《草食系男子が食系子に食べられるまで》第16章 新たなる朝6
徹と倉前が病室を後にしてから數分。 またしても雄介の病室のドアをノックする者が居た。
「どうぞ」
雄介がドアに向かってそう言うと、ゆっくり扉が開いた。 しかし、誰もって來ない。 雄介は不振に思い扉の影をベットからを乗り出して確認する。
「ど……どうも……」
ドアのから顔だけ出してそう言ったのは、織姫だった。 顔を赤くしながら、ドアに隠れてって來ない。 雄介は織姫を見て、また変なのが來た……。と思いながら、中にるように促す。
「あの……中にったらどうでしょうか?」
「……やっぱり……覚えてないんですね……」
織姫は沈んだ表でボソッとそう言うと、病室にりベッドの近くの椅子に座った。
「すいません、聞いているとは思いますが、自分は記憶が無くて……だから貴方の事もわからないんです……」
雄介は沈んだ表の織姫にそう告げる。 織姫は俯いたまま何も話さない。 雄介はどうしたもんかと困ってしまい、何か話さねばと話題を探す。
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「えっと……自分は貴方とどんな関係だったんでしょうか?」
「関係……ですか?」
とりあえず雄介は、織姫との関係を尋ねる。 友人なのか、それともそれ以上の存在なのか、今の雄介にとっては織姫の報が全く無いのだ。 どんな関係かを聞いてから出ないと、話を進める事は出來ないと雄介は思っていた。
「……そうですね。私と雄介は知り合ったのは、本當に最近です」
「それは友人としてという認識で良いでしょうか?」
「はい、そうです……」
織姫は雄介に、二人の出會った経緯や自分の名前。そして、自分が先ほど來た徹の娘である事を打ち明ける。
「……そうだったんですか、貴方があの人娘さん……」
「はい、雄介に出會う前は家から一歩も出られませんでした……」
し明るい表になりつつある織姫だが、やっぱり表は暗い。 自分はこの子とどれだけ仲が良かったのだろうか、どんなを抱いていたのだろうか、そんな事を考えながら再度織姫を見る。
「あの……突然失禮かもしれませんが、お綺麗ですね……」
「えぇ!! い、いきなりなんですか!」
言われた織姫は耳まで顔を真っ赤にして雄介に尋ねる。 雄介は純粋に思った事を口にしていた。 綺麗なブロンドの髪、整った容姿、白い。 なぜ自分はこんなにも魅力的なと友人でいられたのか、雄介は凄く不思議だった。
「すいません、そう思いまして。自分は、記憶を無くす前は酷い恐怖癥だったと聞きます。そんな自分が、なんでと……しかもこんなに綺麗な貴方と関りを持ち続けたのか不思議で……」
雄介は検査をける段階で、自分が元はに対して拒否反応を起こす質である、恐怖癥である事を知らされていた。 しかし、今の雄介にその癥狀は出ていない。 奧澤の話では、記憶にあったへの恐怖や憎しみの思い出が、雄介のに防衛本能を働かせて、そのような癥狀を出していたのではないかと言う。 への記憶もすっかり消えてしまった今、防衛本能を働かせていた記憶が消えたため、防衛本能も働かないのではないのか、という結論で落ち著いたらしい。
「えっと……それじゃあ、今のあなたはにれる事が出來るのですか?」
「そうですね、自分にとっては不思議な事ではないのですが、自分の両親がひどく驚いていました」
「そうですか……あの…一つお願いをして良いでしょうか?」
「はい?」
織姫は顔をまたしても赤く染めながら、雄介に何か言おうとモジモジしていた。 雄介は何を頼まれるのか、織姫の言葉を持っていた。
「……手を握っても良いですか?」
「えっと……別に良いですけど……」
雄介は意味が分からず、とりあえず自分の左手を織姫に差し出す。 織姫は恐る恐る雄介の手にれて、強く雄介の手を握った。 織姫の手は雄介より一回り以上も小さく、らかくてひんやりとしていた。
「……私は、貴方のおかげで男が多怖くなくなり、こうして最近は外出もできるようになりました……」
「あ、あの……」
織姫は涙を流しながら言葉を続ける。 雄介は織姫がなぜ泣いているのか分からず困していた。
「貴方が毎日……來てくれたから……私と友達になってくれたから……今の私はここに居ます……」
「………」
雄介は織姫の言葉を靜かに聞いていた。 織姫の真剣な話に釘を刺す事が、今の雄介には出來なかった。
「そして、命も救ってくれた……私の大事な人と私の命を………謝してもしきれない……」
織姫は涙を拭き、顔を上げて雄介の顔を真っすぐ見る。 雄介は織姫のそんな仕草にしドキッとしつつも、靜かに話を聞いていた。
「初めてです……こんなにおしく思う異は……ずっと一緒に居たいと思う男は……」
「えっと……」
「私は、貴方をお慕いしていました。その気持ちは、記憶が無い今のあなたでも変わりません」
雄介は突然の織姫の告白に、顔を赤く染める。 織姫の手を握る力が強くなる。 織姫は真剣な表で、雄介から目を離さない。
「じ、自分は……記憶が無いので、貴方のその思いに今は答えられません……」
「はい……わかっています。でも、今度またあなたがムチャをした時に、私はもう後悔したくないんです……だから、言える時に言います」
織姫は雄介の手を両手で包むように握り、その手を額に持ってきて、願うように雄介に言う。
「私は、記憶が無くても……どんなでも……あなたが大好きです。だから……早く戻ってきてください。私はずっと待っています……」
雄介は分からなかった。 話で織姫と雄介の関係やこれまでの出來事は聞いたが、なぜここまで織姫は自分を思っているのか、雄介は分からなかった。 自分は記憶を無くす前に一何をしたのか、ますます気になった。
「……すいません、そろそろ行きます。それでは……」
「あ! ちょっと!!」
織姫は雄介の手を離し、すぐさま病室を後にする。 雄介からちらっと見えた織姫の顔はリンゴのように真っ赤だった。
「……俺は、あの子の事、どう思っていたんだろう……」
左手にはまだわずかに、織姫の溫もりが殘っている。 自分をあんなに思ってくれる子が居た事に、雄介は驚いていた。 熱くなった顔を隠すように、雄介は布団を被って眠りに落ちる。
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