩が馴れたじで店にり、席に座った。
「先輩はこの店によくこられるんですか?」
「ここかい?よく同期やOB先輩と一緒に來るな。
メニューは食べ放題でいいよな?」
「あっ、はい」
「心配すんな。金は全部出す」
「いえいえ流石にそれはマズイですよ⁉︎」
「俺、先輩。君、後輩。先輩の命令は絶対」
「そこでそれを使いますか?」
「そりゃな。さぁさぁ若人食え」
と僕と先輩は焼を食べていくのであった。
しばらく焼を食べていると、不意に柳田先輩が
「國木田、最近部活どうだ?」
と聞いてきた。
「まぁ、ぼちぼちですね」
・・・退部屆を出そうとしてたなんて言えない。
この先輩には部當時からとてもお世話になった。
ここで辭めるなんて言ったら、先輩に申し訳ない。
「さて君には來年から會計補佐をしてもらう」
「僕ですか?」
「そうそう。今の1年生に役職を振っていく中で
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國木田には會計補佐をしてもらうつもり。そして
3年になったら會計をしてもらうさ」
「そうですか・・」
・・もし役職なんて振られたら、本當に辭めにくく
なる。先輩には申し訳ないがここで言うしか・・
「あの、先輩、大変申し訳ない・・」
「辭めるって話か?」
と柳田先輩の顔が真面目になった。
「はい」
「理由は?」
「僕の膝の怪我で競技が出來ないので、部活に貢獻
出來ないので」
・・言った。
「ほうほう。では1つ質問だ」
「はい?」
・・この先輩は何を言っているんだ?
「選手として大會で勝つのだけが、部活に対する
貢獻だと思っているのかい?」
「まぁ運部だから、仕方ないと思いますが」
「それだけじゃ無いんだな〜〜」
「はぁ」
「確かに國木田は競技が出來ないかもしれないが
お前は同期の補佐をよくやってくれている。それは
俺もよくみている」
「・・・」
「ただ強いだけなら夏目が後5人いればいい。だが
我が強い奴が沢山集まった際には問題が起きる。
そしたら部活は崩壊する。それこそ部活に対する
最悪の仇だ」
「まぁ確かに」
「國木田はその補佐が得意だろ。夏合宿や日頃の
行をみて、俺や他の幹部は知っている。お前の
格は後で後輩が出來た際には必ず役に立つ。
だからやってみてくれないか?」
「必要になりますかね?」
「それは俺が保証する。だってお前を會計に推薦
したの俺だし。會計って主將を止められる実力権限
あるから暴走したら、お前が止めろ」
「僕に止められますかね?」
・・・あいつは僕の話を聞かないだろう。
「大丈夫。お前は1人ではない。お前は知らないのかも
しれないが部での信頼はかなり高い。だから
1人でダメなら、2人で。2人でダメなら3人で
やればいい」
「分かりました」
「そして問題だ」
「はい?」
「俺は部活をやっていて1番楽しい時って
いつだと思う?」
「1番ですか・・・
やっぱり試合で勝った時ですか?」
「それは2番目だな。さてなんだろうか?」
と言われて々と考えて、その都度答えを言っていたが
結局當たらなかった。
「先輩、降參です」
「答えは簡単だ。
・・・後輩とれ合っている時だ」
「後輩とれ合っている時ですか?」
「そう。國木田を始め、後輩とれ合うのが俺は
何よりも部活での楽しみだ」
そして先輩がこれから言う言葉がある意味僕の
原點となった。
「こんなじに人によって部活を楽しむ理由は
人さまざまだ。部活は貢獻するもんじゃない。
自分が楽しむものだ。自分が心から楽しめれば
楽しんだ者勝ちだぜ」
「・・・ッ‼︎」
「もし競技が出來ないなら補佐や後輩とれ合う
事で楽しめばいい。大勝つだけしかないって
いう考えが間違っている。個人が他人に迷を
かけなければ楽しくやるもんさ」
「そ、そうですか?」
「そう‼︎とりあえず後輩が出來て3カ月はやって
みな?凄く楽しいからさ。もし無理なら辭めて
くれてよし。會計補佐ならなんとかする。
・・・だから一緒にやろうぜ‼︎」
當時の僕には衝撃だった。部活を楽しむというのを
忘れていたのだと思った。楽しむのも人それぞれ
だという事を言われて心の中がなんかとても
スッキリした様な気がした。
「分かりました。やってみます」
「よし‼︎これからもよろしくな‼︎」
と柳田先輩に手を出されて、僕はその手を握った。
・・この日の出來事以降、僕は補佐や部活の雰囲気
作りを頑張る様にした。僕自に意外とこういうのが
格的に合っていたためか、とても楽しかった。
これが柳田先輩が言っていた、それぞれの楽しみ方
というものだろうと何となくだが理解はした。
それからは部活を辭める事なく、今では幹部として
後輩も出來た。あの先輩が言っていた通りに後輩と
れ合うのはかなり楽しかった。
「柳田先輩、とりあえず僕なりに頑張ってみてます。
これが正解かどうかはまだ分からないですが
これからもやっていこうと思います」
と僕は部屋で雑魚寢をしている後輩を見て
改めて誓った。
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