旅は順調に進んでいた。

キースは私の側近として仕えてくれているが、リンカーヌ王國からも私専用の近衛隊が組まれていた。

その隊長を務めているのが、ランディ。見事なブルーの髪ので、瞳も青。青年だ。長もキースよりちょい上なじで長。さぞかしにモテるのでしょうね。しかもとても若いわ。ランクスと同じくらいの年齢かしら？

「アリア様、初めまして。この度、アリア様の辺警備を任されました近衛隊隊長のランディ・ホーンと申します。そちらのキース殿と一緒に頑張っていきたいと思っておりますので宜しくお願いいたします。」

優雅にお辭儀している姿には花があった。

腰もらかそうな方だわ。

「ランディ、こちらこそ宜しくお願いしますね。」

私がそう言って笑顔で対応すると、ランディーはし頬を赤く染め照れたように目線を逸らした。

「リンカーヌ王國のことが分からなければ何でも聞いてください。リンカーヌ王國はとても良い國です。早くアリア様がリンカーヌ王國に慣れて頂けたらと思います。」

ランディは私との挨拶が終わるとキースの方に向き話しかけた。

「キース殿、お久しぶりです。まさか同じように働けるとは思いもよりませんでした。」

「ああ。私も驚いているよ。」

二人は固く握手をわした。

二人とも知り合いなのかしら？

「これからは宜しくお願いします。」

「こちらこそ宜しく頼む。」

それからランディは私の方に向き軽くお辭儀をし

「それでは持ち場に戻りますので失禮いたします。」

と、去っていった。

「キースはランディと知り合いなの？」

「ええ。リンカーヌ王國の武道大會で必ずと言っていいほど対戦してましたから。」

「あら！そうなの？」

「はい。優男に見えますがかなり強いですよ。私とは五分五分か、向こうがし強いかもしれません。最年で優勝をしたこともありますから。」

え！？

優勝って凄いわ！人は見かけによらないわね！

「彼は今年で20歳だったと思います。」

あっ、ランクスと同い年だわ。

ちょっと親近湧いた私だった。

でも·····

「そんなに強い人を私に付けていいのかしら······」

ちょっと疑問に思った。

するとキースはその訳を教えてくれた。

「アリア様だからだと思いますよ。」

「私だから？」

「はい。アリア様は大國のリンカーヌ王國の皇太子妃になるお方と同時に白銀の髪をされています。」

·····なるほど。拐とかに合いやすいのね。

「アリア様のような白銀の髪を持たれている方はこの大陸の中でもアリア様で四人です。そのの二人はリンカーヌ王國にある教會とゼブラルオーイ國の教會におられるます。そしてアリア様のお母様であるマリアンヌ様。そんな貴重な人を守る為にはかなり剣に長けた強い者を付けるのは當然と言えますね。特にリンカーヌ王國は各國からんな人々がやってきますから。」

「そうね·····確かに。」

サマヌーンは辺鄙な所にある國なのでほぼ貿易はリンカーヌ王國のみ。他の國ともしているけどそこまでの流はない。危険もそんなになかったのでのほほんと暮らしていたけど、これからは自分自も気を付けないといけないのね。

やっていけるかしら·····。

私が不安に思っている中、そこまで黙って聞いていたネネの一言。

「ところでランディ様って人とか婚約者とかいるかしら？」

ネネ·····今はそんなどうでもいい事を聞くところではないわよ····

キースも呆れたような顔をしていた。

「·····人とか婚約者とかの関係は分からないが、ランディ殿は公爵家出で次男だそうだ。」

それを聞いたネネは目を輝かせて

「まあ！凄くお買い得件じゃないですか！」

ネネさん····貴は人妻になったのよ·····

「剣も強いのならも鍛えてらっしゃるわよね！ああ·····一度でいいからの筋を見せてくれないかしら·····」

手を合わせて、目をうっとりとさせて言うネネ。

相変わらずネネの基準は筋なのね。

あっ！キースが不機嫌になったわ！

知らないーと！

私は自分の膝の上に置いてある籠の中いるシャルに話しかけた。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

魔はちょくちょくと出沒したけれど、あっという間に護衛の人達やピューマが瞬殺していた。

無事にリンカーヌ王國に國したが、ピューマの事でひと騒があった。ピューマはすでにになっており、三メートルを越すほど長していた。

それを見た門番が大騒ぎしたのだ。

ランディが何とか宥めて國が出來たのだ。

そりゃあ、いきなり三メートル越えの獣がきたら驚くわよね。

でも一応、首とリードは付けていたのだけれど。お飾り程度だけどね。

ピューマは行く先々で初めて見る獣に住民に驚かれ、恐怖で喚かれて、かなり傷ついたじだった。

王城に著いたら目一杯甘やかしてあげないとね！

王都に著く前にもうすぐ到著する旨を早馬で知らせた。

道の整備をするため、明日王都にるようにと手紙が屆いた。

今日は野宿ね。

リンカーヌ王國に國してからはあまり宿に泊まっていない。

ピューマがいるからだ。ピューマと一緒に泊まれるところが極端になかったのもあるが、宿側が嫌がったのだ。

ランディ達の護衛は申し訳なさそうにしていたが、私は構わなかった。ピューマのお腹を枕にして寢るのは好きだし、安心できるから。唯一きつかったのはお風呂にれなかったことぐらいね。

王城に著いたらまずはお風呂にらせてもらいましょう！

今日もピューマのお腹を思う存分にもふり、ふかふかのに包まれて夜を過ごした。

次の日。

王都の門のところまできて、私は馬車をおりピューマの背中に乗った。

ピューマは私の可い相棒であること、ピューマは無害だよと國民に知ってもらう為にである。

ランディには反対されたけど強行！

これからはこの王都に住むことになる。しでもピューマが自由に····過ごし易くするためにやるのだ。

私はピューマの背中をげるようにとドレスではなく、ブラウスにズボン····ズボンはスラッとしたではなく、ふわっとして足首できゅっとしまってるデザインのを履いた。

髪のもネネにポニーテールにしてもらい、一見お姫様には見えないスタイリッシュな風貌でピューマにがっている。

私の周りにはキースは勿論、ランディも囲むように歩く。

ギィギィギィと問が開いた。

開いたとたんに沢山の國民がいるのが見えた。

道はちゃんと確保されており、ロープも引かれて警備員も一メートル置きくらいに並んでいる。

私はリードを摑み、ピューマに話しかける。

「さあ、前のお馬さんの後をついて歩いて。」

ピューマはのっそりと歩きだした。

歓聲は聞こえない。皆、ピューマを見て驚いているじだった。

「あ、あれがサマヌーンから來たお姫様かい？白銀の髪のをしてる！」

「な、何で獣の上に乗っているんだ？」

「あの獣は黒ヒョウじゃあねぇか！初めて見た。かなり兇暴と聞いてるが大丈夫なのか？」

國民の噂話が聞こえる。

私は笑顔を作り、周りに手を振った。

その瞬間、大歓聲が起こった。

「「「「アリア様ー！」」」」

「「「「白銀の姫様ばんざーい！」」」」

私はひたすらその聲援に応える為に笑顔を絶さず手を振り続けた。

國民は私を見る為なのか前に出ようとしお互いにぎゅうぎゅうに押し合っている。

「こら！前に出てくるな！押すな！」

警備員は一生懸命に前に出ようとしたいる國民を抑えている。

警備の方、ご苦労様です！

そんな時に小さな男の子が大人に押されてこちら側に跳ね出された。

「ああーん！」

小さな男の子がこけて泣いている。

警備員は國民を抑えるのに必死で子供どころではない。

私はピューマに止まって屈むように言った。

私が急に止まったのでキースやランディは何事かとこちらを見たが、そんなことは無視してピューマから降り、その男の子の元へと向かった。

そして泣いている男の子の抱き上げた。

隣いた警備員は驚いて

「お姫様！平民の子です！服が汚れてしまいますので····」

「大丈夫よ。」

私は警備員の言葉を遮り言った。

「それに平民とかは関係ないわ。そんないい方はよろしくなくてよ。國民あってこそこの國があるのです。國民無くして國の繁栄や維持は出來ませんわ。特に子供は將來このリンカーヌ王國を盛り立ててくれる大切な國民の一人よ。」

私はそう言うと子供に話しかけた。

「大丈夫？」

「うん。」

男の子はもう泣いてはいなかった。でも足にり傷がありが出ていた。

「マルク！」

この子のお母さんらしいが名前を呼んだ。私はそのの元へ行き男の子を渡した。

「申し訳ありません！申し訳ありません！」

泣きながらひたすら謝る。

「何故謝るの？」

私が聞くとは

「行く手を妨害してしまいました！処罰は私がけますから子供は勘弁してやってください！」

ペコペコと男の子を抱っこしたままする。

「そんなことどうでもいいのよ。それよりもその子足をケガをしているわ、ちゃんと手當てをしてあげてね。」

私がそういうとや周りの人達はポカーンと口を開けて私を見ている。

「い、いいのですか····罰は」

「そんなことしないわよ。ランディ！」

私はランディを呼んだ。すぐにランディは私の元へやってきた。

「これは処罰対象なの？」

「はい。妨害罪になり最低３日間の鞭打ちになります。」

は？こんなことで？

「····そう。では処罰はなしで。」

「え？」

「私が罪は問わず、処罰はなしと言っているのです。よろしいですね。」

私が強めに言葉を発すると、ランディはお辭儀をして了承した。

「仰せのままに。王族の服を汚しても罪になりますが····」

「これは自分で汚したのです。」

「意」

そして私は國民に笑顔を振り撒きながらピューマの元へと向かった。國民の歓聲がまた上がる。

後ろからはの聲が聞こえた。

「ありがとうございます！ありがとうございます！」

うん！どういたしまして！

私は心で呟いた。

そしてまた王城に著くまで、國民の歓聲に私はひたすら笑顔を振り撒き手を振った。

王城に著き、ピューマはキースに任せ、服裝を整えてから國王やルイス王子に會うこととなった。

私は急いでお風呂にり、ルイス王子が用意したピンクのドレスを著た。

そして今、國王に謁見するために謁見の間のドアの前にいる。

私は一呼吸をし、目の前のドアが開く。

いざ出陣！