《奴ら(許嫁+馴染諸々)が我が家に引っ越してきたのだが…》恐怖のお化け屋敷
「く、暗いですわね」
「お化け屋敷だからな」
導用に多明かりはあるがそれでも歩きにくく、気を抜いたら転んでしまいそうだ。
こうゆう演出なのだろうがここまで暗いと何かトラブルがあって停電しているのではと不安になってくる。
「こ、興様ちゃんと居ますか?」
「ああ、ちゃんいるよ。手握ってるんだから分かるだろ」
その手からはプルプルと八恵の聲と同様に小刻みに震えているのが良く分かる。
「実は全く知らない誰かの手ではないかと思ってしまい……申し訳ありません」
「やめてくれ。俺も怖くなってきた」
だとすると今俺が握っているこの手も八恵ではなく別の誰かの…と思ってしまった。
しかし、ちゃんと溫があるので幽霊というわけではないのは確かなのに一度そう思ったせいで不安になってくる。
「だ、大丈夫です興様。いざという時は私がお守り致しますわ」
「気持ちだけもらっとくよ」
男としてに守られるのは癪だし、何よりこんなに怖がっている奴に守ってもらおうなどとは思わない。
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「お、何か見えてきたぞ」
多分、井戸があってその中から聲が聞こえて「なんだろう?」と近づいたら急に髪の長いの人が出てくる、そんなじのだろうと頭の中で事前にイメージトレーニングをしてゆっくりと近づくとそこには臺があり、その上に皿に乗った伊勢海老が置かれていた。
そしてその隣には『ご自由にどうぞ』ときう書き置きが。
「なんで伊勢海老‼︎ 逆に怖いわ‼︎」
しかも調理した後などではなく、そのままの狀態でだ。
目なんかはこっち見てる気がするし、今にもい出しそうで人形が置いてあるよりもいろんな意味で怖いかもしれない。
「こ、興様大丈夫ですよ。父様のことですからきっと新鮮なものを用意しているに違いありませんわ」
「問題はそこじゃないだろ。井戸だから皿のやつかと思ってたのに何これ⁉︎」
何かに引っ掛けたダジャレでもないだろうし、今この場合この伊勢海老が新鮮かどうかなど気にならない。
「さあ私もそこまでは……ですがこのお化け屋敷の制作にはおじ様も協力していたとお聞きしています」
「原因それだ! というかそれ以外に考えられん」
親父ならお化け屋敷を市場に変えることだってやってのけてしまうだろう。我が親父ながら恐ろしい。
「ですがこれどう致しましょう」
「スルーすればいいだろ。十分驚かされた」
違う意味でだが本當に驚いた。
お化け屋敷として楽しめていないがある意味楽しめている。
「ご自由にどうぞと書いてあるので持って行っても良いのでは?」
そう書いてあるのだから遠慮する必要はないのだろうが持って行きにくい。
「いや伊勢海老がタダで貰えるのは嬉しいが荷になるだけだろ。それに本當に持ってかれたら仕掛ける側が困るだろ」
もし俺らがこの伊勢海老を持って行ったら
仕掛けたりしないといけない。
そうなると一どれくらいの費用がかかるのだろうか?
計算してみたが、全員が持って行ったらこの遊園地はきっと赤字になってしまうだろう。
「でしたら皿だけ貰っていきませんか? 投げたら武になりますし」
武ってもしかしてそれを投げるつもりか?
使い方を間違っている気がするが八恵がそれでいいなら別に構わないだろう。
「まあ、皿の方ならいいんじゃないか?」
とにかく、俺たちは伊勢海老をスルーして皿だけ手してまた暗い道を歩き始めた。
皿などではなく懐中電燈がしがったが文句ばかり言ってられない。
「ん、また何かあるぞ」
「今度はちゃんしたものですわね」
この細い道の橫に青白いに照らされた井戸が設置されている。
「こ、怖いですわ……」
「でもここしか道がないぞ」
それに道が細いから避けて通ることもできないので意を決してゆっくりと音を立てないように進む。
井戸の前までくると何かの気配がした。
ふとその気配がする井戸へと目をやるとそこには白裝束を著たがびきった髪のの奧から見つめてきていた。
「きゃああああああああああああああ‼︎」
先に聲をあげたのは八恵。
手に持っていた皿をおもむろに投げつけ、興の手を引っ張って無我夢中で走り続けてび聲は途中でリタイアする人の為に用意された出口で外に出るまで続いた。
「あ、あら? お皿がありませんわ」
「心配するな。どうせ數がなくてもだれも困らないからいいんだよ」
その頃、お化け屋敷の中では白い服を著たが伊勢海老の下にあった皿を補充していた。
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