《腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが 特別編 〜転校生と始める學園生活〜》19話 膝枕問題

「スー…スー…」

さて…どうしたものか…。

狀況は変わらず、ミーシェは優の肩にもたれかかって寢ている。

「おーい、本當は起きてるんだろ?」

「スー…スー…」

「マジかよww」

無理やり起こすってのもあるが…。

この寢顔…。これを崩す訳には行かない。

「うーん…。」

「スー…スー…」

「うーん…」

「スー…スー…」

「くー…くー…」

「んふ…むにゃむにゃ…くしゅん!」

「くー…くー…」

「…あれ?私なんでこんな所に…え?」

目を覚ましたミーシェが隣に視線を移すと、気持ちよさそうに寢息を立てて寢ている優がいた。

待って…落ち著いて私。こんな狀況私は何度も乗り越えて…來てないよ!なんで?なんで優が私の肩に?

「あ、そうだ…昨日優と星を見てて…そのまま寢ちゃったんだ!」

でもなんで優まで…。

…つられて寢ちゃったのかな?

と、取り敢えず…

パシャ…

って違う!なんで寫メ撮ってるの?!私!!

「おーい、優?」

「くー…くー…」

「…ふふっ…綺麗な髪…。」

さ、るくらい…いいよね?!

サラサラしてる…。

「…」

ミーシェは優の頭をゆっくり自分の膝へと移させた。

きゃー!膝枕!お、起きませんように…

「ふふ…ふふふふ…。」

なんか…何やってるんだろうな…私。

でも優の寢顔。これを崩す訳には行かないよね…。

起きるまで待つ。うん、そうしよう。

「…ミーシェ?何やってるんだ?」

「は!り、陸くん?」

テントから小宮がでてきた。

「そこで寢てるのは…優?」

「こ、これは…違うの!優が寢ちゃって…それで…」

「そうか…よく寢てるな。待ってろ今布持ってくる。夏でも朝は冷えるからな。」

「え?あ、うん。ありがとう。」

小宮は布を持って戻ってきた。

「…まだ4時だからな。ふあぁ…僕はもうし寢る。ミーシェもあまりを冷やし過ぎないようにな。」

「あ、ありがとう。」

「…」

「くー…くー…」

さて…何やろう。星はもう見えないしな…。

「くっ…母…さん!」

「ユウ…。」

「…一人に…しないで…!」

「…ユウ…。」

「姉…さん…」

「…大丈夫。ユウは…ひとりじゃないよ?」

ミーシェは優の手を握る。

「っ…スー…スー…」

「よしよし…。」

「ん?」

「え?」

目が合う2人。

「「あ…。」」

「お、おはよう…ユウ。」

「おはよう…?ミーシェ。」

「…」

「お前がかけてくれたのか?この布。」

「あ、ううん。陸くんが…。」

「そうか、枕まで用意してもらって悪いな。」

「え?」

「それにしてもこの枕…なかなか気持ちいな。」

「え?あ、そ、そう?…ありがとう。」

「え?」

優は視線を上に移す。そして思考を巡らせた。

ミーシェとの距離は約50センチ。ミーシェは座ってる。

ってことは…

「膝…枕?」

コクン…

「ご、ごめっ!」

「あ!」

ゴチン!!

「くあ!」

「いて!」

「「っ〜〜〜!」」

「だ、大丈夫?!」

「そ、そっちこそ…。」

「だ、大丈夫。」

「そ、そうか…。」

「…」

「…」

「…戻るか。」

「そ、そだね…。」

ビビった〜…なんでミーシェが俺を膝枕してるんだ?

まさか俺…あのまま寢たのか?

「お、戻ってきたか。」

「陸…布ありがとな。」

「ああ、良かったな。」

「何が?」

「ミーシェに膝枕してもらえて。」

「…まあ。悪くはなかったよ。」

「そうか…。」

あ、あそこで起きるなんて!

絶対誤解されたよね〜…。

「うー…。」

ミーシェはテントに戻る。

江ノ島と松山はまだ寢ていた。

ミーシェは靜かに自分の寢床に戻った。そして橫になる。

…ユウの髪…サラサラしてた…。

「ふふっ…ふふふふ…はあ…。」

なんか…調子狂う。

ミーシェは再び夢の中に戻った。

その後は早めに起き、朝食の準備に取り掛かっていた。

「陸くん、お皿取って。」

「ほら。」

「ありがとう。みんな〜、そろそろ出來るよ〜。」

「わあ!凄いよミーシェ。本當に料理上手だよね!」

「…凄い。」

「えへへ…そうかなぁ…」

「ああ、お前の料理は味しいよ。」

「あ…ユウ。そ、そう?あ、ありがとね!い、今よそうから。座って待ってて?」

「あ、ああ。」

優は自分の席に戻った。

「…藤山くんと何かあったの?ミーシェ。」

「え?!な、何も無いよ?!」

「…そ、そう。」

「そ、そうだよ。」

落ち著け…私!

こんなにテンパってたら怪しまれちゃう!

「はあ…」

やっぱ気にするよな…。

謝っとくか…。

「ミーシェ。」

「あ、ユ、ユウ…。その、えっと…」

「さっきはごめん。」

「え?」

「俺…つい寢ちゃったみたいで…。でもお前の膝まで借りるつもりは無かったんだ。」

「そ、そんなこと…だってあれは私が…」

「本當に悪かった。俺の不注意だ。気をつける。だからこれからも俺と一緒に…」

「ストップ!ストーップ!」

「ミーシェ?」

「ち、違うの!あれはユウは悪くなくて…まず最初に寢ちゃったのは私だし…それに私からなの…。」

「ミーシェから?何が?」

「そ、それは…その…膝…枕。」

「へ?」

「ごめん!私ちょっと寢にくいかなぁ?って思って…それで…ユウを私の膝に…」

「…なんだ…そうだったのか…。」

「ごめんね?」

「いや、ありがとう。寢やすかったよ。」

「そ、そうかな?」

「ああ、お前の膝枕は気持ちよかったよ。」

「…そ、それは…良かった。」

「も、戻ろっか。」

「ああ…。」

そんな様子を江ノ島菜々は遠くから見ていた。

…やっぱり…何かあったんだ。

優くんとミーシェ…仲良いとは思ってたけど…もしかして…両思いだったりするのかな?

そうだったら私…

「適わないや…。」

―――――――――――――――――――――――――――――――

やばい!目が…目がぁ!

疲れ目で死にそうです。

すいません、今日は特別編だけでいいですかね?

目が…疲れたよ…パトラッシュ…。

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