「そ、それにしても熱いな……」

高志はチラチラと隣の紗彌を見ながらそう切り出した。

他の三人は、既にどこかに行ってしまった。

「じゃあ、海る？」

「こ、この年になって海で目一杯泳ぐってのもな……」

「良いじゃ無い、それとも泳げないの？」

「人並みには泳げるよ」

「じゃあ、行こ！」

「え、ちょっと！？」

高志は紗彌に手を引かれ、海の中にっていく。

紗彌はパレオとパーカーをぎ、高志を海の中にう。

「うわ！　意外に冷たいな……」

「気持ちよくて良いじゃ無い、それ！」

「うわ！　冷たっ！　紗彌、やめろって」

「アハハハ！！」

楽しそうにはしゃぐ高志と紗彌。

そんな二人を焼きそばを食べながら、鼻を出して見守る子が居た。

「はぁ……ビーチではしゃぐ紗彌……可すぎ！！」

「由華先輩も好きですね～」

二人の様子を見ながら、由華と芹那は焼きそばを食べる。

「仲良いですね～あの二人は」

「そうね～羨ましいわ～」

「……由華さんは、好きな人に人がいても良いんですか？」

「ん？　まぁ私の場合は絶対に実らないだから……」

「す、すいません！　そんなつもりでは！」

「良いのよ、私が一番良く知ってるから……」

悲しそうな顔をしながら答える由華。

そんな由華を見て、芹那はこんなことを言うべきでは無かったと後悔する。

「ご、ごめんなさい。せっかく海に來たのに……こんな話しを……」

「良いのよ、変なのは私だし……の子が好きなんて、自分でだっておかしいと思ってるわ、でも最近気がついたの……」

「え？」

「紗彌が幸せなら、私も幸せだって……だから、このままで良いのよ」

「……先輩は強いですね」

「そうでないとやってけないわよ～、早く食べましょ」

「……そうですね」

芹那はいつもの調子で話す由華を見て、自分も笑みを浮かべる。

は人それぞれなのだと、このとき芹那は學んだ。

一方で、海の中で戯れていた二人は……。

「高志」

「はい……」

「なんで、鼻出してるの？」

「なんでもございません」

「さっき私を支えてくれた時に、どこかに鼻ぶつけた？」

「違います」

「じゃあ、なんで？」

「察して下さい」

「？」

不思議そうに高志を見ながら、紗彌は首を傾げる。

なぜ高志が鼻を出しているのか、それはすこしだけ前に遡る。

足をらせ、転びそうになった紗彌を高志が支えたのだが、その勢に問題があった。

紗彌を正面からけ止める形で支えた高志の腹部に、非常にらかいが二つ當たってしまった。

いつもより布の面積がない上に、著ているは布一枚だけ。

そんな事を考えてしまった高志は、自然とが反応してしまった。

「大丈夫？　熱中癥？　一回上がろうか」

「あ、あぁ……その方がよさそうだ。そして紗彌は早くパーカーを著るんだ」

「？　なんでパーカー？」

「良いから……あとパレオも……」

高志は沖に上がる間、ずっと紗彌を直視出來なかった。

＊

「………」

「まぁ……アレだ……人間誰しも向き不向きがある」

「同するならをくれ！！」

「やらねーよ」

戻ってきた優一は、ナンパに失敗し神的にダメージを負って帰ってきた。

喧嘩は強いのに、メンタルは豆腐みたいな奴だなと高志は思いながら、呆れた表で優一を見ていた。

「くそ！！　なんで俺はモテないんだ！！」

「ガツガツしてるからじゃないか？」

ちなみに紗彌達陣は、皆でかき氷を食べに行っている。

高志と優一は、ビニールシートに座りながら、飲みを飲み話しをしていた。

「大、お前には芹那ちゃんが居るだろ？」

「ふざけるな、俺とあいつが付き合う可能は無い！」

「おまえ、そんな事言ってると一生彼なんて出來ないぞ？」

「居るわ！　頑張れば、俺だって彼の一人や二人……」

「無いって」

「そんな顔で言うな！！」

高志の可そうな人を見るような視線に、優一は青筋を立てて高志を怒鳴る。

そんな事をしていると、紗彌達陣が帰ってきた。

「ただいま～」

「おかえり、食べてきた？」

「うん、はい、ラムネ飲む？」

「うん、ありがと」

高志は紗彌からラムネをけ取りそれを飲む。

しかし、それを見た優一は……。

「発しろリア充が！　何自然と間接キスとかかましてくれてんだ！！」

「「あ」」

優一の言葉で二人は気がつき顔を赤らめる。

それを見た優一は再び……。

「初か！！」

紗彌と高志にツッコミをれる。

「なんなんだ！　この悲しい夏は！！　俺にも青春させろ！」

「勝手にしろよ……なにキレてんだよ」

「うるさい！」

「じゃあ優一さん！　是非私と青春を！！」

「そんな汚れた青春は嫌だ！」

「酷い！！」

そんなこんなで、一同は海から上がり。

今夜止まる場所に向かい始める。

「ところで今日はどこに泊まるんだ？」

「近くのホテルだよ、そこの割引券貰ったからな」

「だから、宿泊費が安かったのか……」

一同は荷を持ってホテルに向かう。

到著したホテルは、真新しい綺麗なホテルだった。

夏だからか、他にも沢山のお客さんが居た。

フロントで鍵を貰い、高志達は部屋に向かう。

「えっと、子の三人はこっち。俺と優一はこっちだな」

「わかったわ」

「優一さんと部屋は別ですか……」

「普通だろ」

「今から部屋取るか？　俺は一人部屋でも良いし」

「私、フロントに聞いて來る？」

「なんで皆してノリノリなんだよ！！　おかしいだろが！！」

結局部屋は男で別々とし、夕飯までを休めることになった。

高志と優一は部屋に荷を置き、ベッドに橫たわる。

「あぁ……なんか々疲れたな……」

「俺はなんか神的に疲れたよ……」

「スポドリ飲むか？」

「飲む」

高志は優一にスポーツドリンクを渡す。

渡されたスポーツドリンクを優一は勢いよく飲み干し、深く息を吐く。

「はぁぁぁ～……味い」

「それは良かったな」

「味いついでに聞いていいか？」

「なんのついでだよ……」