《甘え上手な彼》♯15
「あ、あった」
CDショップに到著した紗彌は、お目當てのCDを探し始めた。
高志は紗彌の後ろについて、適當にCDを見ていた。
「あった?」
「うん、最近出たやつだから、すぐに見つかったよ」
お目當てのCDを発見した紗彌は、CDを手に取り高志に見せてくる。
來る途中で聞いた、紗彌が好きなバンドのニューシングルらしい。
「高志はCD買わないの?」
「俺はダウンロードして聞くから、あんまりCDは買わないな、そっちの方が安上がりだったりするし」
「最近の人だね〜、私はやっぱりコレクションしたいって言う意味もあるから、こうやって買いに來るんだよね」
お目當てのCDを見つけた紗彌は、早速CDをレジに持って行った。
高志は紗彌がお會計をしている間に、適當にCDを眺めていた。
すると、突然誰かに肩を叩かれた。
高志は紗彌の會計が終わったのかと思い、後ろを振り向くと、そこには紗彌では無い別の人がいた。
「よ! 何やってんだ?」
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「なんだ優一か」
「なんだとはなんだよ!」
そこに居たのは、私服姿の優一だった。
恐らくCDを買いに來たのだろう、片手にはCDが數枚握られていた。
「高志がこんなところに居るなんて珍しいな、何してんだ?」
「いや、ちょっと……」
なんとなくデートと言うのが恥ずかしく、高志は言葉を詰まらせる。
そんな高志を見て、優一はニヤニヤしながら、高志に言う。
「あぁ、そう言うことか……わかってるわかってる、だからこの店なんだよな?」
「は?」
「ここは、DVDやブルーレイも置いてあるうえに、年確も無い……しかも店員は男の店員ばっかりだ」
「それがなんだよ?」
「隠すなよ、同じ男だ気持ちはわかる。かく言う俺もそれが目的だ」
「だから、なんなんだよ!」
一何の事を言っているのか、高志には検討もつかない。
不思議そうな顔の高志に、優一はやれやれと仕方なさそうに耳打ちする。
「AV買いに來たんだろ?」
「ちげーよ!」
思わず大聲を上げてしまった高志。
優一は驚き、咄嗟に後ろに半歩下がった。
「隠さなくても良いっての、お前は貓耳とか犬耳とか好きだもんな? そう言うのを探しに來たんだろ?」
「た、確かに好きだけど……AV買うほどじゃ無いわ!」
「あぁ、ネットでダウンロード派か……まぁ、その方が管理しやすいしな」
「だから、そう言う事じゃ無くてだな……」
「どういうこと?」
高志が優一と騒いでいると、會計を終えた紗彌が高志のもとに帰ってきた。
買ったばかりのCDのったビニール袋を持ち、きょとんとしながら高志に尋ねる。
「さ、紗彌……いつからそこに?」
「今さっきだよ? あ、那須君」
「え?! 宮岡?! えっと、もしかして……」
「うん、デート中」
紗彌の姿を見て驚いた優一が、そのまま紗彌に尋ねる。
すると、紗彌は高志の腕を摑んで、優一にそう言う。
優一は、この世の終わりみたいな顔をしながら、その場で固まってしまった。
「お、おい……大丈夫か?」
「高志がデート……高志が……あの高志が……」
虛ろな目をしながら、優一はぼそぼそと呟いていた。
「おい、しっかりしろ!」
高志はそんな優一の肩を揺らし、優一の目を覚ます。
「はっ! お、お前! どんだけ俺の神に攻撃を加えれば気が済むんだ!」
「別に攻撃してるつもりはないんだが……」
「やかましい! クソ! リア充発しろ……」
そう言いながら、優一は高志と紗彌のもとを去って行った。
「どうしたの?」
「気にしなくて良いと思う、いつもの事だから」
狀況がつかめない紗彌は、首をかしげながら高志に尋ねる。
そんな紗彌に高志は溜息を吐きながら言う。
紗彌は高志の腕に抱きつきながら、真顔で返答する。
「貓耳好きなの?」
「本當にいつから居たんですか……」
高志は顔を片手で隠しながら、紗彌に尋ねる。
軽く癖がバレてしまい、高志は紗彌にからかわれながら店を出た。
「ねぇ、貓耳付けてほしい?」
「い、いや……別に……」
「フ~ン、本當に良いのかなぁ~?」
「紗彌さん……楽しそうですね……」
すっかりお馴染みになってしまった紗彌の小悪魔のような表に、高志は目を反らしながら、頬を赤く染めて返答する。
「楽しいよ、高志で遊ぶのは」
「せめて俺でじゃなくて、俺とにしてしいです……」
その後、二人はショッピングモールを歩きながら、目に付いた店を見て回って過ごしていた。
そして現在、二人はクレープ専門店にり、二人でクレープを食べていた。
店はし混み合っていたが、ギリギリる事ができた。
高志はコーヒークレープ、紗彌はストロベリークレープを注文し、店で食べていた。
「高志、なんでコーヒー注文したのに、コーヒー味のクレープ頼んだの?」
「甘いにはコーヒーが一番合うからな」
「じゃあ、違う味にすれば良かったのに」
「コーヒー味が好きなんだよ」
「それならまぁ……じゃあ、はいあーん」
紗彌はそう言うと、高志の口に自分のクレープを押しつけて來る。
「え? あ、あーん……味いな……」
恥ずかしがる暇もなく、高志は人生初の「あーん」を験する。
「よかった、じゃあはい私にも…」
「え? あ、あぁ……」
口を開いて、高志のコーヒークレープを催促する紗彌。
高志は頬を赤く染めながら、自分のクレープを紗彌の口元に持って行く。
「ん……コーヒーも味しいね」
「咄嗟にしたけど、俺ら凄い事しなかった? しかも店で……」
「良いじゃない、あっちのカップルもやってるし」
よく見ると、店の半數がカップルのようだった。
一部ではあるが、高志達に発されてか、あちこちでカップルが「あーん」をしている。
その様子を見ると、恥ずかしさが軽減されたが、やっぱり恥ずかしいのは恥ずかしかった。
「私たちもカップルだから、別にやっても不思議じゃないでしょ?」
「ま、まぁ……そうだけど、やっぱり人前は恥ずかしいだろ……」
「じゃあ二人っきりだったら良いの?」
「……その時による」
「じゃあ、良いんだね」
「なんでそうなるんだよ……」
「そう言う顔してたよ?」
高志は思わず、両手で顔を隠した
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