《皇太子妃闘記~離縁計畫発中!~》19話 ランクスの想い
ルイス王子と宰相様はお父様を何とか説得してリンカーヌ王國へと戻って行った。
ルイス王子達は約一週間ほどサマヌーン國に滯在していた。
私はルイス王子に恐怖をじてしまい、怯えるようになった。
ルイス王子は自分が言い過ぎたとじたらしく謝ってきたりした。
「そんなに怖かったかい?戦爭なんて噓だよ。君が修道院に行くなんて言うからついあんなこと言ってしまった。すまなかった。」
彼が私にれようとしたら無意識にが固まり、ビクッとしてしまう。
それはルイス王子が帰國する日まで治ることはなかった。
私の怯えようにルイス王子も戸ったじになり、何とかしようとプレゼント攻撃や頻繁に私に會いにきてくれた。
私は絶が取れないのでまともに相手が出來る訳でもなく·····。
努力はしてくれているのは分かってはいたが、私が最後までルイス王子に笑顔を見せることはなかった。
ルイス王子は最後に
「アリアの誕生日に迎えにサマヌーンにくるから。その時はアリアの笑顔を見せてしい。」
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と言う言葉を殘してリンカーヌ王國へと旅立った。
それから私はあまり考えたくなくて、勉強に沒頭した。教師達は私の変わりように驚きながらも、やる気が出たと勘違いし喜んでいた。
リンカーヌ王國に皇太子妃としていかなければならないと諦めたら、恥をかかないようにやるしかないと頑張った。
ルイス王子からも頻繁に手紙もくるようになり、なるべくたわいもない事を書いては返事をしていた。
それと平行して、バーバラ姉様と、ランクス副隊長との婚約話しも進んでいた。
ある日のこと。
バーバラ姉様が私の部屋へやってきた。
「アリア、ランクスを私にちょうだい。」
「·····バーバラ姉様、ランクス副隊長はではありませんよ。」
バーバラ姉様はフンと鼻を鳴らし、
「うるさいわね。ランクスを貴の近衛隊から外して私の近衛隊にれたいのよ。」
「······」
相変わらずわがままで自分勝手な方ですわ。
「もうししたらランクスは私の婚約者になるわ。いいでしょう?」
自信満々に言ってくる。
その自信はどこから來るのでしょう?
私はため息をつき、現実を突き付けた。
「ランクス副隊長は斷っていると聞いてますが。」
私の言葉でバーバラ姉様はカチンときたのか聲が大きくなり
「うるさいわね!貴は黙ってランクスを除隊させればいいのよ!どっちせよ、貴がリンカーヌ王國に行ったら貴の近衛隊は解散になるんだから!」
確かにそうだけれど。
「でしたらそれまで待たれたらどうです?」
私がすまして言うとバーバラ姉様は顔を真っ赤にして怒り
「いいから!私はしでも一緒にいたいのよ!いくら大國の婚約者だからって、ここでは分が低い卑しい子なんだから私の言うことを聞きなさいよ!」
バーバラ姉様は言うことだけ言うと、ドスドスとレディらしからぬ歩きでバタン!とドアを閉める際にも大きな音立てて部屋から出ていった。
バーバラ姉様もする乙なのね·····。
ある意味羨ましくじた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ある日のお晝。
私は晝食を食べて、中庭にピューマを離して自由にさせていた。
ピューマはあれからまた大きくなり二メートル近くまで長していた。
大きい中庭とは言えピューマがいると狹くじるのは気のせいではないと思う。
ピューマはドーンと寢そべり日向ぼっこをしている。
ネネは紅茶の用意をしたら、用事があるからと今はそばにいない。
私は警備でそばで立っているランクスは隊長に話しかけた。
「ランクス副隊長、お座りにならない?」
「いえ、勤務中ですので。」
ランクス副隊長は恐して斷ってくる。
「いいじゃない。私が座っていいと言っているのだからお座りになって。」
だって一人では寂しくって······。
ランクス副隊長はし困った顔をしたが、すぐに笑顔になり
「分かりました。失禮します。」
と言って隣に座った。
さすがに他の者もいるので紅茶は出せないけど。
「そういえば、バーバラ姉様がこの前私の部屋に來られたわ。」
バーバラ姉様の名前を出すと、ランクス副隊長は眉を寄せた。
「なんと?」
「もうすぐランクス副隊長と婚約するから私の近衛隊を除隊させろってね。」
「·······」
ランクス副隊長の顔がムスっとしている。
そして周りを確認する作をし、私に小聲で言ってきた。
「バーバラ様には困ったものです。何回も斷っているのですが······」
やはりね······普通なら斷れない話しだろうけど、グルブルス公爵家は我が國にでは3本の指にる有力な家柄。敵に回すのは得策ではない。王家としても強行には進めれないのだと思うわ。
バーバラ姉様も諦めが悪いわね。
「アリア様なら喜んでおけするのですが。」
「ランクス副隊長·····」
ランクス副隊長は真顔になり、そっとテーブルの下から片手を握ってきた。そして····
「アリア様、私と一緒に逃げませんか?」
ランクス副隊長がとんでもないことを言ってきたので、紅茶を吹き出しそうになった。
「ラッ、ランクス副隊長!?な、何を!?」
「私はずっとアリア様をお慕いしておりました。本來なら私たちが婚約者同士だったはず······」
「ランクス······」
「アリア様がルイス殿下と一緒なって幸せになるなら諦めもつきます····ですがそれは違った。ルイス殿下はアリア様だけするのでなく複數のと·····まだアリア様と結婚した後ならまだしも、結婚する前にすでに五人も娶っているなんて!」
ドンッ!
怒りの余りかランクス副隊長は強くテーブルを叩いた。
それにより紅茶もしこぼれてしまった。
他の近衛隊の者も何事かとこちらに振り返る。
私は何でもないと手を振った。
「ランクス副隊長落ち著いて!」
「私は何とか個人的に資産もあります。どこか違う遠くの國へと行って二人で暮らしましょう!」
「·······」
「貴をしているのです!苦労はしおかけするかもしれませんが幸せに絶対にしますから!」
ランクス副隊長は今度は私の両手を取り告白をしてきた。
行きたい!行けるものなら!
何もしがらみのないところへ!
ランクス副隊長の言葉にし揺らいだ。
ランクス副隊長は真剣に考えて言ってくれている。
でも·····
「ランクス副隊長ありがとう。嬉しいわ。だけどそれは出來ないわ。」
私は首を振り、握られている手をそっと引いた。
「何故ですか?大丈夫です!きっと····」
「いいえ。きっとルイス殿下から逃れられないわ·····私一人のことではなく、私は國を····背負っているの。もし逃げたと知ったらきっとグルブルス家もサマヌーン國も只では済まされないわ。責任を取れと何を言ってくるのか分かりません。」
「アリア様·····」
「気持ちだけ頂いておくわ。ランクス副隊長、私が去った後もサマヌーン國を····國王、お兄様達と共にお願いね。」
私は溢れてくる涙をぐっと堪えながらランクス副隊長を見つめた。
その後はネネも帰ってきたのでランクス副隊長は元の持ち場へと戻っていった。
それから一週間後、除隊屆けが私の手元に屆いた。
「アリア様がこの國の為にご結婚されるのなら、私も私なりにこの國を守って行きます。」
ランクス副隊長は強い決意のもと、私のところから去った。そしてバーバラ姉様の近衛隊へ行くと思っていたが、文に転向し、宰相の補佐を希し、今は現宰相の下の元で頑張っている。元々そちらにも長けていた方だったので大丈夫でしょう。
そしてランクスは私の近衛隊から除隊して1ヶ月後にバーバラ姉様と婚約を発表したのだった。
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