學式の後は大変だった。

々なサークルの勧をけ、校門を出るのにかなり時間が掛かった。

大學は高校なんかと違って、友人を作るのも大変そうだ。

やっぱりサークルなんかにって、その中で友達を作りたい。

しかしながら、どのサークルが良いかなんて、俺にはわからない。

とりあえずビラを大量に貰っては來たが、正直書いている容に大差は無い。

「明るく楽しい！」だの「みんな仲良し」だのと楽しげなフレーズがそこには々と書いてあった。

「はぁ～どうすっかな～」

まぁ、まだ學したばっかりだし、そこまで不安になる心配も無いかな？

別にコミュ障という訳でもないが、そこまで積極的に話し掛けに行くタイプでも無い俺は、とりあえずは大學生活と一人暮らしに慣れるようにしようと決めた。

想像通り、友人なんてものは直ぐ出來た。

まぁ、運も良かったのかも知れない。

偶々、校で教室の場所を聞かれ、俺と行く教室が同じだったから、流れで一緒に行き仲良くなった。

友人が出來ると、後は連鎖的に友人は自然に増えていった。

最初に出來た友人は、俺と違ってまさに大學生と言ったじだった。

髪は茶髪に、耳にはピアス。

顔立ちも整っていて、そのうえ中々に格が良いと來た。

そんな友人の安岡博男(やすおかひろお)と、俺はなんだかんだで大學では一緒に居る事がほとんどになった。

「んで、次郎はサークル何所るか決めたの？」

「んあ？　まだだけど」

食堂で飯を食いながら、俺と博男はサークルの話しをしていた。

るらない自由だが、勉強だけのキャンパスライフと言うのもつまらない。

「そう言う、博男は勧されまくりだろ？　イケメンだし、イケメンだし……あぁ、死ねば良い」

「出會って間もないのに、そこまで言うか？　まぁ、でも確かにコンパだけでもって言われたとこは多いな～」

「ほらな」

「でも、お前も込みでって言われたとこも多かったぞ？」

「は？　なんでだよ？」

「お前もそれなりの顔って事だろ？」

「いやいや博男さん、冗談でも笑え無いっす」

そんな話しをしながら、二人揃って晝食を食べていると一人のが俺と博男の席にやってきた。

は恐らく俺たちよりも年上だろう、髪は茶で化粧はバッチリ、おまけに結構な人ときたら、食堂の人間の視線は自然と彼に向く。

「ねぇ、そこのホモのお二人さん」

「開口一番から失禮ですね……」

「次郎、知り合いか？」

「こんな口の悪い人と知り合った記憶は無い」

第一聲から失禮な人だ。

正直第一印象はあまり好ましくない。

こんな人が一俺たちに何の用だろうか？

「あはは、ごめんごめん。私は三年の片岡優(かたおかゆう)よ。君たち勧に來たのよ」

「はぁ……勧ってサークルですか？」

「そうよ！　喜べこのホモ共！　お前らはこの大學でも一番人気のサークル、溫泉

サークルの會が認められた選ばれた人間だぁ！」

「博男、食い終わったなら早くこの人から離れよう、危ない人だ」

「だな」

「あ！　ちょっと待ってよ！　先輩の話は最後まで聞きなさい！」

「初対面の相手をいきなりホモ扱いしてくる先輩とは、仲良く出來そうにありません」

「同意」

そう言って、俺と博男は先輩から逃げるように次の授業の教室に向かった。

「お、覚えてなさいよぉぉ！」

後ろでそうぶ先輩に、俺は思わず悪役かよと思ってしまった。

「なんだったんだろうな？」

「さぁ？　んなことより、早く行こうぜ」

俺たちは次の授業に向かった。

その授業には、他の友人もちらほら居たので、話しの種に食堂での出來事を話した。

「はぁ？！　溫泉サークル！　お前らのとこに！？」

「あぁ、なんか変な先輩だった」

「だよなぁ～、次郎の言うとおり変な人だったわ」

「いやいや！　お前ら、なんでらないんだよ！」

「「は？」」

友人の言葉に、俺と博男は思わず間抜けな聲を出す。

友人は友人で、なんだか興しながら説明を始めた。

「良いか！　溫泉サークルって言えば、この學校のが多く會していると言われるサークルなんだぞ！　しかも、男の方もかなりのイケメンしか會を許されないんだ！　その勧をお前らは……なんてもったいない！」

そうは言われても、俺と博男はそんなサークルに興味は無い。

正直普通にサークル活が出來ればそれで良い。

「そうは言ってもなぁ～、博男は興味あるか？」

「うーん、溫泉なら好きだな」

「まぁ、俺もそうだな」

「でも、あんな変人っぽい先輩の居るサークルは遠慮したい」

「同」

俺と博男は、そんな話し授業中も続けていた。

溫泉自は俺も博男も好きだが、開口一番で人をホモ扱いしてくるような人とは、サークル活をしたくない。

今後はあの人を見かけても逃げるようにしよう。

そう話しながら、教室を出て帰宅しようとしていた時だった。

「確保！」

「「了解！！」」

校を歩いていた、俺と博男を四人の男が襲った。

「な、なんだぁ！？」

「いて！　おい！　離せ！！」

俺と博男は、袋にれられそのままどこかに運ばれた。

男の風貌は普通の學生だったので、別に何か犯罪的なでは無いだろうと思っていたのだが、それでも急に拉致られたのだ、普通に恐い。

數分後、俺と博男はどこかの部屋に連れてこられた。

そして、そこには晝間のあの可笑しな先輩、片岡優先輩がパイプ椅子に座って腕を組んでいた。

「晝間は良くも逃げてくれたわね～」

「だからってここまでします？」

「本當だよ……」

俺と博男が呆れて居る中、俺と博男をここまで連れて來た男四人は、笑いながら俺たちを見ていた。

「諦めな、新生。片岡に目を付けられたら最後、地獄のそこまで追いかけてくるぞ？」

「そうよ、諦めてサークルにる事をお勧めするわ。悪いようにはしないし」

「にしても、どっちも可いわね～、お姉さんと混浴しない？」

「やめろアホ」

恐らく全員サークルのメンバーなのだろう、確かに三人はイケメンになのだが、最後の人は何というか……俺と同じく普通なじの人だった。

「君、今俺の事だけこの中で浮いてるって思ったろ？」

この人はエスパーか？！

「い、いえ…そんな事は……」

「わかってるんだよぉ！！　俺は、こいつらと一緒に居なければ、普通の大學生なんだ！　なのに……なのに！！　こいつらみたいな無駄にイケメン、無駄にな奴らと一緒に居るから浮くんだよ！　俺だって知ってるよ！　自分がイケメンじゃないって！　でも、やめろよ！　そのなんでお前はここに居るの？　見たいな不思議な視線！！」

普通の先輩も々と大変なようだ。

後で、ちゃんと謝ろう……。