《あえて鈍のふりをしてみた》12話

〈裕太視點〉

「し、失禮します…安藤、桜です。部、希…です…」

桜が軽音部の部室に迷わずについて辿々しくも自己紹介をした。なんか大樹と夕姫がめっちゃ威圧的だから桜が萎してるがまあいい。なんか面接っぽいな?

「ん、裕太からは聞いてる。うちのキーボになりたいと。」

大樹がし低めの聲でいう。面接なのかな?

「は、はい!おおお、バンドにりたいと思ってます!」

社みたいに言わないでほしい。面接なのだろうか。

「ふーん、弊バンドを志した理由は何かな?」

夕姫も乗っかって弊社みたいに言わんでくれ。面接なんだな?

「お、バンドを志した理由は、た、高い演奏技と、あの、個あふれるメンバーに心惹かれ、えっと…私個人の技はもちろん神的にもレベルアップができると考えたからです!」

「面接かよ!!!」

いかん、突っ込んでしまった。ほらみろ、めっちゃシーーーンとしてるやん!

「なんで俺すべったみたいになってんの?え、俺おかしい?ねえ、沙耶ちゃん?君傍観してたやん?え?」

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なにこのいたたまれない空気。

「所で先ほど高い演奏技と個あふれるメンバーと仰りましたが、なぜそうじたのですか?75字以で述べよ。」

「お前もかよ!てかなんで文章問題形式!?」

もうだめ、いやだこの人たち。なんで沙耶ちゃんも乗っかんの?

「えええ、えっと…音楽室前を通った時に音が全くズレてないのを聴き、そこから演奏技が高いとじ、またそれぞれが個を持っているのをこの會話から個的と判斷しました。あ、70字。」

「律儀に守んなくていいから!なにその模範解答みたいな答え!しかも演奏技はまだしも、個的な面はまさに今考えたじゃん!」

もうツッコミ疲れた…やめてよまじでさ…

「んま、茶番はさておき、演奏してみてや。」

大樹は後ろにあるキーボードを親指でクイッと指差し、首もそちらへ向けた。

茶番言うなや、疲れたわ。

「は、はい…」

桜はオドオドとキーボードの方に向かい、電源をつけて音を軽く鳴らした後、し深呼吸をした。

すると今までのオドオドは迷子になったのか、スイッチがり真剣な表へと変わった。

「なんか急に空気変わったね。」

夕姫もじたのか思わず呟いた。

「あの、じゃあいきます。なにやればいいか分からないからとりあえずショパンで革命。」

とりあえず覚でやるな!と思ったのも束の間、左手が高速でき始めた。

ん?なんかこれ1.3倍速くらいじゃね?なんで速く弾けるん?多分張とかで速くじゃない、わざと速くしている。だって緩急が1番初めの所からついてたから。

左の高速アルペジオに右手のユニゾンがしっかりとついていっており、そしてミスも全くと言っていいほどない。

なるほど、たしかに実力を見せるにはいい選択だな。やりたくねーけど。

これには驚いたのか他のメンバーもみんな口をポカンと開けながら桜の熱的な演奏を見ていた。

いつのまにか先輩達もきており、先輩達も舌を巻いていた。

俺は目を瞑り、しの音も聞き逃さないように彼の演奏を聴いた。

そして難易度最難関と言われる革命を演奏し終えた桜はふぅっと息を吐きこちらにを向けた。

俺たちは拍手をするのも忘れるほど衝撃をけていた。

そしていち早く我に帰った大樹が口を開く。

「いや、すげーわ。圧巻された。うん。」

この言葉に桜は顔をきらめかせた。

「じ!じゃあ!」

「んー、演奏はまじですごい。ほんとこれ以上すごいのは見たことも聞いたこともない。だけど、やっぱ俺は認めれないかな。」

ん?なんでだ?さっき演奏次第では合格といってたが…

「あたしも賛派だったけどやっぱ反対にしたい。」

なんで?なんで沙耶まで?

「え、なんで?ねえ、ゆーくんもそう思うの?私は賛!」

夕姫だけが賛派となった。

「俺はもとより賛だったが、なぜか教えてもらえるか?演奏技は申し分ないが。」

大樹は沙耶は顔を見合わせて、その後こちらを見て口を開いた。

「だって、演奏中笑ってねーんだもん。楽しくなさそう。俺らは楽しむをモットーとしたいのに楽しそうにできない人とは組みたくない。」

「私も同意見。演奏技は多分この中で1番高いだろうけど、それとこれとは別。下手くそでも初心者で右も左もわからなくてもいいから楽しそうに演奏する人と組みたい。じゃなきゃ聴く人も萎えちゃう。」

なるほど、そこまで見てなかったな。てか目瞑ってたからな。その意見を聞くと俺も反対派になるかも。

すると先輩達もこの意見に驚いたのか口を開いた。

「別に高校生でそこまで考えなくてもとは俺は思うがな。別にお前らプロ目指してんじゃねえんでしょ?」

たしかにプロは目指してないが、モヤモヤは殘るのかあまり大樹と沙耶は納得したような顔はしなかった。

「てかさ、別にバンド組めばいいじゃん。とりあえずこのバンドは裕太君も反対派になりそうだから賛なそうだしこの4人でやって、別枠で桜ちゃんだっけ?をれたバンド組めばさ。」

の先輩が平行線になりそうなのを見かねたのかそう提案した。

「ここの軽音部ってバンド掛け持ちできるんすか?なんか大所帯の大學生サークルみたいっすね。それならよさそうすね。俺は人生で初めて組むバンドはこのメンバーでやりたいですし。」

すごい的を得た例えだな。大樹はそれならと納得した。沙耶ちゃんもうんうんと頷いていたが、まだピンときてないのか夕姫は首を傾げていた。

「ん?ゆーくん、どゆこと?」

「んー、大學生の軽音サークルってさ、めっちゃ人數多いとことかがかなりあるのさ。」

「うん。それはなんかそんなイメージ。」

夕姫はうんうんと頷きながら俺の言葉を聞いている。

「だからさ、いろんな音楽の方向を持つ人たちがいるわけ。で、例えば自分は純粋なガチガチのロックも好きだしアイドルソングも好きだとする。そこでガチガチのロックバンドを組んだとしよう。」

「ふむふむ。」

「そこのロックバンドはそれでいいが、自分はドルソンもやりたい。でも他のメンバーはドルソンが興味ないもしくは嫌い。」

「え、じゃあもうドルソン我慢しなきゃじゃん!」

そんなのかわいそうだよ!と目を大きく開けて言った。

「そー!だからドルソン好きでもう1つバンド組むのさ。人數が多いからそういうことが簡単にできる。だけど人數がないと組みたい人が既にめちゃくちゃ組んじゃっててできない!ってことがあるから大所帯じゃなきゃやりにくいってわけ。」

「なるほどー!理解したー!」

発言しなかったが実はピンときていなかった桜も理解したようで、手を挙げてわかったぞー!とアピールした。

「別にさ、俺らは部を拒否ってるわけじゃないのさ。そんな権限ないしむしろってくださいお願いします。ってじ。ただ、やっぱ初めて組むバンドだから々なことをしっかりとして120%楽しみたいのさ。だからこのバンドにはごめんね?ってことで。」

桜はし悲しそうな顔をしたが納得したのか、わかりました。と言い、改めてこちらに振り返った。

「ば、バンドは別でやりますが、部員として改めて、その、よろしく…です。」

こうして桜の部が決定した。

お久しぶりです!!!

無事、合格しました。

投稿を再開しようと思います。

新規の方、はじめまして。

今後ともよろしくお願いします。

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