《草食系男子が食系子に食べられるまで TRUE END》後編 草食系とお嬢様14

抵抗しながら雄介は里奈にある事をつぶやく。

「今日は一緒に寢ましょう……」

「!?」

言われた里奈は驚きのあまり、雄介の腕の拘束を解き、顔を真っ赤にしてたじろぐ。雄介はそのすきに里奈から離れる。

「え…ユ…ユウ君? い…一どうしたの? そりゃあ、うれしいけど……あ、っていうかそれなら早くお風呂って來なきゃね! じゃあ。ベットで待っててね!!」

里奈はそういって階段を駆け下りて行った。殘された雄介は、とりあえず危機をした事に安堵し、一階に降りて晩飯を作り始める。

「夜はソファーで寢よう…」

料理をしながらそう考える雄介。里奈はベットにるとすぐに眠ってしまう。雄介はそれを利用し、今日は雄介のベットで里奈が雄介を待つ間に眠ってもらい。雄介自は安全策でソファーで眠ろうという考えだ。

「まぁ、最近里奈さんとなかなか時間取れなかったしな……」

最近の事を申し訳なく思う雄介だが、流石に兄弟でのキスは々とまずい。今度違った形でお詫びをしようと決めた。 夜は雄介の思通り、飯を食べ終えて里奈はすぐさま雄介に「部屋で待ってるから…」と言って二階の雄介の部屋に向かっていった。雄介は「お風呂から上がったらいきます」と言い、そのままリビングでテレビを見て、里奈が寢たであろう時間に自分も一階のソファーで眠った。

Advertisement

「まぁ、明日なんか言われるんだろうな……」

明日の朝の里奈の事を考えながら、雄介は眠りに落ちていく。

紗子が帰ってから既に一週間が経過した。雄介はいつも通りの學校生活を送りながら、毎日のように織姫に會い、夜にはゲームのチャット機能で會話をしたりしていた。 そして、今日もまた織姫の家に來ていた。もう既に織姫の部屋の前には椅子がセッティングされており、いつものように雄介はその椅子に座って、織姫とドア越しの會話をしていた。

「…それで、この前一緒にパーティー組んだ時なんですけど!」

「あぁ、二日前のイベント戦か?」

いつも通りのゲームの話。最近では、織姫はあまり雄介に対して毒を吐かないようになっていた。雄介もただ純粋にゲームの話をしに來ている覚でいた。

「最近は隨分我が家にきますね。そんなに暇なんですか?」

「引きこもりに言われたかねーよ。まぁ……あれだ、なんもやる事無いしな…」

雄介は噓をついた。実際は最近加山や慎、沙月などから放課後に遊びにわれるのだが、雄介はずっと斷って、織姫の元に來ていた。今日も加山からしつこく何をしているのか聞かれ、振り切るのが大変だった雄介。

「お、もうこんな時間か、じゃあ俺は帰るは……って言ってもどうせまた夜中にゲームで會うか」

「はい、今日のイベントボスは夜に出現するんですから、必ずインしてくださいね! まぁ、結果的に私が貴方のお手伝いをするだけになるんでしょうけど」

顔は見えなかったが、雄介はドアの向こうでドヤ顔する織姫が容易に想像できた。

「へいへい、んじゃな~」

雄介は織姫の部屋の前を後にする。最近では倉前さんは雄介に付き添わなくなっていた。いつもで迎えはするが、雄介が織姫と話す際は仕事に戻り、雄介が帰宅するときに顔を出しにやってくる。 本日もそんなじで、玄関先で倉前さんが待っていた。

「本日はもうお帰りですか?」

「はい、なんかすいません。毎日毎日……」

「そんな事はありません。最近お嬢様は明るくなりました」

「そうですか? 俺は會ったころとあまり変わらない気が……」

首を傾げて疑問に思う雄介。雄介の知る限りでは、あったころと比べて別に変ったじはしなかった。

「いえ、最近は雄介様のお話ばかりするんですよ、お嬢様」

きっと、俺のゲームの腕が下手でからかってんだろうな。などと雄介は考えつつ苦笑いを浮かべる。織姫はゲームがうまい、知識もそうだが、作も上手く、雄介は「流石引きこもりだなぁ…」なんて思ったりもしていた。

「まぁ、それでもまだ直接會って話は出來てないんですけどね……」

「私はもうそろそろだと思っていますよ、お嬢さんは……」

言いかけた倉前さんが口を閉じ続きは何も言わなかった。だが、代わりに笑顔で雄介にこう言ってきた。

「お嬢様とこれからも仲良くしてあげてください」

雄介は言いかけた言葉が気になったが、そこまで詮索はせずに、倉前さんの言葉に返答する。

「はい、わかりました。じゃあ、自分はこれで」

雄介は屋敷を出て、いつも通りの帰路につく。屋敷に殘った倉前さんは一人、織姫の元に向かった。

「お嬢様、よろしいでしょか?」

「どうかしましたか?」

織姫の返答が帰って來る。すると、倉前さんはドアを開けて部屋の中にっていった。中には、引きこもりであるにも関わらず、きちんとした清潔な服を著て機に向かってゲームをする、織姫が一人いた。

「今日も楽しそうでしたね」

「そうでしたか? それはきっと好きな話題の話だったからです。それで要件はなんでしょうか?」

ゲームを一時停止し、倉前さんの方を向く織姫。倉前さんは笑顔のまま、彼に告げる。

「そろそろ、直接お會いしてみても、良いのではないでしょうか?」

「え……、それは……」

突然の申し出に戸う織姫。そこに倉前さんは追い打ちをかけていく。

「あの方は大丈夫です。お嬢様を裏切るような真似は致しません。あとは、お嬢様の勇気次第です」

織姫は考えるようにして黙ってしまった。そして__

「倉前さん……私は……」

口を開く織姫。倉前さんは優しく微笑みながら言葉を待った。

「……無理よ……」

俯き、苦しそうにいう織姫。倉前さんはそんな彼の側に行き、そっと抱きしめる。そして耳元でささやく。

「そうね……でも、あの人なら大丈夫……」

「…………」

何も応えない織姫。長い長い沈黙が、部屋の中を支配し、聞こえてくるのはパソコンの音だけ。倉前さんは織姫を抱きしめたままだった。

    人が読んでいる<草食系男子が肉食系女子に食べられるまで TRUE END>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください