《草食系男子が食系子に食べられるまで TRUE END》文化祭と新たな火種 6
周りからの視線に気が付かないまま、二人は顔を赤くしたまま、教室への道を再び進み始める。 雄介は、らしくない自分の行に疑問を持ちながら、心の中で自分の行を必死に否定する。
「全く……今日は変だ……」
「そ、そうだよ! 雄介変だよ! 何か悪いものでも食べた?」
「食べてねーよ……多分楽しみなんだろうな……明日が……」
今までクラスの皆と協力して、何かをするなんて事を雄介は積極的に參加してこなかった。 しかし、今回は半ば強制的に協力させられてしまい、最初は面倒だと思っていた雄介だったが……。
「なんか…良いな、こういうの……」
みんなで頑張って何かをする。 大変な事が多かったが、なんだかそんな事でも楽しかった。 今まで話した事のないクラスメイトと話をしたり、協力して何かをする事が初めてだった雄介は、純粋に文化祭が楽しみだった。
「う~ん、やっぱり変! ちょっと保健室行こ!」
「行かねーよ。そんなに変か?」
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「うん、正直雄介なら、めんどくせーとか、早く終わんねーかな? とか言うと思ってた!」
「まぁ、そうかもな……俺は今日は変なのか……」
優子と話をしながら教室に戻る優子と雄介。 雄介は、こんな自分もたまには良いなとじながら笑みを浮かべた。
「うーっす、ポスター張って來たぜ~」
「おう! ご苦労さん! 今村も裝合わせておけよ。はいコレ」
「なんだコレ? 普通の服だけど、コスプレなんじゃ……?」
「ちゃんとしたコスプレだぜ? 喫茶店のマスターって言う」
「ただのウェイターじゃねーかよ……まぁ、変なもの著せられてる、あいつらよりはマシか……」
そういって雄介は、ほかのコスプレをしたクラスメイト達を見る。 そんな雄介の言葉が聞こえたのか、數人の男子生徒が、コスプレ裝のまま雄介の元に詰め寄って來た。
「うるせぇ! 俺たちだって好きで來てるんじゃねーんだよ!!」
「俺を見てみろ! セーラー服だぞ!! 自分で言うのもなんだけど、ホラーだよ!!」
「俺なんてエプロンだぞ……」
「「「誰得だよ……」」」
本當に自分の裝が普通で良かったと思いながら、雄介は皆が著替えに使っている、教室角の簡易更室に向かった。
「ん? おぉ渡辺か、お前はどんな変なの著せられた?」
「ゆ、雄介か! お、お前も著替えに??」
「あぁ、そうだぜ。俺は何とか普通の服だった………おい、渡辺、鼻からが出てるけど、大丈夫か?」
「へ? あ、あぁ問題ない……」
渡辺と話をしながら著替えを始める雄介。 そんなさなかに、渡辺の鼻から大量の鼻があふれ出し、雄介は渡辺に何かあったのかと心配になる。
「ほんとか? 何なら保健室行くか?」
「い、いや、本當に大丈夫だ! すまないが、俺は一足先に出る、ティッシュを取ってくる」
「あ、あぁ……」
渡辺は雄介にそういうと、更室を飛び出して行ってしまった。 大丈夫であろうかと、雄介は心配しつつ、自分の裝を広げ、中の裝の確認をする。 黒のパンツに白のワイシャツ、そして藍のネクタイとチョッキ。 ほんとに普通のウエイターのような裝で、なんだか雄介は面白くないと思った。
「普通だな……」
「ゆ、雄介……ちょ、ちょっと寫真撮って良い??」
「な、なんだ優子……目が怖いんだが……」
「ゆ、雄介の……ウエイター姿……ゆ、ゆうすけの……」
なぜか息を荒げながら近づく優子。 雄介はそんな優子が怖く、優子から常に距離を置く。 そんな事をしていると、ほかのクラスメイトも集まってきて、雄介のウエイター姿について々言い始めた。
「おぉ、なかな似合うな」
「おい、俺のセーラー服と換してくれよ」
「勘弁してくれ……」
「じゃあ、俺のエプロ……」
「それはもっと勘弁してくれ!」
クラスの男子連中からは、コスプレの中でもマシな裝に、雄介の裝を羨ましがる聲が多かった。 一方の子はというと、なぜか雄介のコスプレ姿について、教室の隅でコソコソ話をしていた。
「ね、ねぇ……今まで気が付かなかったけど、今村って結構……」
「だ、だよね。カッコいいかも……」
「でも、なんで気が付かなかったんだろ?」
「常に山本君と一緒に居たからじゃない? 山本君と比べたらあれだけど……私は全然あり!」
「でも、今村って……」
「雄介がどうかした?」
「「「「優子!!!」」」」
コソコソ話をする子の中に、メイド服姿の優子が急にって來た。 陣は急なことで驚いた。
「い、いつからそこに?」
「今さっきだよ? 雄介の寫真激寫しちゃった、えへへ……あとはこれを拡大コピーして……」
(((何をする気だろう??)))
優子の言葉に疑問を抱きつつも、話が聞かれておらず、安心する子一同。 そんな中、子の中の中心人である江波が、優子に尋ねる。
「そういえばさ、優子と今村って実際どうなの??」
「どうって?」
「だから、どこまで行ってるのかなって?」
「どこまでかぁ~? 正直言うと、全く進んでないかな?」
「そうなの? でも、最近は優子の事を名前で呼ぶようになったじゃない?」
「そうなのよ! ここまで長かった……」
涙ぐんで答える優子に、子一同はなんだか優子がすごく可そうに思えてきてしまった。 それというのも、優子のいままでの雄介に対する熱烈なアピールを見てきたからだ。
「名前を呼ばれるだけで涙ぐむなんて……」
「今村って、案外ひどい奴?」
そんな話が出たとたん、優子は顔を上げて、その意見を否定する。
「そんな事無いよ! 雄介はとっても優しいんだから!」
「でも、優子……あれだけアピールしてるのに、相手にされてないじゃない……」
「うん、でもなんだかんだ言っても、雄介って最終的には々やってくれるから……」
優子はこの時、雄介に助けられて日の事を思い出していた。 不安でどうしようもなかった時に、振ったはずの自分を雄介は助けに來てくれた。 なんだかんだ言っても、困っている人には手を差しべる。 そんな雄介の事をみんなにも知ってしいと優子は思っていた。
「そ、そういえば……文化祭の準備の時、私が苦手なの見て、教えながら一緒にやってくれた……」
「え?」
「わ、私も釘の抜き方分からなくて、今村君に助けてもらったっけ」
「え? え?」
「私は、準備の作業中に指切っちゃったときに絆創膏もらったよ」
「え? え? え?」
クラスの子たちが、雄介の何気ない優しさに気が付き始めた瞬間。 優子の顔は固まってしまった。もしかしたら、ライバルが増えるのではないか? って言うか、いつも私に接するときより優しいのではないか? などと考えてしまう優子。 そんな優子に気が付かず、子の面々は話を続ける。
「わ、私……結構タイプかも……」
「いやらしい視線とか向けてこないし……紳士だよね?」
「しかも優しいし……」
優子に対してライバル発言にも似た事を言い出すクラスメイトも現れだし、優子は焦り始めていた。 確かに雄介の優しさを知ってしかったが、それによってライバルが増えるのは嫌だった。 優子は子の集団から離れ雄介の元に向かった。
50日間のデスゲーム
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