《草食系男子が食系子に食べられるまで》第13章 文化祭と新たな火種 4
*
放課後、雄介は育館の裏に來ていた。 なぜこんなところに居るのか、理由は簡単だ。呼び出されたからだ。 最近は多くなり、週に3回は呼び出されている雄介。
「んで、今日は誰だ? もういい加減しつこいんだが」
「よぉ、流石加山の彼氏、イケメンだな~」
著崩した制服に、耳にはピアス。柄の悪い連中が雄介の周りを囲む。人數は4人といつもよりはない。 皮を言う、おそらくリーダーである男子生徒に雄介はため息じりにいう。
「それはどうも、じゃあ帰っていい?」
「舐めてんじゃねーぞ、てめぇ」
元來た道を戻ろうとした雄介の行く手をふさがれてしまう。 威圧するように、雄介にいう連中だが、雄介は全く怖くなかった。 こんな威圧よりも、もっと大きな恐怖を與えられたことのある雄介にとって、この連中がしている事は、お遊びに見えた。
「ハイハイ、わかったよ。じゃあ、あんたらは俺をどうしたいの?」
「あぁ、調子に乗ってる見たいだからなぁ~、お灸をすえてやるのさっ!!」
Advertisement
勢いよく毆り掛かってくる四人の柄の悪い男子生徒達。 雄介はそんな彼らを素早いきでかわし続ける。
「はぁ……はぁ……噂通り、素早いな……」
「なぁ、帰っていいか?」
雄介は呆れた様子で柄の悪い連中を見ながら言う。 そんな雄介を睨むリーダーの男子生徒。しかし、そんな表から一片。リーダの男子生徒は口元を歪め、にやりと笑う。
「今だ! 押さえろ!!」
「!!」
隠れていた仲間が、雄介の足と腕を取り押さえる。 いきなりの事で驚いた雄介だが、両手両足を拘束されても、その態度は落ち著いていた。
「あー、うごけねぇな……」
「へ! これで毆りまくれるなぁ……」
「それはちょっと勘弁してくんない? 怪我したら、説明すんのめんどいから」
「やめるかよっ!!」
リーダーの男子生徒は、拘束された雄介に向かって再び毆り掛かってくる。 雄介は避ける事も出來ず、腹に大きな一撃を食らう。
「は! ざまぁ見ろ!」
勝ち誇る男子生徒達。 反撃開始といった様子で、男子生徒達はニヤニヤしながら、雄介の周りに集まる。 だが……
Advertisement
「あー、まぁいいパンチじゃない?」
「んな……なんなんだこいつ……」
顔を上げた雄介は涼しい顔で、取り囲んでいる連中の顔を見る。 男子生徒達は驚きで、一気に目を丸くし口をポカンと開ける。
「まぁ、正當防衛ってことで、反撃するけど……帰って良いって言うなら、なんもしないけど?」
「な…なめんじゃねぇ!! やっちまえ!」
一斉に毆り掛かってくる男子生徒達。 雄介は拘束されていた両手両足を振りほどき、4人の一斉攻撃をわす。4人の攻撃は、雄介を拘束していた仲間2人に當たり、その2人は倒れてしまった。
「殘りは4人? まだ隠れてたりしないよな?」
「な……なんなんだこいつ…」
平然とする雄介は、周りにもう仲間が居ないかを確かめ、殘る4人の方に向かって歩みを進める。 4人の男子生徒は、歩いてくる雄介から距離をとるように、後ろに下がっていく。
「まぁ、一応忠告したし、それにお前らは毆っても良い気がする」
雄介は4人に迫っていきながら、ゆっくり話す。 いつもなら、攻撃を避け続け、相手が付かれたところで逃げるのが、雄介の戦法なのだが、今日はこの4人を毆りたいわけがあった。
「お前ら、たまに優子と遊んだりしてたよな?」
「だから、なんだって言うんだよ!」
「最近、優子が付き合い悪いからって、お前らは優子に々迫ってるらしいな」
この柄の悪い4人は、嫌がる優子を無理矢理遊びに連れ出そうとしたり、優子に必要以上に著信を掛けたりと、最近優子を困らせている。
「しかも、お前らの目的って、優子のだろ?」
4人を睨みながら、雄介は靜かに言い放つ。 この4人は、優子を無理矢理拘束し、如何わしい事をしようと企んでいたのだ。それを知った雄介は、この呼び出しに応じ、真相を確かめようと思ったのだ。
「だったらなんだよ! あれだけの上玉だぞ! ヤった後に畫取って、売りさばいてやんだよ!」
勢いを取り戻すリーダーの男。四人なら負ける事はないと思っているのであろう。ニヤニヤしながら、雄介にそう話す。
「クズだな……」
「なんとでも言いやがれ! 今、仲間を呼んだ! お前ひとりじゃどうにもなんねー數だ! お前をボコった後は、計畫通り加山をうぶ!……」
雄介は話している途中のリーダーの男子生徒の口を片手で鷲摑みにし、持ち上げる。周りに居た3人の仲間は、驚き腰を抜かして座り込む。
「そうか、なら丁度良いな、おかげで遠慮せずに、そいつら全員黙らせられそうだ」
「ん~!! ん! ん~!!!!」
雄介の手を抑えながら空中で足をバタバタさせて、雄介から逃れようとする。
「ほら、放してやるよ」
雄介はリーダーの男を空中に持ち上げたまま、手を離して地面に落とす。 リーダーの男子生徒は、地面にしりもちをつき、呼吸を整える。
「ば……化け…」
一人の男子生徒がそうつぶやいた。雄介はその言葉にピクリと反応し、言った本人を見る。
「なぁ、そのお仲間っていつ來るんだ? 多分この學校の生徒じゃないだろ?」
「し…知るかよ! でもいくらお前が強くても、20人もいれば勝てないだろう!!」
「あっそ、じゃあ丁度いいな」
余裕そうに平然とつぶやく雄介。 その時、先ほどまでしりもちをつき、呼吸を整えていたリーダーの男子生徒が、雄介に向かって勢いよく立ち上がり、毆り掛かってきた。
「でりゃぁ!!」
雄介は毆り掛かってきた右腕を摑むと、そのまま男子生徒のごと地面にたたきつける。
「かはっ!」
男子生徒はそのまま気絶してしまった。
「まったく、し寢てろ」
雄介は呆れた表で、倒れたリーダーの男子生徒にそういうと、視線を殘った3人に移した。
「で? お仲間はいつ來るの?」
「はは……今來たみたいだぜ!」
その一言で雄介は気が付いた。背後からじる無數の人の気配に…… 雄介が振り向くとそこには、20人以上のガラの悪い集団がいた。
「おいおい、なにもやしっ子一人に苦戦してんだよ~」
「早く片付けて、加山ちゃんで遊ぼうぜ~」
おそらく周辺の高校の不良だろう、學年はバラバラだが、全員學ランを著ている。 そんな集団に囲まれれば、普通なら怯えたりするものなのだが、雄介は違った。
「猿みたいな考えの奴らが、こんなに居るとわな」
呆れた表で言う雄介。 そんな雄介が気に食わなかったのか、不良たちは一気に戦闘態勢にる。
「んだとコラぁ!!」
「舐めてんじゃねーぞ!」
「ぶっ殺してやるよ、もやし野郎!!」
ある者をは指を鳴らし、またある者は武を取り出して雄介に迫ってくる。 腰を抜かしていた3人も集団に加わり、笑みを浮かべる。 そんな狀況でも雄介は落ち著き、慌てる様子はない。 いつ始まってもおかしくない狀況で、更にもう一人、第三者がやってきた。
「今村ぁぁ!! 加勢に來たぞぉ!!」
「ぐはっ! なんだこいつ!」
「「いてて!! 放せコラ!」
集団の更に後ろから聞こえてきたのは、道部のエースであり、自稱加山優子を応援する會実行部隊隊長の北條だ。
「フン! 鍛え方が足りん!!」
「北條! お前何しに來たんだよ!」
雄介の方に來た北條に雄介は尋ねる。 しかも、北條は道著姿だ、おそらく部活の真っ最中だったのであろう。
「校舎裏にお前が呼び出されたと聞いてなぁ、しかも柄の悪い連中が大勢ここに集まっていったっと聞いて、駆け付けた!」
悪役令嬢の影武者を嫌々演じて十年、憎っくき本物に『ざまぁ』したけど? 本當の悪役はアイツだった……!?
ある時は淑女、またある時は悪役令嬢。いえ、殆ど悪役令嬢。そんな公爵令嬢シェリーの影武者を十年も演じていたわたくしポピーは我慢の限界にきていた。 が、しかし、転機が訪れたのだ。 たまたま使用人に戻っていたわたくしは、シェリーの婚約者エリオット王子様に呼び出され、何と婚約破棄したい旨を知らされる! これは『ざまぁ』の大チャンス!! 今までの鬱憤を晴らすかの如く、王子に協力する事を快諾する。 「よおし、仕返しするからね!」 ーー密かにほくそ笑むのであった。
8 152婚活アプリで出會う戀~幼馴染との再會で赤い糸を見失いました~
高身長がコンプレックスの鈴河里穂(すずかわ りほ)は、戀愛が苦手。 婚活アプリを宣伝する部署で、強制的に自分が登録することになり、そこで意外な出會いが待っていた。 里穂の前に現れた幼馴染との関係は? そして里穂にアプローチしてくる男性も現れて…。 幼馴染の企みによって里穂の戀はどうなるのか。 婚活アプリに登録したことで、赤い糸が絡まる甘い物語。 第14回らぶドロップス戀愛小説コンテスト 竹書房賞を受賞をいたしました。 お読みいただきありがとうございます。 9月22日、タイトルも新しく『婚活アプリの成婚診斷確率95%の彼は、イケメンに成長した幼なじみでした』 蜜夢文庫さま(竹書房)各書店と電子書籍で発売になります。 ちょっとだけアフターストーリーを書きました。 お楽しみいただけたら嬉しいです。
8 178感じるのは快楽だけ
拘束、目隠しされ、恐怖を感じていたはずなのに、だんだんと違う感覚を感じてしまう。 BLです。 ご理解頂ける方のみお読みください。 一話だけの短編の予定だったのですが書けるだけ書いてみることにしました。よろしければ見守っていてくれると嬉しいです。 何かご要望がございましたらコメントにてお知らせください。
8 50身代わり婚約者は生真面目社長に甘く愛される
ごく普通のOL本條あやめ(26)は、縁談前に逃げ出した本家令嬢の代わりに、デザイン會社社長の香月悠馬(31)との見合いの席に出ることになってしまう。 このまま解散かと思っていたのに、まさかの「婚約しましょう」と言われてしまい…!? 自分を偽ったまま悠馬のそばにいるうちに、彼のことが好きになってしまうあやめ。 そんな矢先、隠していた傷を見られて…。 身代わり婚約者になってしまった平凡なOL×生真面目でちょっと抜けている社長のヒミツの戀愛。
8 59妹は兄を愛する
初めて好きになった人は血の繋がった二歳年上のお兄ちゃんだった。私が世界で一番欲しいのはたった1つ。大好きなお兄ちゃんの「愛」。
8 186嫁ぎ先の旦那様に溺愛されています。
宮內(みやうち)莉緒(りお)は、3年生の始業式まであと一か月という所で、夜逃げをした父親の莫大な負債を背負ってしまい、婚約者と語る高槻総司という男の元で働く事になってしまう。 借金返済の為に、神社での住み込みの仕事として巫女をやらされることになるが、それは神社の神主である高槻(たかつき)総司(そうじ)の表向きの婚約者としての立場も含まれていたのであった。
8 68