《甘え上手な彼2》第45話

夏休みが終わり、今日から二學期が始まる。

高志はいつもの通り、紗彌と一緒に學校に登校していた。

「あぁ~夏休みも終わりかぁ……」

「終わっちゃうとあっという間よね」

「本當だよ、もうし長ければ良いのになぁ……」

夏休み明けの憂鬱な気持ちのまま高志は紗彌と共に教室にっていく。

「おはよ………朝から何してんだよ」

教室にった高志が目にしたのは、椅子に縛られて拷問をける優一の姿だった。

「おう、高志! 今日も憎たらしいな!」

「赤西、その挨拶は間違いだと思うが……何かしたのか?」

「あぁ、優一の野郎! 夏休み中に彼を作りやがった!」

「だから違うって言ってんだろ! お前ら後でぶっ殺す!!」

ワーワーわめきながら、誤解だと訴える優一。

高志は芹那自から、優一と付き合い始めたことを聞いており、遅かれ早かれ、クラスの連中にバレて、こうなるのではないかと思っていた。

「諦めて制裁されろ」

「助けろよ!」

今まで優一にやられてきたことを考え、高志は優一を見捨てることにして席に著く。

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「お前だけは絶対にモテないと信じていたのに!」

「見損なったぞ!」

「どう言う意味だよ!!」

夏休み明けの朝からこのクラスの男共は元気だなと思いながら、高志は荷を整理し始める。

「あぁ……またこのクラスの馬鹿な男共と毎日顔を合わせるのね……」

「最悪」

子はいつも通り、クラスの男共の嫉妬を呆れた表で見つめていた。

「おーい、お前ら席に……って、お前ら……」

大石は教室のドアを開けて、クラスの男共を見てため息を吐く。

「ちゃんと片付けろよ」

「「「はーい」」」

「止めろよ!! 教師だろ!」

大石もこんなことは日常茶飯事になってしまい、こんなことでいちいち怒ったりしない。

どう対処したら良いかも心得ている。

「お、お前ら……やめろぉぉぉぉ!!」

「よーし、まともな奴らだけでホームルーム始めるぞー」

「「「はーい」」」

「いやぁぁぁぁぁぁ!!」

夏休み開けの朝から、高志のクラスからは悲鳴が聞こえていた。

周囲の教室も流石に毎回こんなことがあれば、いちいち騒がない。

それどころか「今日もうるさいなー」くらいに思っていた。

「お前ら、夏休みはもう終わりだ、夏休みボケしないように真面目に授業をけろよ」

大石がだるそうに始業式の説明や今後の日程を連絡していく。

そんな中、優一をしばき終わった男共の一人が大石に尋ねる。

「そう言えば先生……保永先生とはどう言う関係なんですか!」

「そうだそうだ!」

「俺たちの保険室の天使に何をした!」

大石はクラスの男共の質問に、ピクリと眉をかし頭を抱えて震え出す。

「や、やめろ! あの人の名を出すな! お、思い出すだろ!!」

(((何があったんだ?)))

今までに見たことのない大石の姿に、クラス全員が同じことを考える。

學校が終わり、高志は一人で教室に殘っていた。

用事で職員室に行っている紗彌を待ち、もうすでに三十分ほどが経過していた。

九月になったとはいえ、まだまだ暑い。

高志は下敷きをにして、紗彌が帰ってくるのを待つ。

「お待たせ」

「おう、もう良いのか?」

「うん、大丈夫」

紗彌はニコニコしながら教室に帰ってくると、鞄を持って直ぐさま高志の元に向かう。

「帰ろ」

「そうだな」

一ヶ月ぶりの二人での下校。

高志はたった一ヶ月なのにも関わらず、なんだか懐かしい気分だった。

「今年の夏は楽しかったなぁ……」

「そうか?」

「うん、高志と一緒だったし」

「ほぼ毎日一緒だったな……」

「まぁ、夏休みじゃなくてもそうだけど」

「別にいいだろ? 嫌じゃないし」

「うん……嬉しい」

廊下を歩く二人の手が、自然と繋がる。

誰もいない廊下を二人は手を繋いで歩く、靜かで二人とも一言も話さないが、それが逆に心地良かった。

しかし、そんな靜かな時間もそう長くは続かない。

「優一さーん!! 今日こそ私の家に!!」

「行かねーって言ってんだろ!! それと、その手に持ってるはなんだ!!」

「荒縄と猿ぐつわです!」

「俺に何をする気だ!!」

「何を言っているんですか! 私がしてもらうんです!」

「どっちも嫌だわ!!」

いつもの調子で高志と紗彌の脇を優一と芹那が通り過ぎて行く。

付き合い初めても何も変わらないなと思いながら、高志は二人の背中を見送る。

これでようやく靜かになると思った矢先、再び誰かの聲が高志と紗彌に迫ってくる。

「大石先生、今日は私の家で飲みませんか?」

「遠慮します」

「じゃあ、19時に私の部屋でいいですよね?」

「遠慮しますって言いましたよね?!」

「なんなら、學校から真っ直ぐきますか?」

「お願いですから話しを聞いて下さい……」

今度は奈が大石に積極的なアプローチを掛けながら、高志と紗彌の脇を通って行った。

「あの二人は付き合うと思うか?」

「うーん……それはわからないけど………保永先生には頑張ってしいかも」

「まぁ、人気あるしな……男子の方では、大石先生に恨みを持つ奴らが増えてるよ」

自分の學校の男子生徒にまともな奴はいないのだろうかと思いながら、高志は紗彌と再び歩き始める。

「二學期もイベントは一杯あるから、楽しみだね」

「修學旅行に、クリスマス……一番近いのは、秋のクラスマッチか?」

「うん、私は高志と一緒ならなんでも楽しいから……」

「俺も……かな……」

「………」

「………」

お互いにそう言いながら、顔を真っ赤にする。

「ねぇ高志……」

「ん? どうした?」

「今日も部屋行きたい……」

「毎日來てるくせに」

「今日はその……ずっとくっついてたいっていうか……離れたくない……」

顔を真っ赤にし、俯きながらそういう紗彌に、高志は心を奪われる。

「そ、それは……どういう……」

「ん……言葉通りの意味……」

紗彌はそう言うと、高志の腕にしがみつき、頬を赤く染めながら恥ずかしそうに言う。

「早く帰ろ……早く二人になりたい……」

紗彌のそんな恥ずかしそうな表と仕草に、高志の心臓はドキドキしっぱなしだった。

カップルには良く倦怠期というものが來るそうだが、そんとうにそんなものは來るのだろうかと疑問に思いながら、高志は紗彌と家に帰宅する。

夏編 完

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