《皇太子妃闘記~離縁計畫発中!~》21話 ネネの幸せを願って

ネネが実家から帰ってきたのはお晝前のことだった。

「アリア様、3日もお休み頂いて申し訳ございませんでした。」

「いいのよ。全然帰ってないのだからもっと実家に居ても良かったのに。」

「いえ!大丈夫です!」

「久しぶりの実家はどうだった?」

「相変わらず、鬱陶しい人達でした!」

ネネ·····家族を鬱陶しいって····。

私も姉様方にはそうだけどね!

「でも家族と久しぶりに過ごしたのだから良かったわね。」

「はい······それよりお晝ご飯のご用意をしますね。」

ネネがお晝ご飯の用意に部屋から出ようとしたので引き留めた。

「ネネ、ちょっと待ってちょうだい。」

「?」

ネネはキョトンとした顔でこちらに振り向く。

「こっちへきてちょうだい。」

ネネは素直に私の元へやってきた。

「アリア様、何でしょうか?」

私はひと呼吸をしてズバリの本題にった。

「ネネ、ここ最近様子がおかしいかったけどどうしたの?」

ネネは、はっとした顔になり

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「私、おかしかったですか?」

「ええ。心あらずってじでね。ずっと気になってたの。」

「······いえ、何もないですわ。そろそろリンカーヌ王國に行かないといけなくなるなあと傷に浸ってはいましたが。」

「·········違うでしょ?」

「え?」

「ネネ、貴はキース隊長にプロポーズされたのではなくて?」

「!!!」

ネネはかなり驚いた様子で一歩後退した。

「アリア様····何故それを····」

「本人から聞いたからよ。」

「あいつ·····余計なことを······」

こらこらネネさん、言葉使いが悪くなってますよ!

「アリア様!大丈夫です!斷りましたから!安心してくださいね!」

ネネは焦ったように言ってくる。

「何故斷ったの?」

「そっ、それは·····アリア様と一緒にリンカーヌ王國に行く為です!」

ネネは、私の為とはっきりと言ってれた。

嬉しい······でも!

「それは私のせいで斷ったのね。」

「え?····」

「私がずっと一緒ねと言ってしまったから、キース隊長のプロポーズを斷ったのね。私の為に····」

ネネはオロオロとし、

「そんなことはありません!自分なりに考えた結果ですから。アリア様が気を悩む必要なんてありませんから!」

「キース隊長とは別れるの?」

私の言葉でネネはをゴクリと鳴らし

「····はい。本日、キースに言うつもりです。」

ネネは聲を震わせながら言ってきた。

「今も好きなんでしょ?」

「····はい。でも別れます。彼には將來があります。結婚も引く手あまたでしょう。結婚相手はすぐに見つかると思いますし。」

ネネは私から目を逸らした。

「ネネ、貴の本心を聞かせてしいの。本當にキース隊長と別れていいの?キース隊長の事は諦めがつくの?好きなんでしょう?」

ネネはぎゅっと目を閉じて涙を流した。

「キースのことは大好きです!·····キースからプロポーズをけた時はすごく嬉しかったです。正直迷いました····」

ネネはひと呼吸して靜かに続けた。

「だけど、アリア様とキースをどちらを選べと言われたら私はアリア様を選びますわ。」

「ネネ·····」

「キースと付き合ってから約二年、アリア様との付き人になって十三年です。そんなに長い間を一緒に過ごしたのに、リンカーヌ王國にアリア様を一人で行かせることなんて私には出來ません!」

ネネ······

私もネネの言葉にして涙が浮かんできた。

ありがとうネネ。

私は自分の思いを打ち明けた。

「ネネ、嬉しいわ。私もできればずっと一緒にいたいわ。でもネネの幸せを犠牲にしてまで、リンカーヌ王國についてきてしいとは思わないわ。」

「アリア様·····」

「貴には貴の幸せを摑んでしいの。ネネには幸せになってしい·····」

お互いにしんみりになっている時に私の寢室のドアがいきなりバタンッ!と開いた。

驚いて振り向くとそこにはキース隊長がいた。

「ネネ!」

「キース!?」

ネネはキース隊長を見て固まっている。

「キース·····どうしてアリア様の部屋に····」

「それは私が呼んだからよ。」

私がネネの疑問に応えた。

「え?!アリア様が····?」

そう、私がキース隊長にネネが帰ってくる日に急遽休みを取ってもらい、朝から寢室で待機してもらっていたのだ。

「そうよ。キース隊長がどうしても、プロポーズを斷った理由が知りたいって言ってきたから。」

ネネはもう一度キース隊長の顔を見て目を逸らした。

「······キース、聞いていたなら分かるわよね······」

「······ああ。だが、そんな理由でなんて別れない。」

「キース!」

「何故相談してくれないんだ?俺達の將來のことではないか!勝手に自己解決して、人の一世一代のプロポーズを斷るなよ·····」

キース隊長はし泣きそうな顔をしている。

キース隊長って普段は「俺」って言うのね。ちょっと新鮮だわ!

「キース······」

「アリア様にネネが付いていくなら俺もいく。」

「「!?」」

そのキース隊長の言葉には私もびっくりした。

「キース隊長、リンカーヌ王國に一緒にくると言うことですか?」

キース隊長は私の方を見て笑顔になり、大きく頷いた。

「はい。私はネネの伴として行きたいと思います。」

「ええー!?」

ネネがかなり驚いている。

勿論私もだけれど!

「でも·····」

どうやって?

「騎士団は退団します。」

「「ええー!?」」

またもや驚きの連続。

「私はルーブス商會の息子ですよ?ルーブス商會の支部をリンカーヌ王國に出店すればいいんですよ。勿論、アリア様付きの近衛隊になっても構いません。ネネと一緒に居られるのならどちらでもいいんです。」

「でっ·····でもルーブス商會をするならキースは跡取りなんだから、サマヌーンに殘らないと·····」

ネネは涙をいっぱいに溜めてキースに問う。

「確かに俺は長男だが、長男が必ずしも跡を継がなければならない訳ではない。弟にでも継がせばいいさ。」

「キース······」

ネネは両手で口を隠し、うっうっ····と聲を殺して泣き始めた。

キースはネネの前まで行き、膝を付いて片手を自分のに當てた。

「ネネ·····もう一度言うよ。私と結婚してしい。一緒に幸せな家庭を築いていこう。そして二人で一緒にアリア様を守ろう!」

ネネは滝のような涙を流しながら、そっと自分の右手をキース隊長の頬に當て

「·····はい。宜しくお願いします。」

ネネは今度はキース隊長のプロポーズをけた。

「よっしゃ!」

「きゃっ!」

キース隊長は大きな聲を出して立ち上がると同時にネネを抱っこをしてくるくる回った。

ネネ良かったね!

幸せになって!

幸せそうな二人を見ながら、私は新たな決意をし、この二人共にリンカーヌ王國に連れて行くために自分のやらなければならないことを実行すると心に決めた。

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