《先輩はわがまま》26

結局、俺と博男は先輩達の強引な押しに負け、溫泉サークルに會した。

最初は不安だったが、中々に活はしっかりしていた。

溫泉に泊まりで行くのはもちろんの事、近くのスーパー銭湯に行ったり、溫泉の効能を調べたり。

以外とちゃんとしていた。

そんなある日の事だった。

生の歓迎會と言うことで、先輩達が飲み方を開いてくれた。

もちろん俺と博男は未年なので飲めない。

「じゃあ、カンパーイ!」

「「「カンパーイ」」」

場所は駅前の居酒チェーン店。

メンバーは三年生の先輩が三人に、二年生の先輩が四人、そして俺と博男に他の一年のの子が一人だ。

「いやぁ~、我が部も大きくなってきたね~」

「大きくしようと思えば、いくらでも大きく出來ますよ……」

二十歳を越えた先輩達は、飲み放題のお酒をバンバン注文し、先ほどから飲みまくっている。

そんな中、俺たち一年組は他の先輩達に話しを聞いていた。

「災難だったな、片岡は一度言いだしたら聞かないなんだ」

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「まぁ、何となくそれはわかりました……えっと、関口先輩はなんでこのサークルに?」

三年の関口先輩は、イケメンで優しい人だった。

博男のように髪を染めたり、ピアスを開けたりしていない、黒髪で背の高いクールな人なのだが……時々天然なのだ。

「俺と由島は馴染みでな、あいつがるって言うんで、一緒にってわれたんだ」

「そうなんですか。あ、もしかして由島先輩と関口先輩って……」

「あぁ、付き合ってるよ」

同じく三年の由島先輩は、一言で言うとセクシーなお姉さんだ。

が大きく、それなのに型は細で、ウェーブが掛かったショートボブの髪型で、大人っぽい魅力のある先輩だ。

確かに、いつも二人揃って帰るし、仲が良い。

付き合っていると言われても納得だ。

「あの、付き合ってどのくらいなんですか?」

「あぁ、中三からだから……もう六年以上かな?」

「長いですね」

「ま、お互いにずっと一緒だったし……今更離れられないっていうか……」

そんな話しをしていると、話しを聞きつけたのか、酔っ払った由島先輩が関口先輩に絡んできた。

「ゆーちゃ~ん……この後ホテル行こ~」

「飲み過ぎだぞ、後輩の前でみっともないぞ」

「うわーん、ゆーちゃんがめたー」

「あぁ、完全に出來上がってるな……すまん、俺はこいつの相手をしてるわ」

「あ、いえ。お気になさらず」

関口先輩はそう言って、由島先輩の相手を始めた。

か……正直言うとあんまりしいとは思わないな……。

そりゃあ、可の子と出かけたり、一緒にご飯食べたりとかは楽しそうだが、別にそこまで彼しいとも思わない。

俺がそんな事を考えていると、博男が一緒に會した新生のの子の村田さんと話しをしているのが聞こえてきた。

「村田って、どこ住んでるの?」

「私は、大學の近くのアパートに……」

「へぇー良いなぁ~……俺なんて大學から結構離れたとこのアパートだからさー」

村田さんは小柄な可らしいだ。

由島先輩をセクシーな大人のとするなら、村田は可い系のだ。

なにやら良い雰囲気の二人。

邪魔をするのもなんだか嫌なので、俺じゃトイレに向かった。

「はぁ……まぁ、今のところは普通か……」

などと獨り言を言いながらトイレを出ると、そこでバッタリあの先輩に會ってしまった。

「あ……えっと、間宮先輩」

「あら、確か……岬君よね?」

「あ、はいそうです」

「大學は慣れた?」

「まぁ、ぼちぼちですね……あはは」

俺は間宮先輩の綺麗な顔立ちに思わず、張してしまった。

格は優しく、誰に対しても分け隔て無い間宮先輩は、大學ではアイドルのような存在だった。

「お酒は飲んじゃダメよ」

「の、飲みませんよ」

「ウフフ、偉いのね」

そう言って笑った彼を見て、俺は不覚にもドキッとしてしまった。

その語、楽しい飲み會は終わり、皆で二次會の話しをしていた。

博男も村田さんも二次會に參加するようすだったが、俺は遠慮した。

理由は簡単、持ち合わせが無いのだ。

「えぇ~岬も來いよ~、お姉さんと歌おうぜ~」

「すいません、俺は今日は遠慮します」

「あ、私もパス」

俺が斷ったタイミングで、同じく二次會を斷った人がいた。

それは間宮先輩だった。

「えぇー! ミーちゃんも來ないの~」

「だからそのあだ名はやめて下さい! 予定があるんです」

「む-、ならしょうがない……野郎共! あたしらだけで行くぞぉぉ!!」

そう言って、片岡先輩達はカラオケに向かって行った。

殘った俺は間宮先輩に別れを告げて帰ろうとする。

「あの、すいません……俺はコレで」

「あら? レディーを夜中に一人歩きさせるの?」

「え! そ、それは……送って行けってことですか……」

「嫌なら良いわよ~、あぁ! こんな夜道に、強魔にでも襲われたら!!」

「わかりましたよ! 送っていきます!」

「ウフフ、ありがと」

まぁ、俺も若干そうしなくてはと思っていた。

先輩の言うとおり、の夜の一人歩きは危険だし、間宮先輩は人だ。

そう言う事をされそうになっても不思議では無い。

しかし、送っていくとなった場合、俺が先輩に下心があるのでは無いかと誤解されそうだったので、俺はあえてさっさと帰ろうとしたのだ。

「ねぇ、岬君って彼居ないの?」

「居ませんよ、それにしいとも思いません」

「あら? じゃあ、もしかして片岡先輩の言うとおり……同者?」

「怒りますよ?」

「冗談よ。ウフフ」

楽しそうに俺をからかってくる先輩。

悔しいが、そんな笑顔も素敵だと思ってしまう自分が居た。

そして、先輩の自宅であるマンションに到著した時、俺は驚きのあまり開いた口が塞がらなくなってしまった。

「せ、先輩……こんな高級マンションに住んでるんですか?」

「そうよ? でも、そこまで高く無いわよ?」

先輩はそう言ったが、このマンションが高くない訳が無い、俺はそう思った。

大きな建に、オートロックも完備。

おまけに駐車場も大きく、マンションの住人らしき人も裕福なじがした。

「じゃ、じゃあ俺はこれで……」

住む世界が違う。

俺はそんな事を思いながらその場を後にしようとする。

「あ、まって!」

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