《草食系男子が食系子に食べられるまで TRUE END》後編 草食系とお嬢様5
「まぁ、どうせまた話せたとしても、楽しくお話出來る保証なんて、どこにもありませんし、それにチャットでゲームを遊んでいる方とは連絡を取れますし」
気が付くと私はなぜか、自分で自分の事を説得していた。 認めたくなかったのだ、自分に恐怖を與えた男話して楽しかったなんて……
「はぁ~、今日はなんだかやる気が起きません……」
私はPCの置いてあるテーブルの椅子から立ち上がり、ベットに倒れ込んだ。なぜかわからないが、今日の男の事が、頭から離れなかった。
「……お父様も余計な事を…」
カチカチと音を立てて時間を刻んでいく時計をボーっと見つめながら、私は淺めの眠りにっていった。
*
帰宅した雄介を待っていたのは、いつもより三割増しくらいにスキンシップの激しい里奈だった。
「ユウ君お帰り~、ご飯食べる? それともお姉ちゃんを食べる?」
「あの……學校だったんじゃ…」
「速攻で仕事終わらせて、帰って來たに決まってるじゃな~い」
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「あぁ、そうですか……」
雄介は帰って來るなり、リビングに居た里奈に捕まり、ソファーに座らせられ、隣に座った里奈によって、軽く腕を摑まれ拘束狀態になっていた。
「あの……紗子さんは?」
「お母さんは夕方に帰るって、だからもうし二人っきりだよ」
「……」
頼みの綱であった紗子さんがいまだに不在と知り、落膽する雄介。一向に雄介を離す気が無い里奈は、どんどん雄介のに自分のを著させてくる。
「で、どうだったの~?」
「なにが、ですか?」
「決まってるじゃない、今日あったの子の事! ユウ君の匂いしかしないって事は、そこまで著はしなかったようだけど……」
「貴方は犬ですか……」
雄介の服の匂いを嗅ぎながら、笑顔で言う里奈。今日はなぜか機嫌がいい様子で、常にニコニコしている。何かあったのだろうかと、雄介はそんな里奈の様子がし不気味だった。
「まぁ、話をしましたけど、すごく失禮な人でしたよ」
雄介は屋敷であった一連の出來事を里奈に話す。そして、話が終盤に差し掛かってくると、里奈は更にニコニコし始めた。
「そうなの! じゃあもうその子と會う必要は……」
「あ、でもそのメイドさんから頼まれて、たまに話し相手になる事になりました」
雄介がそういった瞬間。里奈は笑顔のまま固まって、かなくなってしまった。
「いや、なんかそのメイドさんに頼まれちゃって、斷れなく出すね……」
言葉を続ける雄介に、里奈は俯き気味に聲を震わせながら、話した。
「じゃ……じゃあ、これからもその子と會うの?」
「そうなりますね、まぁでも話をするだけでしょうけど」
雄介の言葉に、里奈は先ほどまでの笑顔とは違う、何か黒い笑顔を雄介に向けてくる。
「ふ~ん、そうなんだ……ところでユウ君」
「えっと……なんでしょうか?」
「いつになったら婚姻屆けに判を押してくれるのかな?」
「何段階もすっ飛ばして何言ってんですか! てか、この話の流れでなんでそうなるんですか!!」
雄介の話に、またしても暴走気味になってしまう里奈。雄介はまたしても恐怖をじ、里奈から離れようとするが__
「駄目だよ~。ちゃーんとお姉ちゃんが役所に行ってコレ貰ってきてあげたから、あとはユウ君がハンコを押すだけだよ~」
「それ、婚姻屆けじゃないですかぁぁぁ!!!!!」
とうとう里奈は、本の婚姻屆けを持ち出してきてしまった。姉の暴走に、この先の家庭事が不安になる雄介。
「うん、そうだよ。ユウ君はお姉ちゃんのだもん。それならこういう事は早い方がいいでしょう?」
「早いも何も、俺たちは付き合ってすらいません! 家族です!」
「もう~気が早いな~、家族だなんて……早く新しい家族もしいわね……」
「そういう意味じゃねぇぇぇ!!!」
自分の腹部をさすりながら、雄介にうっとりとした視線を向けてくる里奈。 結局、その後は帰ってきた紗子が里奈を取り抑えて、雄介はやっと自由になった。
「はぁ~、參ったな~」
雄介は食事や浴を済ませ、あとは寢るだけの狀態で自室のベットに寢そべっていた。 食事の時に、今日の事を雄介は紗子に報告したのだが、そこで紗子から面倒な事を雄介は言われてしまい、悩んでいた。
「あんたも織姫ちゃんと一緒に、完全に恐怖癥を治しなさい」
食事の時にこういわれてしまった。里奈の言う完全の基準が良くわからない雄介だったが、面倒な事に変わりはない。
「あのと一緒にか……」
雄介は今日出會った顔も直接見たことのない、聲だけの彼を思い出す。決して禮儀正しいとは言えず、ゲームが好きなの事を……
「これなら加山の方がまだマシかもな……」
雄介の口からそんな言葉が出てきた。確かに、最初は強引でしわがままかと思っていた雄介だったが、慣れというものは恐ろしく、今では連絡先を換し、メッセージのやり取りなんかをしている。
「今日もスゲーな~」
雄介がスマホを開くと、メッセージアプリの中には、たくさんの加山からのメッセージがられてきている。雄介は今日も來ていたそのメッセージを一つずつ読んでいく。 他もない話ばかりだが、返信をする以上は一応全部読んでおかねばならない、というのが雄介の決まりだった。 見てみると、やはり加山も今日の事を知りたくてメッセージを送った様子だった。
「いちいちメッセージも面倒だな……」
雄介はそう思うと、スマホを作して加山に電話を掛け始めた。
『も…もしもし!!』
「あぁ、優子か?」
『ど…どうかした? 雄介から電話なんて珍しいね。びっくりした』
「あぁ、なんかお前からのメッセージにいちいち文章送るのも面倒だったから、こうして電話したんだよ」
『あ、そうだっんだ! で、今日はどうだったの?!』
優子は若干うれしそうだった調子から、今日の話をすると言ったとたんに、し口調が変わり、なんだか怒っているような口調になる。
「別に、普通だったけど?」
雄介は優子に今日の出來事を話す。やはり、優子も里奈と同じく、これからも話相手になる、そういった瞬間にしだけ不機嫌になった。
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