《奴ら(許嫁+馴染諸々)が我が家に引っ越してきたのだが…》家宅捜索
「い、意外と大きなお家ね」
放課後、校門で待ち構えていた生徒會長と三人を連れて我が家の目の前まで來ていた。
「興様、言われたとおり私たちの荷は理沙さんの家へ運んでおきました」
「そうか、ありがとな」
晝休みに二人に生徒會長が我が家へ家宅捜索に來ると話すとすぐ様、八恵が攜帯で以前理沙の荷を運ばせた人たちを呼んで既に準備は完了していた。
あとはボロがでないように話を合わせるだけだ。
「いえいえ、私興様のお役に立てるのなら何だっていたしますわ。それより……あの生徒會長さん、何故このようなことをなさるのでしょう? こんな確認だけなら他の者にやらせれば良いではないですか」
わざわざ生徒會の長がやって來ることはないのではと、八恵は疑いの目を向ける。
「確かに……でも今は同居してることがバレないようにするのが先決だな」
気にはなるがそんかこと後からでも調べられる。
「ですわね。折角の私と興様のの巣が壊されるわけにはいきません」
Advertisement
「我が家をの巣にした覚えはないが頑張ってくれ」
***
「使われていない部屋が多いわね。こんなにたくさんあるのに勿無い」
家を一通り回って、リビングへと集まると生徒會長さんはそんな想をらした。
「親父が海外に主張して一人暮らしになりましたし、使う必要ありませんから」
八恵、理沙の部屋がなくなった今では家が置かれているのはリビングと興の部屋だけだ。
それ故にこの外から見ても無駄にでかい家の中はとてつもなく広くじられる。
開放があっても心地よいのだがたまに寂しくなってしまうのが玉に瑕きずだ。
「何か隠したりしていませんよね?」
「何か、といいますと?」
「同居をしている証拠です。私が來る前に何処かへ隠してやり過ごそうとしているのではないか、と聞いているんです」
やはりこの人は鋭い。
しかし、この家に隠しているというのは間違いだ。まさか隣の理沙の家に怪しまれそうな全てを運び出しているとは夢にも思うまい。
「また疑うんですか。そんなに俺が信用なりませんか? これは親父のけ売りですが上に立つ者なら人を信じられないとやっていけませんよ」
部下を信用しない上司は信用されないように、それは痛いしっぺ返しとなるだろう。
「貴方に言われなくとも心配ありません。それに私は人が信じられないのではなく、ただ貴方を信じていないだけです。きちんと信じられる人とそうでない人は區別していますので」
そんな辛辣な言葉で二人の間には火花が散り、嫌な空気が充満しだした。
「ま、まぁまぁ。お二人さん。ここはし空気を変えようじゃあ〜ないですか。実はここに興のアルバムがあります。これに何か面白いのはないか探してみようではあ〜りませんか」
ここで場を和ませるために友和は自信満々に背中から黃いファイルを目立つように頭の上に乗せた。
「おまっ! それ何処か、持ってきた?」
「なんか本棚の裏にあったぜ。お前のことだから八恵ちゃんに見つからないように隠したんだけど忘れたってパターンだろ? 殘念ながらその程度は俺を欺くことはできないぜ」
言っていることはしはカッコ良く聞こえるが、どうせ部屋中探しまくったんだろうな〜とその景を思い浮かべると友和のウザい態度への怒りは煙のように消えていった。
「友和さん友和さん友和さん。ぜひ、そのアルバムを私に見せてください。私の知らない興様のあんな姿やこんか姿をこの目に焼き付けなくてはっ!」
「その言い方やめいっ! でも別に見るのは構わねーなら渡してやれ友和」
「お、おぅ……」
八恵の必死すぎるお願いに戸いを示していた友和だったが、その興の一言で落ち著きを取り戻し、アルバムをそっと八恵に渡した。
「い興様……これもこれで可らしい」
このアルバムは親父が撮ってくれたもので、それほど上手く撮れてはいないがその寫真の多さからどれほど思っているのかが見て取れる。
産まれた時から最新のものは春休みに公園へ遊びに行ったものだ。
「あら、この公園って……」
興味ないかと思ったら橫でこっそり見ていた生徒會長が驚いた聲を上げた。
「それがどうかしましたか? 何か親父の思い出の場所とかでそこにはよく連れて行かれるんですよ。まあ、俺にとっても思い出の場所なんですけどね」
八恵のことだけは記憶にないがこの公園のことはよく覚えている。
「そう……確かこの近くだったわね」
「はい。生徒會長もこの公園を知ってるんですね」
「ええ、思い出の場所なの。でも、これ以上居ても時間の無駄ね。帰らせてもらうわ」
アルバムを八恵から拝借してし戻って何かを確かめると、急に玄関へと一直線へと進んだと思ったら視線がある一點に集中してその足は止められた。
「ん? どうしたんです?」
「貴方のお母さんって病気で亡くなっているわよね」
「え、ええ……。俺が心つく前に他界してますけど」
「へぇ、ならあれは一誰の下著なのかしら」
彼が指を差す方には洗濯が干されてあり、その中にはの下著が堂々とぶら下がっていた。
冥府
山中で夜間演習中だった陸上自衛隊の1個小隊が消息を絶った。 助け出そうと奔走する仲間たち、小隊を付け狙う地獄の使者、山中一帯に伝わる古い伝承。 刻々と死が迫る彼らを救い出すため、仲間たちは伝承に縋る。 しかしそれは、何の確証も一切ない賭けだった。 危機的狀況で生きあがく男たちの戦いを描きます。 カクヨムにも掲載しています。
8 140非リア充の俺がまともに戀なんてできるはずがないと思った
高2の吉井成彌 (なるみ)は、コミ障だ。 オタクで、休日になると家からほぼ出ない。 そんななるみは、早川千遙に告白される。 しかし……。
8 78【完結】苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族戀愛~
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」 母に紹介され、なにかの間違いだと思った。 だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。 それだけでもかなりな不安案件なのに。 私の住んでいるマンションに下著泥が出た話題から、さらに。 「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」 なーんて義父になる人が言い出して。 結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。 前途多難な同居生活。 相変わらず専務はなに考えているかわからない。 ……かと思えば。 「兄妹ならするだろ、これくらい」 當たり前のように落とされる、額へのキス。 いったい、どうなってんのー!? 三ツ森涼夏 24歳 大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務 背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。 小1の時に両親が離婚して以來、母親を支えてきた頑張り屋さん。 たまにその頑張りが空回りすることも? 戀愛、苦手というより、嫌い。 淋しい、をちゃんと言えずにきた人。 × 八雲仁 30歳 大手菓子メーカー『おろち製菓』専務 背が高く、眼鏡のイケメン。 ただし、いつも無表情。 集中すると周りが見えなくなる。 そのことで周囲には誤解を與えがちだが、弁明する気はない。 小さい頃に母親が他界し、それ以來、ひとりで淋しさを抱えてきた人。 ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!? ***** 表紙畫像 湯弐様 pixiv ID3989101
8 107右目を無くした少年の戀のお話
事故で右目を失った少年『春斗』は 高校三年間でどう生きるのか─ 卑屈な少年ととにかく明るい少女の戀の物語
8 59奴ら(許嫁+幼馴染諸々)が我が家に引っ越してきたのだが…
春休みが終わり、高校生二年目が始まろうとするその日、父親が長期間海外で滯在する事になったことを聞かされた天坂 興。この日を境に許嫁、幼馴染諸々が引っ越して來て我が家がシェアハウス狀態に。 そして興は彼女たちの心を、自分の本心を知ることになる。果たして興はどんな答えを出すのか……。
8 153私たち、殿下との婚約をお斷りさせていただきます!というかそもそも婚約は成立していません! ~二人の令嬢から捨てられた王子の斷罪劇
「私たち、ハリル王子殿下との婚約をお斷りさせていただきます!」伯爵家の姉妹フローラとミルドレッドの聲がきれいに重なった。王家主催の夜會で、なんとハリル王子に対し二人の姉妹が婚約破棄を申し出たのである。國王も列席する場で起きた前代未聞の事態に、會場はしんと靜まり返る。不貞を働いたことを理由に婚約破棄を申し渡したはずのフローラと、心から愛し合っていたはずの新しい婚約相手ミルドレッドからの婚約破棄の申し出に、混亂するハリル王子。しかもそもそもフローラとの婚約は受理されていないと知らされ、ハリルは頭を抱える。そこにハリルの母親であるこの國の側妃アルビアが現れ、事態は運命の斷罪劇へと進んでいく。 一風変わった婚約破棄からはじまる斷罪ざまぁストーリーです。 ※お陰様で、11/16(午前)現在、ジャンル別日間24位・総合日間35位です。ありがとうございます!引き続きお楽しみいただければ幸いです。 ※この作品はアルファポリス、カクヨム等他サイトでも掲載中です。
8 66