《皇太子妃闘記~離縁計畫発中!~》38話 ランクス①
前書き
今回はランクス視點です。
本文
 「私わたくし、アリア・サマヌーンはアリア・リンカーヌとなり、ルイス・リンカーヌをし共にリンカーヌ王國に盡くすことを誓います。」
私達の目の前で純白のドレスにを包みしいが違う男との共に生きる誓いをたている。
「ランクス······アリアは他の誰よりも綺麗なだな·····」
本當に·····。
その言葉を私にかけてきたのは、我が國、サマヌーン國の皇太子であられるギルバート様だ。
私の名前はランクス・グルブルス。グルブルス公爵家の嫡子である。目の前の花嫁であるアリア様の元近衛隊副隊長を勤めてきたが、今は騎士団を退団し、文へと転屬し宰相という立場になっている。いや、まだ正式には宰相に任命はされていないので、ガライ宰相の代理としてアリア様の結婚式に參列をしている。
アリア様······。本來なら貴の隣には私が立っていたはず。
アリア様がお産まれになられたのは私が六才の時。
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サマヌーン國の姫の大は貴族と婚約し降家されることが多かった。グルブルス家は、サマヌーン國でもかなりの有力な貴族だった。グルブルス家ではもう何代と王族と婚姻を結ぶことはなかった。無くても権力はあったからだ。それに王族より、地を固める為に他國の貴族との婚姻を結び、権力を確固たるものにしようとした。
この度もそうするつもりだったのだが、ある日サマヌーン國のメンデル國王に言われたのだ。
「お主の息子とうちの娘の誰かと結婚をさせよう」
父も國王に言われたら斷れない。
「了承しました。」
だが父はある條件を出した。メンデル陛下には既に二人の姫、カトリーヌ様とバーバラ様がいたが、父はその二人を嫌がったのだ。二人の姫は當時からかなり我が儘で周りを困らせていたからだ。
父はヘンデル陛下の側妃である白銀の髪のをしているマリアンヌ様にの子が産まれたら婚約させるという條件を出したのだ。マリアンヌ様は平民出で分も低かったが、父には関係なかった。他に見ない稀な綺麗な容姿をして心優しいマリアンヌ様の子ならきっと可いくて優しい子が産まれるだろうと踏んだのだ。見事に父の予想は的中した。マリアンヌ様の白銀の髪で容姿もけ継いでいたのだ。
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アリア様は産まれた瞬間から私の婚約者だった。
だが、私が9才、アリア様が3才の時に急変した。今、アリア様の隣いるリンカーヌ王國の皇太子ルイス殿下がアリア様に求婚したのだ。リンカーヌ王國は大國、皇太子に求婚されたら斷れるわけでもなく·······私とアリア様の婚約は白紙になった。
私は落ち込んだ。私はアリア様に夢中だった。周りにはアリア様との婚約は周知だったが、アリア様が五才になった時には婚約を正式に発表する予定だった。
ヘンデル陛下はカトリーヌ様かバーバラ様のどちらかを私の花嫁にどうかと言われたが斷った。
當たり前だ。アリア様を散々いじめていた人なんかと結婚する訳がない。
婚約が白紙になってもアリア様のそばにいたくて騎士団に団し、父の権力と父の親友でもある近衛隊総隊長のナカルディア様のコネで、アリア様専屬の近衛隊に配屬された。
すごい幸せだった。
葉わぬだったから一時期は腐って遊びもした。
アリア様が12才の時にリンカーヌ王國へルイス殿下に緒で行くことになり、道中も盜賊に拐われたりと々あったが楽しかった。
その際にルイス殿下の裏切りが分かった時は、ルイス殿下と婚約破棄をし、私と共に人生を歩んでくれるのではないかと思ったが·······。
本人の意思とは裏腹に、周りはそれを許してくれなかった。
私はアリア様と逃げる決意をした。そのことをアリア様に申し上げたが····拒否された。
『私は國の為に嫁ぐ』と······。
私は頭にガツーンッ!ときた。アリア様の顔は真剣で決意は固いと悟り諦めた。
そして私は新たな決意をした。サマヌーン國を為に「宰相」になり、サマヌーン國を強くかな國にすることを。
その為には権力が必要とじ、前から斷っても斷っても、結婚の申し込みがきていたバーバラ様と婚約することを決めた。
だがそれは間違いだった。
一年ぶりに見たアリア様は凄く綺麗になられていた。
心が······心が踴った。
會わなかった一年間で心の整理がついたと思っていたのに、いざアリア様と會ったらまだ好きなのだと再認識をした。
今、そのアリア様はルイス殿下と婚禮を挙げている。本來なら私がアリア様の隣に立っていたはずなのに。が苦しくなる。
その日の夜は、アリア様の純潔がルイス殿下のになると思うとなかなか寢れなかった。
次の日の舞踏會の時にアリア様とルイス殿下に祝辭の述べる貴賓客たち。ルイス殿下の側妃たちの國の貴賓方々を見ていると、アリア様を舐めるような目線を送ったり、アリア様をほぼ無視してルイス殿下ばかりに話しかけている輩ばかりだった。
それでもアリア様は笑顔で対応している。
遠くからだがそんな景を見ていると
アリア様は幸せになるれるのか·····。
と頭によぎった。
いくら國の為にとは言え、アリア様が皇太子妃なってまでも侮蔑されるのは堪えられない。
「ランクス、険しい顔になっているぞ。」
ギルバート様に言われて、我に返った。
「そうですか。申し訳ございません。」
私は素直に謝った。
私達も祝辭を述べた。まだお話をしたかったが、後ろにはまだまだ貴族たちが祝辭を述べる為に待っていたので斷念をした。
しばらくすると調が悪いからとアリア様が席を立って會場から退出された。
アリア様がいないなら、こんなところに居ても仕方がないので私も退出する為にギルバート様にお伺いをたてた。
「ギルバート様、私の用は終わりました。もう席を外してもよろしいでしょうか?」
「そうだな·····あとは何とでもなるな。いいだろう。」
ギルバート様の了承を得たのでお辭儀をして會場を後にした。
昨日はキース殿にわれて久しぶりにピューマの散歩に付き合った。他國の私が行ってもいいのかと思ったが、ルイス殿下に許可を貰ったというので気分転換に行くことにしたのだ。ピューマも元気そうでよかった。アリア様にここ2日ほど會えなくてし寂しそうにしていたが。
その際に、また散歩にわれていたので今日も気分転換しようとピューマの元にまでやってきた。
するとその場所にアリア様がいたのだ!
アリア様の姿を見た途端に心臓の鼓が早くなったのが分かった。
「ランクス!」
「アリア様。」
それから私はアリア様の隣に座ることの許可を得て座った。
その時までそばにいた侍のネネとキースが、ピューマの散歩に出掛けた。
私とアリア様と二人きりになった。
だから····バーバラ様と婚約したことを後悔していると告白した。
獨のままでもいいと。
アリア様はそれはダメと私は重要で優秀な人だからと力説してくれた。
·····ああ····貴が私の妻だったらいいのに·····私の妻になる筈だったのに。
可くて綺麗で、自分のことより他人の幸せを考えるアリア様がしくて······
今まで隠して、我慢してきた気持ちが一気に溢れだし私は思わずアリア様にキスをしていた。
アリア様は驚いて固まっていたが、我に返って、私を押し退けた。
「ランクス!どうしたの!?急にこんなことをして!」
アリア様は困した目で私を見る。戸いがじられる。
私とのキスはそんなに嫌だったのですか?
そんなときに私の首筋にスッと剣をかざした者がいた。
剣の先から視線を辿っていくと、その人は今のアリア様の近衛隊隊長ランディ殿だった。
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