《脇役転生の筈だった》17
「天野、海野、ちょっといいかぁ?」
私と天也は朝から先生に呼び出されていた。
……何も問題は起こしていないはず…。
そんな風に多不安になりながらも職員室……ではなく會議室に連れてかれる。
するとそこには學年委員が全員集まっていた。
……と、言うことは…だ。
「全員揃ったところで委員長決めるぞ」
……はぁ、面倒くさい。
誰かしらやる人もいるだろう。
私はもう2度とやらないと決めたのだ。
……初等部からずっと何かしらの理由をつけて押し付けられてきたが今年こそはやってやるものか。
「……立候補者なしっと……。
という事で、委員長は海野にお願いする」
……はい?
え?
私が委員長……?
「先生、どういう事でしょうか?
何故私が委員長に……」
「學年首席で初等部から委員長をやっているから問題無いだろう?」
「……それは、そうかもしれませんが……。
他に向いている方がいると思います。
…例えば、天也とか……」
「斷る。
咲夜がやるべきだ。
皆もそれでいいだろう?」
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天也め!
敵にまわりやがったな!?
自分が委員長をやりたくないからって……!!
そして皆も天也の言葉に頷くな!!
「よし、決定だな。
副委員長の立候補はあるか?」
…反応は無い。
…そんなに嫌なのだろうか?
私とやるのはそんなに嫌なのか?
「……俺がやる」
挙手したのは天也だった。
……まぁ、どっちにしろ巻き込もうとしてたから問題ないな。
というかまたいつもと同じ形か……。
私が委員長で天也が副委員長って……。
9……10年間ずっとこうなのか……。
「なら天野に任せる。
海野と天野は殘りその他は解散!」
私は面倒なことを押し付けられたとため息をつく。
そして私と天也、先生以外が全員戻ったところで話が始まった。
「隆會との両立で大変だとは思うが……。
再來月は文化祭だ。
という事で各クラスの催しを決めてくれ。
詳しい事は隆會の方でも話が出るだろう」
…あぁ、そんな時期かぁ。
あれ、結構仕事多くて大変なんだよなぁ。
などと今までの文化祭の準備や當日の仕事を思い浮かべる。
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…親とはぐれた子供の相手や問題の解決。
苦などの整理や予算。
それに、その後の打ち上げパーティーの會場の準備や用意。
……はぁ…気が重い……。
「文化祭か……初等部の頃、悠人先輩と咲夜がはぐれて先輩が暴れた事があったな…」
「………お兄様が申し訳ありませんわ…」
初等部の頃、兄が仕事で離れているうちにクレープを買いに行ったのだがその間に兄が戻ってきてしまったようで私が居なくなったと大暴れしたらしい…。
その時の怪我人は過去最多だったとか。
……本當にご迷をおかけしました。
「中等部の頃は悠人先輩が俺らのクラスでやってた喫茶店に來て咲夜が廚房にいる時は咲夜の作ったものだけを大量に注文して接客をしている時は咲夜の寫真ばかりをとって、怒られてたよなぁ……」
「……あれは……恥ずかしかったですわ……。
今回はそのような事が無ければいいのですが……」
兄の暴はそれだけではなく私の休憩の時間を何故か把握していてその時間にドアの前で待っていたり……。
私が廚房で頑張っている時に兄が私のためにとマカロンを差し出してきたり……。
オムライスにはケチャップで絵を書くというサービスをやっていた時には私の書いたものが勿なくて食べられないと何時間も居座ったり……。
いつの間にか廚房にまでってきて寫真をとっていたり……。
準備の時に手伝いと言って教室に來て私の寫真を撮ってたり……。
天也と奏橙と3人でいる時にして邪魔してきたり……。
1日に何回も模擬店にきたり……。
お化け屋敷だったときは一瞬で私に気づいて可いを連発して最終的に天使の格好をさせられたり……。
コスプレ喫茶だった時は兄がどこからかドレスやら天使のコスプレ服なんかを持ってきたりして著せ替え人形のようにさせられたり……。
……あれ?
良く考えたら殆ど兄の記憶だ…。
「……なぁ、文化祭での思い出が殆ど悠人先輩と咲夜のやり取りなんだが……」
「……私も今そう思ったところですわ…」
……クラスの皆には悪いけど今年は喫茶店は無しにしてもらおう。
それとお化け屋敷も許可だな。
……兄が何時間も居座りそうだし。
放課後。
隆會での集まりの時。
なんだかんだ言っても高等部での隆會の集まりはこれが初めてだった。
とはいえ初等部の頃からの顔見知りが何人かいるのだが。
知らない人もいるので……という事でまずは自己紹介からとなった。
「1年3組の海野咲夜と申します。
よろしくお願いいたします」
「同じく、1年3組の天野天也です」
「1ー3の神崎奏橙です」
「あ……えっと、3組の黒崎音です!
よ、よろしくお願いします…!」
1年は2位が3人いたこともあり4人が隆會のメンバーだ。
……それが全員3組っていうのも凄いけど。
「全員3組なんだ?
あ、俺は2年5組の桜丘神門かんと
そっちの3人は知ってると思うけど…。
宜しく」
「2年1組の空栗からくり煉斗。
よろしくね」
「7組の白凪葉矢です。
よろしくお願いしますね」
2年の先輩は中等部の頃から変わっていないようだ。
顔見知りだからしホッとした。
「ラナン・ファミーユだ。
3年2組で咲夜の従兄だな」
……何故、これがここにいるのだろうか?
まぁ、これはウザイけど問題ない。
「あ、お兄様」
「はっ!?」
ドタドタドタ!
ラナンは急いで掃除用れに隠れる。
…ラナンは何故かお兄様を大の苦手としているのだ。
問題はあるけど優しいのに……。
「…に先に帰ってもらうように伝えるのを忘れていましたわ」
「……悠人はいないのかよ…。
ったく、驚かせるな……」
勝手に驚いたのはラナンの方だろうに。
私のせいにしないでしい。
……まぁ、わざと勘違いさせるように言ったけど。
「ラナン、席に著いたほうがいいのでは?」
「……咲夜…お前、悠人に似てきてないか?」
失禮な。
私はあんなに黒くはない。
それに、あの兄のどこに似てきたというんだ。
兄はシスコンだろうが。
私はとりあえず席についたラナンの足を思い切り踏んでおいた。
「……副會長の3年8組龍善寺凪波だ。
宜しく頼む」
「會長の明來智也だよ。
1年間、宜しくね」
驚いたことに中等部まではテスト事にれ替えがあったのに対し高等部ではれ替えがないらしい。
理由は覚えるのが面倒、だそうだ。
……中等部や初等部もそうしてしかった。
「じゃあ、再來月にある文化祭の事だけど……。
予算は一人あたり五千。
場所は校門の所か中庭か教室。
部活に関してはそれぞれの教室を使ってもらおうと思う。
ここまでで質問はある?」
場所は校門か中庭か教室…か。
私はとりあえず手を上げる。
「食堂はどの部活も使っていなかったと思うのですが…。
食堂の使用は駄目でしょうか?
それと、使用していない教室に関しては休憩所といった形で解放するのはどうでしょうか?」
毎回毎回、人が多すぎて大変なんだよね。
時々人混みに酔ったっていう人もでてくるから休憩所もあればいいと思ったんだよね。
會長はし考えていた。
メリットとデメリットについて考えているのだろう。
「休憩所の案は採用しよう。
食堂の方に関しては一部のスペースを落しや案所といった形にしようと思っているんだ。
そうすれば多はこっちの負擔も減るからね」
確かにそうだ。
私が質問するまでも無かったのか。
「そうでしたか…。
申し訳ありません、出すぎた真似でした」
「そんな事ないさ。
現に、休憩所なんて思いつかなかったからね」
會長は笑ってめてくれた。
……後輩思いの優しい先輩だなぁ。
「他にはないみたいだから先に進めるよ」
その後、説明と質問で1時間くらい話した後解散となった。
それ以降は各學年での話し合いとなるらしい。
…その話し合いというのにも私と天也は參加しないといけないのだが……。
しかもその話し合いは明日らしい。
…急すぎはしないだろうか?
私は迎えを呼ぼうと電話をかけようとするが、ある聲に阻まれた。
「さぁ、咲夜。
帰ろうか。
……あれ?
何でラナンがここにいるのかな?
ラナン……僕の可い可い可い天使に手を出してないよね?
世界一可い僕の天使に手を出したら………分かっているよね?
智也や凪波もだよ?」
……うわぁ……。
ラナン、先輩……兄が申し訳ありません……。
そういえば兄は何故ここにいるのだろうか?
…時期的に分かったのかな?
卒業生だし不思議ではないか。
「お兄様、脅すのは辭めてください!
それと私は天使でも可くもありません!
先輩、お兄様が申し訳ありません…」
「咲夜は可い可い天使だよ。
それに脅しじゃないから大丈夫。
あと咲夜が謝る必要はないよ。
ねぇ?」
兄よ……脅しじゃないというのは本気という事だろうか?
尚更駄目だとおもうのだが。
それに、先輩を見る時の目が怖い!
殺気立ってる!!
私はもう一度先輩に謝罪し家に帰った。
……ラナン?
それは知らない。
どうでもいいし。
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