「そんな話し今はどうでも良いのよ、とにかくあんたら二人は私のサークルにるの！　決定！」

「いやいや、そんな強引に……」

「そうっすよ先輩、俺らはまだるなんて一言も言ってないっす」

強引に會させようとする片岡先輩に、俺達は口をそろえて斷ろうとする。

こんな事をするサークルが、まともな訳がない。

「片岡、強引なのはどうかと思うぞ？」

「そうよねぇ～、流石にこんな事しても、この子達らないでしょ？」

「そうですよ、はぁ～片岡先輩はなんでこうも考え無しなんだか……」

片岡先輩以外の先輩方も俺達の意見に同意してくれている。

どうやら、おかしいのはサークルでは無く、片岡と言う先輩だけのようだ……。

「あの、じゃあ俺ら帰っても良いっすか？」

そう言ったのは博男だった。

確かに、この雰囲気ならここから帰れそうだ。

しかし、片岡先輩もそう簡単に帰してはくれない。

「ま、待ちなさい！　じゃ、じゃあ仕方ないわ！　ここは、私と一回混浴で……」

「「さようなら」」

「ちょっと！　私がを張ろうって言ってるのに、その態度は何なのよ！　フシャー！」

「片岡先輩！　落ち著いて下さい！　先輩が変な事を言うからですよ！」

「じゃあ、お姉さんも一緒でどう？」

「由島(ゆしま)先輩も馬鹿な事を言わないで下さい！」

「なら……俺も……」

「関口(せきぐち)先輩まで何言ってるんですか！　俺とアンタは男でしょ！」

先輩のボケに、先ほどの普通の先輩がツッコミをれる。

なるほど、このサークルでまともな人はあの人だけのようだ。

しかも、この人だけ他の先輩達を呼び捨てじゃないって事は、この人は二年生か？

などとを思いながら、帰れずにいると、突然部屋のドアが開いた。

「騒がしいわね、どうかしたの？」

「おぉぉ！　良いところに來たわねミーちゃん！！」

ってきた人は、長いロングヘヤーの綺麗なだった。

綺麗。まさにその一言が似合うだと、俺はこのとき思った。

整った顔立ちに、ほっそりして長い手足。

この場に居るのレベルは凄く高いが、この人はその中でも飛び抜けている気がした。

「その呼び方はやめて下さい。貓の名前みたいで嫌なんです」

「まぁまぁ、そう言わないでよ～子ちゃん」

片岡先輩は、その綺麗なをそう呼んだ。

恐らく名前だろう。

どこかで見た事あるような気がすると、俺は思いながら、その子先輩の顔をどこで見たのか思い出そうとする。

すると、隣の博男が子先輩に言った。

「あ！　確かこの人って去年のミス涼清」

「博男、知ってるのか？」

「あぁ、學校説明會で貰ったパンフレットに載ってた」

そうだ、確かにパンフレットに載っていた。

それで俺は、この人を見たことがあったのだ。

確かに、そこら辺のアイドルや優よりも可いのではないかと思ってしまうほどの貌だ、ミスコンで優勝していてもおかしくない。

「この子達は？」

「ふっふっふ……紹介しよう！　會希者だ！」

「「違います」」

本當にこの片岡と言う先輩は人の話を聞いているのか？

そろそろ本當に帰りたくなってきた俺と博男。

「あら、貴方たち本當にらないの？　うちのサークル、會希者多くて、毎年大変で、毎年部長が決めた人だけって事になったのよ。だから、結構レアよ？」

「結構ですよ。自分のるサークルは自分で決めます」

「だよな？　俺もこいつと同意見っす。人な先輩方」

「お前はナチュラルに人とか良く言えるよな……」

「そうか？」

俺が博男のそんな、恥ずかしげの無いところに心を抱いていると、またしても片岡先輩が騒ぎ出す。

「あぁぁ！　もう！　だってあんたらくらいしか居ないのよ！　子をエロい目で見なくて、一緒に溫泉に行っても問題起こさなそうな新生って！」

「會希者の面接したら、大変でしたもんね……」

「そうよね～、男のほうはみ～んな子ちゃんとお近づきになりたい一心ってじだったし～」

「逆に子は、関口さん狙いのの子が來てましたもんね……」

面接なんて事もやるのか……本當に希者は多いんだな……。

まぁ、確かに見た目の良い人が多いしな……中は変だけど……。

「もう良いじゃ無い！　どうせるサークル決めてないんでしょ？」

「まぁ……そうですけど……」

「だったら良いじゃ無い！　うちは楽しいわよ～、溫泉旅行行ったり、その辺のスーパー銭湯行ったり」

「そんなん言われてもなぁ～」

「何よ！　こんなに囲まれたサークルの何が不満ってわけ！」

「先輩、多分人は自分を人と言いません……」

確かに普通に勧されて居たら、ったかもしれな。

しかし、初対面の人間にいきなりホモ野郎と言ってくる人が部長のサークルだ。

正直不安しかじない。

「はぁ……しょうがねぇ……俺は良いですよ」

「はぁ？！　急にどうしたんだよ、博男！」

「いや、なんか良いかなって。これだけ必死に勧してくれてるし……」

「お前なぁ……」

「それに、風呂にれるのは良いじゃん」

「まぁ、確かに溫泉ってとこは良いと思うが……」

まさかの事態だ、味方だと思っていた博男がその気になってしまった。

まぁ、確かにるサークルが決まっている訳では無いが……。

「でも、俺らをホモ呼ばわりした人が部長だぞ？　それに拉致して連れてきたり、々と問題ありそうだろ……」

「う～ん、でもなんか悪い人達ってじしなくね？」

「ま、まぁ確かに……どっちかって言うと……」

変人。

そう言おうとしたが、俺は咄嗟のところで言葉を飲み込む。

しかし、し話した位でどんな人かを判斷なんて出來ないしな……。

お試しでって、ダメなら抜けさせてもらうか…。

俺はそう考え、博男と共にこの溫泉サークルにった。

このときの片岡先輩は本當に嬉しそうな顔だった。

「じゃあ、お禮に私と混浴を……」

「「それは結構です」」

「あんたら……まさか本當にホモ……」

「取り消しますよ、會の件」