《部活の後輩と付き合ってみた》帰るまでが合宿ですぅ……
今回で合宿編はおしまいです。
合宿最終日……
僕らは合宿先の宿の最寄の駅にいた。
「よし全員いるか?」
「3年、2人ともいるぞ」
「幹部も全員いるよ~」
「1年生全員います」
と各學年の代表者が人數を數えて點呼を取っていた。
そして最後に織田が一通り部員達を見渡して
「あれ、そういえば平塚は?」
「ここにいる」
「どこですか先輩?」
「國木田先輩が背負ってます~」
昨日の僕の予想通りに七海は二日酔いになった。
朝起きれず、宿を出てから駅まで僕が背負って移している。
「……本當にすみません先輩。平塚の何からなにまで任してしまって……」
「ハッハッハッ……あとで七海にはきつく言っておくよ。
とりあえず解散しないか?」
……なんせ宿を出てから七海をずっと背負っているのだから腕がプルプルしてそろそろ限界なので。
「そうですね。
ーー今日まで1週間みんな合宿お疲れ様です。
合宿で學んだ事をこれからの練習や試合に活かしていきましょう。
じゃあここからは各自自由に帰ってください。
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合宿は帰るまでは合宿ですから気を付けて、では解散!!」
「「お疲れ様でした!!」」
「よしじゃあ俺帰ります、またっすーー!!」
と解散となった瞬間に森は1人走ってその場を後にしていった。
……あいつあんなに元気殘っていたんだな。
「気をつけて帰れよ~~
ーーあいつ聞いているかな?」
「さぁ……? それよりも今あいつは彼と早く會いたいしか考えてないんじゃないですかね?」
昨日、森が凜子さんと話しているの聞いた僕と織田は互いに苦笑しながら顔を見合した。
「先輩はどうされますか?」
「とりあえず七海の酔いがし醒めるまで僕はこの駅に殘るよ。
みんなは先に帰っていいからね」
流石に七海を背負って最寄の駅まで運ぶのは疲れるので歩けるようになってから帰ろうと考えていた。どうせまだ時間は晝まえだし、ここから家まで3時間もすれば著くだろう。
とりあえず僕はそろそろ腕が限界なので一度近くのベンチに座ることにした。
まず七海をベンチに座らせたあと、僕も七海の隣に座り七海の頭を僕の膝に置いた。
「俺は桜とこの付近旅行してから帰る予定です」
「そうなんですよ~吉晴とラブラブ旅行してきますね!!」
と與謝野さんは織田の腕に抱き著きながらそう言った。
まぁ2人ともこの合宿中よく頑張っていたし、これぐらいいいだろう。
「はいはい、行ってらしゃい」
僕は座ったままそう言って2人を見送った。
ふと周りをみるとちらほらと部員の半分は電車に乗ったようで、殘っている部員達もお土産を買ったら次來る電車で帰りそうな気がする。
「へいへいそのイチャイチャカップルの彼氏さんよ~?」
「……なんだよ樋口さん、その頭が悪そうな絡み方は?」
「いや今回の合宿だとあまり國木田に絡んでなかったなぁ~と思って。帰る前にノルマをこなそうかなと」
「僕の扱いはなんなのさ……というかそのノルマいらなくね?」
「何を言っているのさ、貴重な同期の絡みだよ? 大切にしないとダメだって。
ーーそれにほら、私達って來年の今頃ってもう卒業じゃん?」
「そうか……そういえば僕らもう4年なんだよね……」
った時は部活で一番下っ端だったのが今では最上級生になっている事実とともに、樋口さんを始めとするメンバーとこうやって関わるのももう1年しかないことに驚いていた。
「そうそう最後の1年。泣いても笑っても最後だよ?」
「てか、帰ったら勉強しないと……あぁ考えたくない……」
「ちなみに國木田君にはご報告があります」
「ん?」
「私、就活終わりました」
「早っ!? まだ3月なのに!?」
「まぁ私ほら卒業したら地元戻る予定だったからさ、合宿前に地元の企業けていたんだ。
で、丁度合宿中に定もらって、そこで終わりってじ」
「へぇ……」
「まぁ私がこっちの大學に來たのって例の事件があったからだったからさ。
國木田のおかげもあって解決したからもう戻ろうかなって」
「君が納得しているならいいか。とりあえずおめでとう樋口さん」
「ありがとうね。國木田も頑張ってね?
ーーあれ、ダメだな……なんか嫌みっぽく聞こえるな……」
「別にいいって、そういえば樋口さんは帰らないの?」
「あぁ私は彼氏の車待ち」
まさかの移手段だった。
「マジか……」
「このあと、乗せてもらって彼氏と溫泉旅行だよ」
「……就活終わったら七海連れてどこか行こうかな」
「--帰るまでが合宿中ですぅ……」
「「ん?」」
聲のした方を見ると七海だった。
「ですぅ……すぅ……」
「また寢んのかよ……というか隨分的な寢言だな。
とりあえず君が起きないと僕けないんだけど……」
「なんて言いながらも平塚の事大好きなくせに~このこの~」
「うるさいなぁ……まだ車來ないのかい?」
……さっさとこの厄介な同期を拾っていってほしい。
良い奴なんだけど、絡み方がうざい。
「そろそろ來るはずなんだけどね……あっ、來た」
樋口さんの目線の先を見るとそこには運転席から樋口さんを呼んでいる見知った顔の人がいた。
……運転席から呼ぶ姿が妙に絵になってる。
「じゃ、國木田またね」
「うん、また大學で」
と樋口さんを見送ると駅に殘っている部員は僕と七海だけになった。
そして一向に起きそうにない七海。
「ほら七海、起きて」
「すぅ……」
いくらを揺らそうと七海は一向に起きそうな気配がない。
「こりゃ……家に帰るの夜になりそうだな……」
七海を起こすのが僕の毎朝の朝食を作るのと同じように日々のルーティンになっている。そのため七海を揺らして、その時の反応で彼がどれぐらい起きないのかを何となく分かるようになってしまった。
……そして今の反応で今回は中々起きないのを察した。
「……今日の夜ごはん近所のスーパーの総菜にしようっと」
「オムライス……たべたぁい……」
「はいはい、オムライスね……って君は何の夢を見ているんだよ……」
……そして僕が家に帰れたのは夜の7時頃になった。
その日の夜
「ほら七海、オムライスだよ」
結局家に帰った僕はオムライスを作った。
まぁそこまで作るのに苦労する料理ではないので楽だった。
「あれ、センパイ? 私がオムライス食べるって言いましたっけ?」
「僕の勘かな」
「おぉ……私が思っている事を察してくれるなんて……
ーーもう明日婚姻屆出しちゃいます?」
「まだ出さないよ……というか何枚ストックあんのさ?」
「それは乙のヒ・ミ・ツですよっ」
と口元に指を當ててのジェスチャーをする七海。
「あっ、機の辭書の裏ね分かった」
「何で分かったんですか!?」
「だって目線がそっち向いているのと、辭書の位置がしずれているのが変」
僕はこう見えての場所がずれていたらすぐ気づく。
そして前に婚姻屆を隠していた場所が僕にバレた後、変更したのだろう。
……というかアレそろそろ送るの止めてしい。
「凄っ!? それ良く分かりましたね……。
センパイって探偵向いてそうですね~」
確かに僕はなんか探偵みたいな事をしていたりするけど、僕個人は渋々やっているだけで々と危険な目にあったりして報酬が危険の割に合わない。
「勘弁してくれって……僕は普通に過ごしたいんだって。
ーー何か追加の料理作ろうか?」
「食べたいです!!」
「……せめて料理名を言おうか七海」
なんて呆れながらも僕は七海が食べたいと言っていたの料理を作ろうと決めたのであった。
次回から日常編に戻ります。
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