《甘え上手な彼2》第4話
「なになに? 紗彌ってもしかして今日の放課後暇?」
「うん、暇になっちゃった」
「じゃあ、私らと遊ぼうよ! 偶には子だけでさ!」
「うーん、高志も居ないし……偶にはいっか」
「そうしなよ、お互い偶には友達とも流しておかないと」
高志は紗彌にもそう言い、今日は互いに友人と遊びに行くことになり、珍しく放課後は別々になった。
「ほらほら、旦那は置いて、さっさと行こ」
「じゃあね高志、また夜ね」
「あぁ、じゃあな」
紗彌はクラスの子に連れられて、教室を後にして行った。
殘された高志も優一と合流し、二人で教室を後にする。
「なぁ、どこ行くんだよ」
「まぁ、ついて來ればわかるよ」
優一と一緒に學校を出て、駅前の大通りを歩いていた。
目的地をいつまでも教えてこない優一に、高志は不信を抱き始めていた。
歩き始めてし経過した頃、優一が足を止めた。
「よ! お待たせ」
「おせーぞ、優一、高志!」
「え? 泉に……赤島?」
優一が足を止めたのは、カラオケ店の店先だった。
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店の中ると、そこにはクラスメイトの泉と赤島が居た。
二人とも同じクラスの男子で、高志は偶に話しをするくらいの関係で、そこまで仲が良い訳では無かった。
「一どうしたんだ? この二人もえてカラオケとか?」
「? 何言ってるんだよ、高志」
「聞いて無いのか?」
俺が尋ねると、泉と赤島は不思議そうな顔で高志にそう言ってくる。
高志は何の事なのかさっぱりわからず、首を傾げる。
「いや、合コンのメンツ合わせでお前と優一を呼んだんだけど? 納得してくれたんじゃ無いのか?」
「はぁ!? 合コン?? そんなの聞いてないぞ!」
高志はまさかの出來事に聲を上げる。
直ぐさま優一の肩を摑み問い詰める。
「おい! どういう事だ! 合コンなんて聞いてないぞ!」
「そりゃな……言ったらお前、來ないだろ?」
「當たり前だぞ! 俺には紗彌が居るの!!」
「だから、數合わせだって、座ってれば良いから、偶には俺たち非リア充の役に立て」
「お前、クラスの奴らに彼氏彼を紹介するんじゃ無かったのかよ!」
「だから、今日はこの二人の番なの。だけど向こうが、いきなり二人で會うのは厳しいから、合コン形式にしたんだよ」
「だからって、なんで俺が!」
「向こうが四人だからだよ。大丈夫だって、広いこの町の中だぞ? 宮岡に見つかるわけないだろ」
「そう言うことを言ってんじゃねーんだよ! 俺はただ……信じてくれてる紗彌を裏切りたくないわけで……」
「そうか……そうだよな……無理言って悪かったな……」
「ゆ、優一……」
いつも以上に分かりの良い優一に、高志はを覚える。
(こいつも俺の気持ちを察してくれたんだな……)
なんて事を高志が考えていると……。
「そういう訳で、今日はもっと無理をしろ」
「え……」
優一にそう言われ、高志は無理矢理に合コンに參加させられた。
「おい! なんださっきの流れは! 完全に俺を帰してくれる展開だっただろ!!」
「うるせーんだよリア充が! 俺たちモテない男の役に立った後で発しろ!!」
「お前はもっと友人を大切にしろ!!」
部屋にっても言い爭いを続ける高志と優一を見て、泉と赤島が止めにる。
「おい、落ち著けって! もうすぐの子來るんだろ?」
「そうだよ、俺たちの為にも大人しくしていてくれ!」
高志と優一は二人にそう言われ、言い爭いをやめる。
なんでこんなことになってしまったのだろうと、高志は溜息を吐く。
「はぁ……仕方ない、座ってるだけで良いなら協力する」
「お前はどうせ家に帰って宮岡とイチャイチャすんだろ?」
「うるせーよ!」
ピリピリした空気の中、部屋の扉が開く。
子のメンバーがやってきたようだった。
*
高志達がカラオケについた頃、紗彌はクラスメイトの子二人プラス由華と共に駅前を歩いていた。
「どこ行く?」
「そうだなぁ~、紗彌と由華も居るし……みんなでカラオケは?」
「お、いいねぇ~、二人もそれで良い?」
クラスメイトの子二人に尋ねられ、紗彌と由華は笑顔で答える。
「いいね、結構久しぶりかも」
「紗彌は最近八重君とばっかり一緒だもんね」
「まぁね」
由華の言葉に紗彌はし照れた様子で答える。
そんな紗彌に、クラスメイトの子は羨ましそうに言う。
「良いなぁ~私も彼氏しい~」
「八重君メッチャ紗彌の事大事にしてるよね? あんな彼氏しいわ……」
高志の事を良く言われたのが嬉しいのか、紗彌は非常に上機嫌だ。
「で、夏は二人でどこに行くの??」
「まだ決めてないけど、海とか行きたいねって行ってるよ」
「じゃあ、水著買わなきゃじゃん!」
「そうだね、夏休みだし暇な時に行こうかなって」
高志に水著を選んで貰おうと、紗彌はまだ水著を買っていない。
ったら一緒に行ってくれるだろうか?
などと、し心配な紗彌。
男に、一緒に用水著コーナーに來てくれと言うのは、し申し訳ない。
「さ……紗彌……ち、ちなみに…はぁはぁ……ビキニとかにするの?」
「うん、どうしたの由華。なんか息荒いけど?」
「そ、そんな事無いわよ!?」
暑さでし調子が悪いのだろうか?
などと紗彌はし由華を心配しながら、カラオケ店までの道を歩く。
歩いて數分、目的てカラオケ店に到著し紗彌達は付を始める。
「え! 數分待つんですか?」
「申し訳ありません、お部屋の方の掃除がまだでして……直ぐに終わりますので、そちらの席でお待ち下さい」
付のにそう言われ、紗彌達はり口付近のソファーで呼ばれるのを待つ。
「やっぱり、明日から夏休みだからみんな來るのかな?」
「予約すればよかったね」
出てくる客も、歌っている客も學生が多く、みんな考える事が同じなのがわかる。
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