《皇太子妃闘記~離縁計畫発中!~》18話 嫌です!
ルイス王子からきた、手紙と書簡の容に私たちは戸いを隠せなかった。
その容は私が14才の誕生日を迎えたと同時にリンカーヌ王國に來てしいとのことだった。
早くリンカーヌ王國に來て、國に慣れてしいと書かれてあった。所謂花嫁修業のこと。
一般的には結婚する1、2ヶ月前に相手の家に慣れる為に住むのが普通なのだけれど·····。
私の方の手紙には、私が良ければその前からでも來てしいと書かれてあった。
行くわけない。
その打診をする為にまた3ヶ月後にこちらに來ると書かれてあった。
また來るのね·····。3ヶ月後が通常この國に來ている時期にはなるけど。
さすがにお父様も戸っている。
「輿れする一年前からはさすがに·····」
私も行きなくないです!
しかも14才の誕生日と言えばあと8ヶ月くらい。
後、一年もない!
何かとかならないかしら·····。
とりあえずお父様は、ルイス王子の言い分を聞いてから返答するとのことだった。
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3ヶ月後にルイス王子は予定に通りサマヌーン國にやってきた。
この時ばかりは申さないといけないと逃げずにきっちりと対応するつもり!
まず最初はルイス王子とは、お父様とお兄様達と話し合いをしてから後で私が話をすることになった。
ルイス王子ご一行様はお晝過ぎに到著し、挨拶もまともに出來ないまま、すぐに四人+何故かリンカーヌ王國の宰相様までやってきて五人での話し合いをし、夕方までかかっていた。
しかも夕食後も話し合いが続いている。
私は仕方がないのでピューマの散歩に來ていた。
私はいつもお通り、森の暗闇の中で紅茶を飲んでいた。
「ねえ、ネネ。かなり話し合いが長いわよね。」
ネネは茶菓子を補充しながら
「そうですね。メンデル國王様がごねているらしいですよ。それをルイス殿下とダンバル宰相様が一生懸命説得しているらしいですわ。」
お父様!ごねるなんてやるじゃない!
やはり、私が居なくなると寂しいのかしら!
「私もアリア様輿れが一年も前倒しなんて可哀想過ぎると思います!」
しネネの手が怒りなのかプルプル震えている。
「ありがとう。私もそんな早くから國を離れたくないわ。」
その気持ちをはっきりとルイス王子に伝えなくちゃね!
それに大分落ち著いたとはいえ、側妃の件もあるし!
ピューマの散歩も終わり城に帰ったが、夜も遅いので私はルイス王子とのお話は出來なかった。
ルイス王子からおやすみの挨拶は來てくれたけど。
次の日の朝。
今日はルイス王子は私を優先するとのことだった。
まだ話し合いが終わってないらしく、ルイス王子抜きでダンバル宰相とお父様達はまた會議室に籠るらしい。
今、私はルイス王子と中庭にあるテーブルに向かい合わせてになって座っている。
食後の紅茶を飲みながら中庭を眺めていた。
「アリア、昨日はまともに挨拶が出來なくてすまない。」
ルイス王子は申し訳なさそうに言ってきた。
「いえ。昨日はこちらに著て早々に、ずっと話し合いをされててお疲れでしょう?」
「話し合いは疲れたかな。なかなかメンデル國王が承諾してくれなくてね····」
お父様!ナイスですわ!
「そういえば、肝心の君にちゃんと言ってなかったね。」
ルイス王子は急に真顔になり姿勢を正した。
「急で悪いと思っている。手紙に書いた通り、アリアが14才になったと同時にリンカーヌ王國に來てしい。」
「嫌です。」
きっぱりとお斷りを言う。
「アリア·····」
ルイス王子は困ったように私の名前を呼ぶ。
「私は一般的な1ヶ月前がいいですわ。」
「アリア、君は正妃になるんだ。正妃は側妃より早く國にり、國に····國民にれ慣れ親しんでいかなければならない。それに君は前に、正妃になるのは自信がないと言っていたではないか。自信を持って貰う為にも早く來てしいんだよ。」
前に言ってたことを逆手に取られてしまったわ······。
「ですが正妃になったら祖國には帰れなくなります。あと一年間はサマヌーンにいたいですわ。」
私がしょんぼりして言うと、ルイス王子は私の肩を抱き寄せた。
「確かに結婚したらもうサマヌーンには帰れなくなるだろう。だが結婚するまでは帰っても構わないよ。」
私はその言葉に反応しルイス王子に見た。
「いいんですの?」
ふふふ。なら1ヶ月ごとに帰國をしようかしら!
しかしルイス王子の次の言葉でがっかりする。
「但し一回だけで帰國期間は最大二週間かな。」
ケチッ!
「それにしても結婚をする一年前からは早すぎると思うのです。」
私が思っていることを口にすると、ルイス王子は紅茶を一口飲み、一呼吸おいて言ってきた。
「前回にサマヌーン國に來たときに、ますます綺麗なったアリアを見て怖くなった。」
「怖くなった?」
綺麗になったくらいで怖くなったとは良く分からないわ。
「橫から誰かに拐われるのではないかと·····アリアが私ではない人に心が揺らいだらと思うと居てもたってもいられなくなった。」
「ルイス殿下···そんなことは····」
あるかもしれない····。
「アリア、君にまだ言わないと行けないことがある。」
もしや·····あのこと?
「私にはすでに側妃が五人いる。」
やっぱり側妃のことね。
しかも約一年前にリンカーヌ王國に行った時は側妃は二人だったのに、一年もしないにあと三人も娶っているなんて!
「信じられない·····」
あっ、心の中で呟いたつもりが言葉に出てしまったわ。
私の茫然としている姿を見て、ルイス王子はばつの悪そうに頭をさげてきた。
「本當にすまない。私も將來は一國を治める者になる。々とあるのだ。分かってしい。」
········。
噓つき!違うでしょ!
とは言えない。
私が黙っていると、ルイス王子は々と取りつくろってくる。
「しているのは君だけだよ!側妃は義務で娶ってるんだ。」
前に見たパレードの時はそんな風には見えませんでしたが······。
「私は正妃とは言え、出の分は低いですわ。側妃の方と上手くやっていく自信もないですわ。やはりちゃんとした分の方が正妃になるべきですわ。」
私がそう言うとルイス王子は
「なら側妃にならなってくれるかい?」
などど言ってきた。
もっとなりたくないわ!
「嫌です。私は普通の花嫁になります。私は正妃にも側妃にもなりません!」
言ってやったわ!
だがルイス王子は怒ったようになり
「ダメだ!君は私のだ!誰にも渡さないし、正妃、側妃どちらとも嫌だと言わせない!君は私の正妃なり、一生私のそばにいるんだ!」
······ルイス王子は何故こんなにも私に固執するのか分からないわ。
もう、こうなったら最後の手段よ!
「分かりました。私は出家して修道院に行きます。」
これしかないわ!が出來ないのが殘念だけど!
だけど、ルイス王子は私の出家発言で顔を一瞬変えたが、私を睨むような目で見てきた。
「私がそんなことさせると思うかい?」
ゾクリ。
ルイス王子の冷たい目線で背筋が凍った。
「そんなわがままを言うのならこちらも考えるよ?このままリンカーヌ王國へ連れて行く。例えサマヌーン國と戦爭になろうとも。」
戦爭って!そんなこと言われたら·····。
·······きっと、この方なら実行するかもしれない。。そういうことが出來る権限を持っているし、私たちに抵抗できる武力も何もない。
私は折れるしかないのかしら······。
「君を誰にも渡さないし、どこにもやらないよ。」
ああ·····今の私ではこの方から逃れることが出來ない······。
私はただ涙を流し、これが自分の運命なのかと諦めるしかなかった。
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