《先輩はわがまま》13

「いくら次郎君でも、それは譲れないよ」

「俺もこれだけは譲れないです」

俺と先輩は現在、神妙な面持ちで向かい合い対立している。

「先輩はいっつもそうじゃないですか!」

「いっつもって何よ! 次郎君もでしょ! 変なとこは頑固なんだから」

何故こんな事になってしまったのか、それは數分ほど前に遡る。

俺はパソコンで、新作ゲームの宣伝用PVを見ていた。

大人気RPGの最新昨のPVと言うことで、俺は大きな期待をしていた。

「何見てるの?」

「アレですよ、アレの最新作のPVですよ。あと、さり気なく俺の背中にを押しつけるのはやめて下さい」

「買うの?」

「離れてもらえます? 買いますね」

俺は離れない、先輩を無理矢理押しのけながら、畫の続きを見る。

発売は來月の12月らしい、年末年始はコレをやって過ごそうかな?

なんて事を考えていると、突然先輩は俺からマウスを奪い、別な畫を再生し始める。

「何見るんですか?」

「ん、私もしいゲームのPV……おぉ、始まった始まった」

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「げ! こ、コレって……」

そのゲームのPVに、俺は顔を歪める。

それは、以前に先輩とプレイした事がある、ホラーアクションゲームの続編。

容は裏に開発されていた、人を化けに変えてしまう薬品が外にれてしまい、バイオハザードが起こってしまった世界を舞臺に、主人公がその事件の解決にむと言う語だ。

俺は先輩にわれて……というか無理矢理一緒にプレイさせられたのだが、このゲーム相當恐い。

俺はあまりホラーゲームを好まない、正直言ってホラー自あまり好きでは無い、むしろ嫌いだ。

それを知ってか、先輩は夏になると必ず、俺の部屋でホラー系の映畫を見せて來る。

その時の俺は、けない事に耳と視界の両方を閉じ、ただ映畫が終わるのを待っていた。

ましてやゲームとなると、脅かし要素などが出てくる。

前にプレイした時は、俺はビックリしすぎてまともに戦えなかった。

そんなけない俺を先輩は隣で笑いながら見ていた。

「か、買うんですか?」

俺は畫を見ないようにし、耳を塞いでいた。

丁度畫が終わったのだろう、先輩が再びマウスをかした事に気がつき、俺は先輩に尋ねる。

「うん、買う! 一緒にやろ!」

「絶対嫌です!!」

「えーなんでよ~!」

「先輩、俺が恐いのダメなの知ってるでしょ? 勘弁して下さいよ……」

「だから、言ってるんじゃない? 純粋にしい気持ちが四割だとしたら、殘りは次郎君の怖がるところが見たいからだよ?」

「半分以上の目的が、俺に対する嫌がらせなんすか……良いですか! 買っても一人でやって下さいよ! 俺はこっちやるので!」

「なんでよ、良いじゃ無い! また私にくっついてプレイすれば」

「それが嫌なんです!」

こんな話しの流れで、新し買うゲームを一緒にやるかやらないかで、ちょっとした喧嘩になってしまった。

話しは現在に戻り、俺と先輩は機を挾んで睨み合っていた。

「良いじゃん、前も結局最後までやったんだから」

「あの後何回か夢に見たんすよ……けない話しですけど……」

「今回は一緒に寢てあげるから」

「そう言う事じゃ無いんですよ! それに、俺はさっき言ってたあのゲームをするので、先輩は一人でやって下さい!」

「良いじゃ無い、しくらい!」

「嫌です! いくら先輩でもこれだけは本當に嫌なんです!」

「先っぽだけで良いから!」

「やめろ! 先っぽとか言うな!! その表現は々危ないです!」

「知ってるわよ、狙ったの」

「もっと厄介だわ!」

同棲を初めて一週間と半分、ここまでめるのは初めてだ。

そうはいってもまだ二週間も経って居ないのだが……。

「言うこと聞かないと、出て行っちゃうんだから!」

「どうぞ? そろそろ自分のマンションに帰ったらどうですか?」

「う~……次郎君の馬鹿ぁぁ!!」

「ぐはっ! クッションを投げないで下さい!」

先輩はそのまま部屋を飛び出して行った。

いつの間にかフルメイクを済ませて……いつしたんだよ……。

どうせししたら帰って來るだろうと思い、俺は後を追いかけずそのまま部屋で待った。

「全く……先輩のわがままに付き合ってばかりもいられないからな…」

俺はそれから先輩が帰って來るのを待ち、家事を済ませる。

そして、家事をしていて気がついた。

先輩居ないと、メチャクチャ早く家事が終わる……。

「やること無くなったな……」

暇になり、俺はとりあえずスマホを弄る。

もちろん先輩からの連絡なんて無い。

良い機會だし、し反省してもらおう。

俺はそう思い先輩が戻ってくるまで、一切連絡を取らなかった。

そして、あっという間に夕方になった。

「……長いな……」

なかなか先輩が帰ってこないので、流石にちょっと気になってきた。

別に心配してる訳じゃ無い、ただ遅い時間のの一人歩きは、々と危険だと思っただけで、別に先輩を心配している訳ではない。

「全く……仕方ない……」

俺は立ち上がり、外出の準備を済ませて部屋を出る。

別に先輩が気になって探しに行く訳では無い、ただちょっとコンビニに行くだけだ。

「全く……なんで俺が……」

俺は歩いてコンビニに向かっていた。

これまでに三件のコンビニを通過したが、決して先輩のマンションに向かっている訳では無い。

ただ、先輩のマンションの近くのコンビニのラインナップが良いから、そこに行くだけだ。

「まぁ、し見ていくだけなら……」

俺はコンビニで抹茶プリンと飲みを購し、先輩のアパートに向かう。

ちなみに抹茶プリンは先輩の好だが、それは今は関係無い、俺が食べたかっただけだ。

決して先輩の機嫌を取ろうとか、そう言う目的ではない。

「相変わらず良いマンションだなぁ………」

先輩の住んでいるマンションは、俺のボロアパートと違って、オートロックにIHヒーターが常備された、お高いマンションに住んでいる。

何度か來た事はあるが、住んでいる人もなんだか裕福そうな人ばかりだった。

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