《草食系男子が食系子に食べられるまで》第12章 後編3 草食系とお嬢様
雄介は、椅子の背もたれにを預けて靜かに話始めた。
「別にあんたの過去に何があったとか、なんで男が怖いのかなんて聞かねーよ」
「じゃあ、何しに來たんです?」
「まぁ、俺と同じような悩みを抱えている人間と話せば何か変わるかと思ったんだよ。まぁ、でもやっぱりロクなじゃなかったけど」
イヤミったらしく言葉を発する雄介。ドアの向こう側では織姫が額に青筋を浮かべながら、なんと言ってやろうかと考えを巡らせていた。
「貴方みたいな人に言われたくありません! 名乗りもせずに好き放題言うだけ言って、しは常識をに著けたらどうですか?」
「來客に対して顔も見せないお嬢さんに、常識を言われるとは驚きだよ……」
「う、うるさいです!」
「まぁ、いいや。俺の事は雄介って呼んでくれ。俺もあんたの事は名前で呼ばせてもらうから」
「勝手に決めないでください!!」
二人の會話はこんなじで進行していった。時折、倉前さんがお茶をもってきてくれた。廊下を占領しながら雄介はドアの向こうの織姫と口喧嘩のような會話を続ける。
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「はぁ~、今日は最悪です……こんな訳の分からない男と不な會話をしてしまいました……」
「不ってなんだよ、ちゃんとした會話だろうが」
「まぁ、でもたまには良いでしょう。お父様もきっと私を心配しての事でしょうし……」
結局一時間ほど、雄介と織姫は話を続けていた。好きな食べを雄介が尋ねれば、織姫が高級食材の名前を答え。好きなテレビ番組を聞けば、テレビは見ないと言われ、ほぼ一問一答のような會話ばかりだった。 それでも彼について何も分からなかった訳ではなかった。屋敷から出ていないだけで、部屋からはちゃんと出てくるし、運もしているらしい。勉強も嫌いではなく、もう既に一般の高等教育の問題は難なく解けるらしい。 々知る事が出來たが、相変わらずドアは開かないし、織姫の雄介に対する態度も変わらない。
「そろそろ帰ったらどうですか? もう私疲れてしまいました」
ダルそうな聲で言う織姫。確かにもう既に一時間以上も話している。そろそろ話題も盡きてきた。 やっぱり何も変わらないかと思いながら、雄介はそろそろ帰ろうかと考える。
(紗子さんの様にはいかないか……)
雄介はそんな事を考えながら、同時に社長さんに何と言えばいいのかを考え始める。
「失禮ですが、私はやりたい事があるので、これで失禮します」
「やりたい事って、何やんだよ」
ふと、雄介は気になり、織姫に尋ねる。
「まぁ、もう會う事も無いでしょうし、良いでしょう……ただゲームをするだけです」
「ゲーム?」
織姫から出た意外な単語に、雄介は自分の耳を疑った。雄介は倉前さんの方を向いて「ホントに?」と口パクで尋ねる。すると、倉前さんも小聲で雄介に言った。
「お嬢様は、かなりのゲーマーなんです……」
「ふーん……ちなみに何するの?」
雄介は再びドアの方に向かって問いかける。
「貴方に言ってもわからないと思います。バトルファイターオンラインというパソコンのゲームです」
「あぁ、あれか。最近はアップデートされたやつ……」
「貴方知ってるんですか?!」
激しく食いつく織姫。雄介は実際にこのゲームを知っていた。それはなぜかと言うと、よく信と二人でゲームをすることがあるからだ。嫌いの雄介が、の事を気にせずに楽しめる娯楽の一つが、ゲームだからというのも理由の一つだ。
「あぁ、確か最近レベルの上限も上がったんだっけ?」
「はい! この間で上限が200になりました! これでレベル上げが出來ます~」
雄介と織姫が言っているゲームは「バトルファイターオンライン」というオンラインRPGで、プレイヤー同士が戦うPVPが売りのゲームであり、レベルの概念が導されている。パソコンのゲームの中では人気が高く、雄介もプレイしている。
「もしかして今、前の上限のレベル150? それは引きこもらないと無理だわ……」
「う、うるさいですね! ちゃんと時間を決めて休憩を挾んでやっています!」
「で? 実際は?」
雄介は隣の倉前さんに尋ねる。すると倉前さんは目を伏せて、無言で首を橫に振った。
「あー、今度からお前の事、ゲーム廃人って呼ぶわ」
「なんでそうなるんですか! 仕方無いじゃないですか! イベント多いんですから!」
そんな事を言われても俺は知らないんだが、そう雄介は思いながら、頬をポリポリ掻き苦笑いする。
「やりたいゲームって言ってたけど、今あのゲームイベント來てたっけ?」
「來てます! だから早く続きをしたいんですよ!」
し強い口調で言ってくる織姫。よほどやりたいのであろう、そんなじがドア越しでも伝わってくるのが、雄介はわかった。
「貴方もやってるんですか?」
「あぁ、でも最近は忙しくてやってないな……今は何のイベントが來てんだ?」
「あ、それはですね~」
そこから更に一時間。雄介と織姫はゲームの話をしていた。たださっきの會話と決定的違う事があった。それは、二人とも自然と普通に會話をしていたことだ。
「で、その裝備を手にれればかなり楽なんですよ!」
「へ~、無課金でも今のイベントアイテムは良いものくれるんだな~」
さっきの二人とは別人なんじゃないかというほど、打ち解ける二人。倉前さんはそんな2人の様子を暖かい目で見守っていた。
note+ノベルバ+アルファポリス+電子書籍でエッセイ、小説を収益化しつつ小説家を目指す日記
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