《甘え上手な彼》♯31
*
文化祭の出しが、テンションを売る店に決まった高志のクラス。
文化祭までの殘り三週間、クラスで一丸となって準備を進めていた。
主に、放課後や休み時間に皆でセットや道、小を作ったり、テンションの上がる事を話しあったりしていた。
「今日も遅くなったな」
「仕方ないよ、々と話し合う事も多いし」
高志と紗彌の帰宅時間は、前よりも遅くなっていた。
今の時刻も既にに二十時を過ぎていた。
「なにがテンションの上がる店だよ……普通に飲食店した方が無難で良いんじゃないかと思うんだがな」
「那須君、クラス賞狙ってるんでしょ? なら、普通の店じゃダメだと思ったんじゃない?」
「それはあいつの自業自得だけどな……」
優一の話しによると、芹那のクラスが高志達のクラスよりも、クラスの出しランキングの順位が高かった場合、優一は芹那と付き合う事になってしまったらしい。
どうにも、文化祭の出しの話しになった時に、芹那が仕切りに「うちのクラスの出しは凄い!」と言うもんだから、優一も対抗して「二年の意地を見せてやる」と言ったのが始まりらしい。
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「由華が言ってたよ、私何もやることないから、楽だって」
「あいつがほとんど全部やってるからな…いつもは面倒くさがるのに、今回に限っては負けられないからだろうけど」
いつにも増して、優一は積極的に行事に參加していた。
道の調達、店の風貌など、優一はかなり細かくこだわっていた。
そんな話しをしていると、いつの間にか別れ別れ道に著いてしまった。
最近は帰りが遅くなる事が多いため、紗彌は家に寄っては行かない。
「んじゃ、また明日な」
「うん」
最近ではこんなじで別れるのがほとんどだった。
高志はし寂しさをじながら、家に帰って行く。
「ただいま~」
「あらおかえり、ごはん出來てるわよ」
リビングに行くと、既に風呂から上がってさっぱりとした母親と父親が居た。
「いや、まず風呂にるよ、汗かいたし」
「にゃー」
「ん? チャコ、今日は紗彌はこねーぞ」
「にゃぁ……」
リビングのドアの前で、もう一人の主人を待つチャコ。
高志が帰って來たときは、しっぽをピンと立てていたのに、今は垂れ下がっている。
最近紗彌と會えず、寂しいのだろう、鳴き聲にも元気がない。
高志はそんなチャコの頭をで、そのまま部屋につれて行く。
「ごめんな、今は忙しくて、お前の相手をしてやれないんだ」
「にゃ~」
いつもよりもチャコの鳴き聲は小さい。
高志は、文化祭が終わったら、し遊んでやろうと思いながら、風呂場に向かった。
*
文化祭の準備が始まって、早いで三週間、早いもので來週の金曜日に文化祭が迫っていた。
高志達の學校の文化祭は、金曜日から日曜日までの三日間執り行われる。
一日目は學校だけの開催、二日目と三日目は一般公開となっており、一日目は練習で、二日目と三日目が本番だと言われている。
高志達のクラスも大は準備が整いつつあった。
「優一、そっちをもってくれ」
「おう」
今は最後の大仕事、店の外裝のパーツを作っていた、高志と優一。
高志達のクラスは、集客を上げる為、隣の空き教室と自分たちのクラスをつなげて一つの店にする事にした。
「にしても、このメニューなんだよ……寫真撮影とか、報の提供(校の學生に限る)とか、校のイケメン紹介しますとか……」
「お前、可い子と寫真撮れたり、その子の報を手にれられたら、嬉しいだろ? テンション上がるだろ?」
「その子にしたら迷だわ……」
「安心しろ、そこら辺はうちのクラスの子の中でも、許可を得た人に頼んでいる」
「回しが良いな……」
「代わりに、俺は近隣の他校のイケメン君の報を集めてきた」
「なるほど、ある意味ウインウインな関係なのな…」
「俺のありとあらゆる人脈をフルに使い、出來る限りのお客様のみを葉える……完璧だろ?」
「あぁ、お前の必死さが良くわかるよ…」
高志は呆れた様子で、優一の話しを聞きながら釘を打つ。
「まぁ、々と気持ちはわかるが……別に良いんじゃないか? 付き合っても」
「あほか! あんな変態と付き合って、俺まで何かに目覚めたらどうするんだよ!」
「まぁ、確かにそれはあるかもな…」
あの芹那を見てしまった高志も、流石にそれ以上は言えなかった。
しかし、彼はそう言う癖を除いても、優一を隨分気にって信頼しているようすだった、
「あれが無ければ……完璧なんだが……」
「あれが大きいもんな……」
二人は苦い顔をしながら、あの日の彼の発言を思い出す。
人の趣味をとやかく言う気のない二人だが、流石に実害がありそうだとじてしまうと、放ってもおけない。
「付き合ったら変わるんじゃねーの?」
「俺があいつの癖を変えろと?」
「あぁダメか、貞だもんな」
「うっせぇ!」
「ま、俺もだけど」
「なら言うなよ! ってか…お前と宮岡ってまだなの?」
「あぁ、そう言うのは大事にしたい」
話しが高校男子らしくなって來たところで、優一は高志にしいいずらそうに聞いてきた。 そんな優一に、高志は平然とそう答える。
「そ、そうなのか……やっぱり健全なお付き合いが一番だよなぁ……そう言う事はけ…結婚をしてからだよなぁ」
「え? そんなに待つの?」
「當たり前だろ! 軽々しく考えてんじゃねーぞ! 子供が出來る行為なんだ、慎重にしないと大変だろ!!」
「元不良が何を言っちゃってんの?」
「関係ねーだろ! それに、もしも出來た時に、十分な収、安定した生活環境が無いと、子供が可そうだ!」
「お前の格が、最近俺は良くわからん」
意外に純な優一の考えに、高志はし心していると、隣の教室から由華と紗彌がやってきた。
「こっちは後どれくらい?」
「あぁ、もうしで完だ、そっちは?」
「こっちも後數日ってとこかしらね、皆頑張ってくれてるわよ」
高志と優一は、空き教室のセッティングと掃除の班で、紗彌と由華は教室で小類の作の班だった。
基本的には男で別れて作業をしており、みんな文化祭前とあって、テンションが上がっていた。
「あとは、メニューの確認だな……こればっかりは皆の意見もれないと……」
「優一、なんで俺とのツーショットなんてメニューがあんだ?」
高志は優一の持っている、メニュー表の下書きを除き込んで尋ねる。
「悔しいが、お前はある特定の子に最近人気がある」
「その特定の子ってなんだよ……」
「オタク系の子だな、お前は宮岡と付き合うまで、目立たなかったが、宮岡と付き合いだして有名になって、ファンが増えたようだ。むかつく話しだが、集客の為に協力しろ」
「卻下だ! 大こんなん、紗彌が……」
「一萬あったら、何枚取らせてもらえるかしら?」
「紗彌?! そんなん無料で何枚でも取らせてやるから!!」
どうやら、ファンに頼らなくても、紗彌だけで結構な金額の収がめそうだった。
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