《皇太子妃闘記~離縁計畫発中!~》5話 貓ちゃんを拾いました!

私たちは、途中、馬に休息を取らすために休憩をした。

私は馬車から降り、外の空気を思いっきり吸った。

空気が味しいわ!

やっぱり、ずっと馬車の中にいると息が詰まる。

「アリア様、こちらへどうぞ」

キース隊長が椅子を出してくれたようで、そちらに案された。

しかもちゃんとネネの分まであった。

「ありがとう。」

私は笑顔でお禮を言った。

何故かキース隊長は顔を赤く染め、私から目を反らし

「いいえ····それでは私たちは近くにいますので」

そう言って、仲間のところへと向かった。

ネネは紅茶をれてくれて、私はそれを飲んで周辺を観察した。

周りは木が立ち並んでいた。

私は王城から外を出たことがなかった。

本來なら六歳になったら學校に通うはずだったが、大國の皇太子の婚約者になった為、何かあってはならぬと、王城で家庭教師をつけて勉強することになったのだ。

····要するに、下手に男を近づけさせたくなかったということ。

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まあいいですけど。

でも普通のというものにも憧れがある。

ルイス王子とは、の前に婚約したからちょっと違うし。

「アリア姫、お加減はいかがでしょうか?」

私専用の近衛隊の副隊長ランクスが聞いてきた。

「ランクス副隊長、姫という敬稱をつけてはだめよ。ありがとう。外に出て元気が出たわ」

「それは良かったです。ごゆくりと休憩をしてくださいませ。」

ランクスはお辭儀をして、私からし離れたところで待機した。

「ランクス様も格好いいですわ。」

ネネはまたうっとりとした目をして、今度はランクス副隊長に熱い視線を送っている。

····ネネって気が多いのかしら····

「ですが、筋が足りませんわ!やはりキース様くらいはないと!」

やはり筋質は外せないのね····。

ランクス副隊長は公爵家の嫡子になる。丈夫で、淡い金髪で癖型はスラリとしていて、確かに筋質ではないように見える。だが、日々鍛えてはいるから中は意外に筋質かもしれない。

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濃い緑の瞳を持ち、放つオーラはらかい。年齢は18才。今年學校を卒業して、私専用の近衛隊に副隊長として隊した。

夜會などでも、に大人気でいつも囲まれていたと思う。

私はいつもダンスにわれて踴っていたが、の痛い視線をいつもけていた。

噂だけど、関係は派手なのだそう。

ルイス王子のことがなければ、ランクスは私の嫁ぎ先候補だったらしい。

だが、今はバーバラ姉様が候補に上がっている····というより、バーバラ姉様がランクスの元に嫁ぎたいと言っているらしく、水面下でいているらしいかった。

私がじぃーとランクス副隊長の方を見ていると、周りいた護衛の人達が私を見ていた。私はその人達に笑顔を向けると、皆、下を向いてしまいました。

····私、あまり好かれてないのかしら····。

ちょっと落ち込んだ。

ランクス副隊長も私の視線に気づいていたようで、こちらへ來て、ニッコリと笑い

「アリア様、しだけ散歩しませんか?」

いをしてきた。

私はし考え、

「いいわ。ネネも行きましょう。」

「え?私もですか?」

ネネは驚いたように聞いてきた。

「勿論よ。」

私が笑顔で応えると、ネネは小さい聲で

「私はお邪魔蟲だと思うんだけど」と呟いていた。

「???」

よく分からないけど、まあいいわ。

私は今度はキース隊長を呼んだ。

「キース隊長!私とネネはし散歩するので付いてきてくださる?」

私の言葉を聞きネネは目を見開き驚いている。

ふふふ。私がのキューピッドになるわ♪

これでしでも、キース隊長とネネの距離がまればいいと思っていた。

私はルンルン♪気分で立ち上がった。

ランクス副隊長の不機嫌になっていることを気づかずに。

し森の中を散歩することにした。

先頭にキース隊長が歩き、ネネと私が並んで歩く。ランクス副隊長は後ろで守るように付いてきていた。

私とネネが話をしているだけで、全然キース隊長と話をすることもなく、距離がまらない。

何故かランクス副隊長も無言で付いてきてるし。

どうしようかなと考えていると、

ガサガサと音がした。

キース隊長は止まり、人差し指を口あて、靜かにと合図をする。

そして、キース隊長とランクス副隊長は警戒態勢にり、剣の鞘に手をおいている。

見守っていると、草むらの中からひょっこりと小さな黒の生きが出てきた。

「ミィーミィー」

そのはとても小さくて、鳴き聲からして貓のようだった。

そのは私達を見るなり、

「グルル」

と唸り始めた。

よく見ると、前足からを出していた。

「あのこ、ケガしてるわ。手當てしないと!」

私はそののところに向かった。

私のその行を見て、貓がますます唸り聲を大きくする。

「グルル!」

「大丈夫よ。あなたに危害を加えないわ。安心して。」

私は優しく聲を掛けながら近づいていく。

「姫!ダメです!」

ランクス副隊長は私を止めようと、私の腕を取った。

私は後ろを振り向き

「ランクス副隊長、お離しなさい!大丈夫です!」

命令口調で言った。

「皆もあのこに危害を加えないと分からす為に、両手を上に上げて。」

私は三人に指示した。三人は苦潰しの顔をしながら、両手を上げてくれた。

私も両手を上げて、貓の方に近づいていく。

まだ警戒心を溶いておらず、「グルル!グルル!」と唸り聲を上げながら後退りしているが、私はその貓の前まで來て、ゆっくりと膝をついた。

そして手を差しべた。

「シャァァ!」

貓が手を出してきて、引っかかれた。

痛い!

一瞬痛みで顔を歪めてしまった。

手からが滲んできた。

「アリア様!」

ネネが悲鳴に近い聲を上げた。

「大丈夫よ。」

私は笑顔に戻り、もう一度貓に手を差しべる。

貓はもうこうとしなかった。

私はそっと貓の背中に手を置くと、その貓は気を失い倒れてしまった。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

私は反対されながら、その貓を馬車まで連れて戻ってきていた。

ネネに、荷臺からリンカーヌ王國で売る為に商品として譲ってもらった揺りかごを持ってきてもらい、そこに貓を寢かせた。

そして前足の治療をしてあげた。

傷は意外に深く、何かに噛まれたか引っかかれたじだった。

私は貓に効くか分からないが、薬をつけて、ケガしたところを舐めないように包帯で巻き、暴れてもほどけないようにテープでぐるぐる巻きにして固定した。

貓は疲れていたのか、治療中にも目を覚ますことなく、今も眠っている。

「黒の貓ちゃんは初めてよ。」

私は優しく貓ちゃんをでながら言った。

「アリア様、本當に飼うつもりですか?」

ネネは呆れたように言ってくる。

「そのつもりよ。小さい貓にこんな森で生きていくのは酷よ。これも何かの縁だわ。絶対に飼うわよ!」

反対されようが、絶対この貓ちゃんを飼うんだから!

私が強い意志を込めてネネを睨む。ネネはため息をつき

「アリア様はちゃんと貓のお世話が出來るんですか?」

勿論よ!

私は頷き

「ちゃんをお世話をするわ。」

ネネは私が折れないと分かったのか苦笑した。

「分かりました。では國王様をちゃんと説得してくださいよ。」

「それは大丈夫よ!貓だもの!そんなことでお父様は反対はしないわ!」

よし!ネネを味方につけたわ!

コンコンと小窓を叩く音がしたのでネネが出た。

「アリア様、キース様が姫様にお話があるそうです。」

「分かったわ。馬車に乗るように言ってちょうだい。」

ネネに指示をし、ネネが馬車のドアを開けてキース隊長にるように促していた。

キース隊長はゆっくりと馬車の中にってきた。

「失禮します。」

「キース隊長、先ほどはありがとう。」

貓ちゃんが気を失った後、すぐに私の手の治療をしてくれたのがキース隊長だった。

「獣はいろんな菌を持っていますからすぐ治療をしないと!」

キース隊長は持っていた救命用で、手早く治癒をしてくれた。

橫目でネネを見たら、ネネの目はハートになってキース隊長を見つめていた。

その後はランクス副隊長に貓ちゃんを抱っこしてもらい馬車へと戻ったのだ。

「いえ、當然のことをしたまでですので。」

キース隊長は謙遜して言う。

「それで話は何かしら?」

私が話を持っていくと、キース隊長は真剣な顔になり

「あのときは、突然だったので気づきませんでしたが、今日拾ったのは、貓ではなく、黒ヒョウです。」

「「えっ?えっ?えぇぇぇー!?」」

馬車の中で、私とネネの驚きの聲が響いたのはいうまでもありません!

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